前回の続きです。
りゅうへいくんのことを愚痴りたい、
慰めてほしい、
頭の整理をしたい私は、かずやくんに詳細を話しだした。
しかし
今日の彼は、
全然聞き上手じゃなかった
相槌も深堀りもほとんどなく。
ただ黙ってこっちを見て聞いている。
ソファに寝っ転がった体勢で笑
表情は半笑い
思ったのと違う反応に戸惑う私
もっと、なんでなんで?って
聞いてくれると思ってた
もっと、慰めてくれると思ってた
半笑いは、まぁいつもそんな表情だけど、
今くらいやめてー
期待を大きく裏切られ、なんというか、
居心地が悪い
ひとり語りも辛くなってきたので、
「ま、そんな感じで、はぁ〜って感じだよ…」
と、適当に切り上げた
ひと呼吸おいて、ようやく質問が出る。
聞いてたんかーい相槌してくれ笑
「つぐみさんもう会わないって決めて…それ、彼には言ったの?自分の中で決めただけ?」
「言ったよ、最後ねって」
「あ、言っちゃったの笑?」
え、ダメだったの?
「…彼、なんて言ったの?それで」
「そっか、みたいな。…一応寂しいとは言ってくれたけど。もうお別れとは思ってなかったみたいで」
「いや、そうでしょ笑!」
え、そうなの?
私早まってしまったのだろうか。。
でも、もう続けたいって思わなかったし
……………
時計を見たら、もういい時間。
まぁ、そんなスッキリしなかったけど、帰るか。
「じゃ、そろそろ帰る」
「あ…もうちょい平気でしょ」
と、ソファの隣においでよ、とジェスチャーする彼。
あ、慰めてくれるのかな、と思い座る。
すると、手を繋がれる。
恋人つなぎで。
「あ、このつなぎ方なのね笑」
「こっちのが密着できていーじゃん」
「そうだね…」
嬉しい気持ち半分、警戒半分。
私が今、彼にしてほしいのは今くらいの距離感での接触である
家まできといて、
しかも私みたいなタイプが今更勿体ぶるなよと、思われるかもしれないが。
やっぱり、かずやくんに手を繋がれても、エロいことしたいとは全く思わなかったのである
少しすると、彼の手が肩の方に動いたので、
キスされそう、と感じ、
「後ろからギュッとしてほしいな」
と、背を向け、やんわり回避。
言われた通りバックハグしてくれる彼。
ソファの上にあぐらをかいた形の彼にすっぽり体育座りの私が入っている感じ。
うん、これやっぱ落ち着く。癒やされる。
今日はこれで充分。
キスされるとそのままコトに移行しそうだし
しかし、彼の下半身がやや固くなってる気配をお尻に感じ、ドキッとする。
ヤバい。
「ありがとう!もう大丈夫!」
彼の身体からさっと離れる。
「え、もういいの?」
「うん、充分」
すると、彼にもう一度ぎゅーっとバックハグされる。
「…離さない笑」
私の首元に顔を埋めてくる彼。
汗臭くないかな、と気になる
そして無精ひげがチクッと痛い。
でも、優しい感じもする。
…でも。
う〜ん。。。
う、嬉しい気持ちも正直ある
嫌じゃない、嫌じゃないけど。
でも、今日はほんとにやる気がないの
顔を向き合わされたので、
「いや…ちょっと…笑」
と、顔を背けて、彼の胸をトンと押す。
「え、だめ…?」
一瞬間を置き、キスされる。
そしてすぐ深いキス。
あ〜。。
やっちゃった。。
私は乗り気じゃないので、
表情はな感じで、深いキスに応じない(舌を出さない)。
あぁ…ヤリモク…だなぁ。。
私、傷心なのに。。
強引にくるなんて…
彼なりの慰め?
いや、ただの欲求だよね、コレ
嫌よ嫌よも好きのうちって思われたかな。
ちゃんと抵抗しないからいけないのか。
乗り気じゃないのに家に来た私がそもそも悪いのか…。
過去に一度身体の関係もある彼。
いまさらキスくらいで抵抗はしないけど、
冷めた気持ちでいた
一瞬キスが収まったタイミングで、
「あ、もうほんと出ないと笑」
「えー…」
荷物を持って、玄関に足早に向かう。
「ちょっとまって、じゃ。最後に」
肩に手を置かれ、またキスされる。
少し息を荒くした彼が、
「舌、出してよ。べーって」
と言う。
その表情は真顔で、ちょっと怖い
最後だし大人しく言うことをきくと、顔が近づいてきてまたされるがまま。
「ね、リハビリしよ…」
と、優しくキスしてくれる。
ときめくような、そうでないような。
心置き去りのキスはなんか虚しい。
露骨なヤリモクを感じて、
やっぱり寂しい。。
……………
帰り道。
私がお願いしたから、駅まで一緒に送ってもらうことに。
彼は自転車を引いている。
帰り遠いし、スーパー寄りたいらしい。
「まぁ、そんな気を落とさず笑」
「ありがとうございます笑」
「オレはまだワンチャンあると思ったけど」
「いや、もうないかな…」
「また、いつでも遊びきて下さい笑」
「ありがとう。あのさ…」
「うん?」
「前にさ、私が最後に連絡してずっと返信なかったのは何でだったの?」
…少し、彼が気まずそうな顔をする。
「あ〜…オレさ、グイグイ来られると引いちゃうんだよね…」
「…あぁ、やっぱそっか。そうかなって思ってはいたんだよね笑」
「オレ、フラットな関係がいいんだよね、フラットね、フラット!」
……。
フラットな関係。
セフレとかってことかな。
「まぁ、そういうスタンスは個人で色々あると思うし良いんじゃない」
「うん」
「でも、私は好きじゃない人には連絡しないし、好きな人には沢山しちゃうタイプだから」
お前のスタンスはしらん
「ああ」
「かずやくんにはもうグイグイしないから、大丈夫だよ笑」
「笑」
そんな話をしてたら、もう数分で駅という場所まで来た。
彼の寄りたいスーパーの前。
「あ、ここまでで平気?」
最後までは送ってくれないのね、
と思い、悲しくなった
「いいよ、ありがと、じゃ、また」
と、私も駅まで向かう。
彼の方はもう見ない。
……………
うん。
イマイチ癒やされなかったな。。
傷心なのに、強引に来られると、
ああ、もう私のことより、欲求なのね、みたいな気分になっちゃうのは私だけ?
りゅうへいくんと別れた話、
彼にとっては、自分の方に重く来られるんじゃないかって警戒したのかな。
フラット連呼してたけど。。
やらないでよかった。
今やってたら、またフェードアウトされることになったかも
ダブルで振られたら、
傷心の今の私にはかなりキツい
………
その後、また誘いの連絡がきた。
「傷心なので、かずやくんの求めてるフラットなセフレはちょっと。ごめん」
と素っ気なく返信。すると、
「スマフレ(スマブラフレンド)は急募してるから、また気が向いたら遊んでね」
と連絡がきた。
やらなくてもいいから
私と会いたいのだろうか。
そんな淡い期待が浮かぶ。
いや、以前自分を追い掛けてた女が
案外釣れないので、誘ってるのかも。
こっちがその気になると逃げるのだ、そーいう奴は。
彼に期待しすぎると
しっぺ返しをくらう
過去のフェードアウト、
前回会った時の期待外れからそう感じ、
今のところ、警戒しまくりの私
彼のこと、
またすぐに好きになりそうで。
傷つくのが、まだちょっと怖い