少し長めの記事になりますが、多嚢胞気味に直接良い影響を与える薬として、私はメトホルミンに辿り着きました。

 

流産が年齢のせいではなかった話


この記事で、「一つの治療薬に行き当たった」と書いたのがメトホルミンです。


本来は糖尿病の薬で、インスリン抵抗性を改善する目的で処方されます。ただ、インスリン抵抗性が高いとPCOSの一因にもなるということで、不妊治療クリニックでは、PCOSと診断された方のうち、インスリン抵抗性を調べるHOMA-Rの値が基準値より高い場合に処方されるようです。〔ネット調べ〕

 

*インスリン抵抗性:血糖を下げるためにインスリンが分泌されても、臓器に作用しづらくて、同じだけ血糖を下げるのに必要なインスリン量が普通より多い状態。「インスリン抵抗性が高い」と表現される。

 

そして、私たち夫婦がプロジェクトXばりに試行錯誤した末に立てた仮説が、

 

【仮説1】私はインスリン抵抗性が高め

【仮説2】インスリン抵抗性が高いと、卵子の質の低下を招き、結果として流産しやすくなる

 

…の二つでした。一つずつ、もう少し話させてください。

 

【仮説1】私はインスリン抵抗性が高め

 

家族の話になりますが、私の父親は糖尿病で、父方は糖尿病家系です。これまで、私自身が糖尿病じゃないのと、インスリン抵抗性が高くなる主要因の肥満にも該当しないことで(私のBMI=19.2)、気にしていませんでした。

 

でも、インスリン抵抗性のキーワードに行き当たったことで、家族歴があるならもしかして…と思い、近所で評価のいい糖尿病内科クリニックに電話して事情を話し、HOMA-Rを検査できないか問い合わせたんです(通っていた不妊治療クリニックでは、PCOSの診断がないと検査できないと言われたため)。

 

そうしたら、有り難いことに院長先生が電話に出て下さいました。「普通は、インスリン抵抗性を調べる肥満の基準はBMI=23から。でも家族歴があれば、痩せててもインスリン抵抗性高い人多いよ(断言口調)。うちにもたくさん痩せてる患者さんいるから」とのこと。そこで、HOMA-Rは調べられないけど、状況証拠から、私はインスリン抵抗性が高めだろうと判断しました。

 

【仮説2】インスリン抵抗性が高いと、卵子の質の低下を招き、結果として流産しやすくなる

 

図示すると、このような機序だろうと理解しています。

*独学で調べた一個人の理解なので、間違っている部分があるかもしれません。

 

 

文章にすると、

・家族歴のある私は、インスリン抵抗性が遺伝的に高い。

・普通の人と同じだけ血糖を下げるのに、インスリンが過剰分泌される(私はパンやスイーツが好きで、急激に血糖値が上がる食生活なので、余計過剰分泌に)。

・そうすると、バランスを取ろうとして血糖を上げる副腎皮質ホルモンが分泌される。それに伴って副腎アンドロゲン(男性ホルモン)も分泌され、結果的に全身のアンドロゲンが増えるので、卵巣内のアンドロゲンも増える。

・一方で、PCOSや多嚢胞気味の人は、LH(黄体形成ホルモン)の分泌がもともと多い。←なぜ多いか機序は分かりませんが、インスリン抵抗性が背景にあるという説があります。

・LHには卵巣のアンドロゲン産生亢進作用があるので、結果的に卵巣内のアンドロゲンが増える。

・ダブルで増えた卵巣内のアンドロゲンの影響で、卵胞が育つのに時間がかかって排卵遅延になるのと、卵子の質低下という事象が起きる。

・クロミッドなどの排卵誘発剤は排卵遅延には効果あるけど、卵子の質の低下には効果が見込めない。メトホルミンは、排卵遅延と卵子の質低下の両方に効果がある。

 

…だと、現時点では理解しています。

 

現在メトホルミンは、アンチエイジングやダイエット目的でネット購入できるくらいなので、それだけ安全性の高い薬なのかなと思っています。

 

ちなみに私の場合、5周期連続流産して、次の周期に入ってから(生理が始まってから)メトホルミン服用を開始。その周期は妊娠検査薬陰性でしたが、その次の周期で次男を授かりました。飲み始めてから、成功した周期の高温期初日(私の推定排卵日)まで61日。ネットでは、メトホルミンの効果が出るまで2〜3ヶ月かかるとあったので、だいたい合っているように感じました。

 

 

(つづく)