長男が亡くなった後の話になりますが、

当時、私たち夫婦は、子どもを亡くした親が集まるピアサポートの場に何度か足を運びました。そこに集う親御さんは、大まかに言うと2つのグループに分かれました。

一つは、たった一人の我が子をなくした親御さん。
(例えば、一人っ子を亡くしたとか、第一子を亡くして次の子はまだ授かっていない、とか)

もう一つは、我が子を亡くしたけれど、他にも生きている我が子がいる親御さん。
(例えば、第一子を亡くした後第二子を授かったとか、下の子を亡くしたとか)

私たち夫婦は前者だったわけですが、

「たった一人の我が子を亡くすのと、他にも生きている我が子がいるのとでは、状況が天と地ほど違う」と、当時強烈に感じました。

同じ緑色の折り紙でも、白色の画用紙の上に置くのと、青色の画用紙の上に置くのとでは見え方が大きく異なるように。

我が子を亡くした悲しみは皆同じでも、他に生きている我が子がいるかどうかの違いは、悲しみの質や体験の仕方に決定的に影響を与えます。
(誤解のないよう書き添えると、他の子がいれば亡くなった子の存在に代えられる、という意味ではありません。)

そして、場面は違いますが、40代の妊活にも同じことが言えると思います。

時間のリミットが迫っている不安と焦りが強い中で、一人目を授かるために妊活しているのと、既に子どもがいて、子育てしている中でもう一人授かるために妊活しているのとでは、状況が天と地ほど違います。不安や焦りが強いのは皆同じですが、その質や体験の仕方が全く異なります。

両方の立場を経験する身になった今、心からそう思います。
*私の場合、次男の妊活は二人目妊活ですが、長男を亡くしていたため、一人目妊活の方と共通する部分が多かったと捉えています。

同じ「40代の妊活」というワードを使っていても、一人目妊活と二人目妊活の違いを踏まえて相手の話を聞きたい。自分の経験から、常々そう思っています。