「不妊治療」

40代で妊活していると、必ず目にする/口にする言葉ですが、前々から違和感を感じています。

一つは、「不妊って言葉はネガティブな印象が強いのに、なぜ敢えてこの言葉なの?」という違和感です。

個人的には、「妊娠しにくい」とか「妊娠困難」といった言葉よりも、「不妊」の方が、問答無用で「妊娠不可能!」と言われている気がします。冷たくピシャリと言い放たれていて、取り付く島もない感じ。加えて、現時点で妊娠していない/妊娠しにくいだけであっても、今後もずっとそうであるかのようなニュアンスすら感じます。

辞書で調べたところ、「不」は打ち消しの語で、否定する意味らしいです。この接頭語がつくと、どうしても「不能」「不全」「不具合」といった単語が連想されて、あまり好ましい印象を受けません。

 

総じて、「不妊」って、ネガティブな印象が強い言葉だと思うんです。なぜ、敢えてこの言葉なんでしょうか。これでなければいけない理由ってあるんでしょうか。

一旦日本語から離れると、ネイティブの英語で「不妊治療」は、「infertility treatment」(不妊に対する治療)ではなく、「fertility treatment」(妊娠を促す治療)と表現することが多いようです。〔ネット調べ〕

つまり、「不妊治療」ではなく「妊娠治療」ですよね。これって、素敵な響きだなぁと私は思います。

原因や現在に焦点を当てた「不妊(に対する)治療」も、目的や未来に焦点をあてた「妊娠(を促す)治療」も、意味内容は同じなので、言い換えても取り立てて困る事はないと思うんです。であれば、後者の方が無用なネガティブさがないし、本人も周りも、目にする/口にする時にストレスを感じにくいという意味で好ましいと思うんです。

「私、不妊治療してるんです」
「私、妊娠治療してるんです」

些細な違いかもしれませんが、私は後者の方が気持ちが和むし、温かみと希望を感じる素敵な言葉だなと思います