彼から、最後のお誘いが来た。
「○曜日か○曜日はどう？」
「それはホテルのお誘い？」
「正直言うとそうだよ。でも最後にご飯とか飲み行って話せたら良いな！」
……それなら、私も会いたい。
「ちょっと体調と時間的にホテルは厳しいかなって。でも、ご飯で良いなら私も最後に会いたいな」
「まじか、体調大丈夫？うん、ご飯行こ！」
そして、最後に彼と会うことになった。
一応前置きしたし、いざ誘われても生理ってことにしよう。
えっちは下手だけど、彼と会った短い期間で、私はかなり彼のことが好きになっていた
これ、本当テクニックまであったら、
ドハマリしちゃってたかも
地元についてく、と言ってた女子が複数いたらしいが、大分頷ける。
なんか天然たらしの要素がある
最後にもう一回会う機会あるなら、彼にお餞別でも渡したいなと思ってたんだよね。
あれだけ職場の皆に買ってたし、あげたら喜ぶかなーと。
……………
当日。
待ち合わせ場所につく。
時間通りに彼もきた。
相変わらずチャラいオシャレイケメン。
「どこ行こっか？」
「職場の人に教えてもらった上手い居酒屋予約しといたから、そこいこ！」
こういう所も彼の良いところ
店選びでもたつきたくないから、大体予約しちゃうと言っていた。
Tinderの中でも、ほんとレベル高い男子なのよね
彼と会うのはもう3回目。
10日で3回はかなりのハイペース。
私も大分無理している
今日だって、家の都合で2時間空けるのが精一杯だった。
……………
お店は隠れ家風の美味しそうなお店。
半個室を用意してくれて、話しやすい雰囲気。掘りごたつな感じが良い。
「ここいいね！美味しそうだし」
「なんか唐揚げが美味いらしいよ」
そうして、二人でお喋りする。
彼も大分慣れてきて、職場の話をたくさんする。
お土産もあの後大分悩んでしっかり買ったらしい。
料理も美味しいし、楽しい
そうして1時間半が経過。
彼もそろそろかな…という顔をしている。
そして、間違いなく誘ってくると思ってたので、こちらが先手を打つ。
「今日、ごめんね苦笑」
「えっ！」
「あの、生理来ちゃって、週末たくさん刺激されたから早く来たのかな～って笑」
「あ…そっか、、」
彼の顔が無表情ながら、がっかりしてるのが伝わる。
「女子が体調悪いって言ったら、まぁそれだよな～…あれ、でも予定は2週間後とか言ってなかったっけ」
そう、それをツッコまれると面倒と思って、メールでは敢えて生理と書かなかったんだよね。
「あ、ごめん。。そっちが嘘で。安全日って伝えて生でされたら困るなって…😅 あの場で聞かれたら不安になるよ笑」
「あ、そうか。いや。オレ過去にゴム破れたこと何回もあったから、自分のリスクとしても聞いておきたくて。まぁ、女子はそういう守りは大事だな」
あ、逆にリスクヘッジ考えてたのか
！
真面目ってか、やっぱ良いやつ
「ざんねんだわ。。」
と、こちらをじーっと見る。
無表情で怖いのだが、きっと怒ったりはしてないことは、わかっているので、
「ごめんね。あ、あと私からこれ、リョータくんに」
ここで彼へのプレゼントを出す。
内容は、彼が職場の人のものを探すときに寄っていたブランドのお店の靴下。
価格も2000円程度だし、今まで全部出してくれた彼へのお礼としては安いくらい。
「え、いいの？！ごめん、オレ全然用意してなくて」
「全然！いつも色々出してくれてたし、ありがとう。一応リョータくんが寄ってたお店で買ったから大丈夫と思うけど。。でも職場の人の好みだったのかな笑」
「全然全然！え、嬉しい、ありがとう！」
彼はプレゼントを見て喜んでくれた。
無表情だけど、パァァァとした雰囲気は伝わってくる
やっぱり買ってきて良かった。
断るだけも辛かったし、喜んでくれて私も嬉しい
その後、ずーっと悪戯な顔して、私の足にツンツンしてくる彼。掘りごたつの下で。
力加減の下手な彼なので、まぁ少し痛いけど、可愛いから、許す💞
「でも、短い間だけどタイミング良かったと思うよ。リョータくんが大好きだった子に盲目状態だった時に会っても、続かなかったと思うし」
「確かに！そん時だったら、何も思わなかったな！盲目状態ってこわいからな笑」
「はは」
「そう思うと、この出会いも運命なんだよ、オレそういうのめっちゃ信じてる笑！」
熱く語る彼を見て、
どこが冷たくて薄情(自称)なんだか、とまた思う笑
「お腹いたくない？大丈夫？」
なんて、途中でまた聞いてくれたりして、優しいんだよね。
そして、お店を出る。
最後は払うと申し出たが、彼が払ってくれた。
「そいえば、リョータくん、スラダンの宮城リョータに似てるよね笑」
あまりに似てるので本人にも言ってみた。
すると、満更でもなさそうに、
「え、うそ笑！オレあそこまでクルクルじゃないっしょ。…あ、でもアイツもヘタレだな」
と、ボソッと言っていた。
自分でその認識はあるんだね笑
そして、駅に向かうと
「ね、ホテルいこ！」と、また誘われる。
「いや、今日は…」
「できなくても、良いから！」
できなくても良いったって。。
また、口とかでやるんじゃないの
いや、普通に優しく抱きしめたりしてくれそうな気もするけど。
どっちみち、時間がなくて無理だ
「ごめんね、今日は時間なくて」
「今日、最後だよ？！」
ロマンチストな彼にとって「最後」の意味が大きいのは分かる。
気持ちでは行きたいと思う。
でも、やっぱ家庭優先は仕方ない。。
彼を納得させるには言うしかないか。。
ピュアな彼には言いたくなかったけど。
「…ほんとは、言いたくなかったんだけど…」
と、言いづらそうに私が言うと、
「…じゃぁ、聞かないよ」
と、ものすごく優しい声色で彼が言った。
やっぱ、良いヤツ…
好きだよ。。笑
そして、二人で改札へ向かう。
方向は違うけど、電車は同じ。
彼は、その間、
色々下ネタやら残念的な話を色々振ってきていたので、
「今週最後に、一番大好きだった子と会う予定あるんでしょ？その子にしめてもらいなよ笑」
「オレ、一番とかそういうのないよ！」
……たらしだなぁ
と思った。
最後、ホームでお別れ。
彼の方の電車が先に来た。
彼はまた私の手をギュッと握って
「あーあ、また東京来いってことなのかなぁ。。プレゼント、ありがと。大事にする。またやろうね笑！」
と、若干チャラめに帰っていった。
そして、その後、
「分かりづらかったと思うけど、プレゼント嬉しかったよ。また会えるの楽しみにしてる」
と。絵文字付きでLINEも送ってくれた。
最後、嬉しいのわかりやすかったよ笑
ああほんと、可愛いヤツ
例の大好きな子とは
これから劇的なロマンチックなお別れをするんだろうか
元気に帰ってくれたら良いな。
はぁ～。。
たかだか10日の関係。
期間限定と最初からわかってた。
はずなんだけど。
結構、寂しく感じた私だった
めっちゃ好きなタイプだったわ。。