昼食時に聞こえて来た

ウンスのアメリカ行きの話

 

すぐにでも確認したい衝動を

チェヨンは押さえ込んで

仕事に集中した

 

話したくなるまで待つと

先に宣言したのは

チェヨンの方だ

ウンスのことならば

なんにしても一番に

知りたい気持ちはあるが

無理やり聞き出すことは

したくない

 

行く気なのか

行かない気なのか

それはウンスが決めること

いやいや

どちらにしても

だからなんだと言うのだ?

 

どこへ行こうと

ウンスに対する気持ちが

変わるわけはない

 

寂しくないといえば嘘になる

いつも手元に置いて

その肌に触れていたい

だがそのような欲に溺れ

ウンスの医者としての

将来を潰すようなことだけは

したくはない

それだけは絶対に・・・

 

忙しくしている方が

変なことを考えずに済む

気が楽だ

チェヨンは激務の

研修医であることに

今日ばかりは感謝した

 

そうして

その日の夜

束の間の休憩時間に

チェヨンは

ウンスのメールに気がついた

 

「朝の話の続きで

ヨンに相談したいことが

あるの・・・

次 いつ会えるかな?」

 

メールを読んだ途端

体が勝手に動いて

心臓外科の医局に走った

 

もしかしたらウンスは

もうヴィラに

帰った後かもしれない

 

そっと部屋を覗き込むと

ちょうど研修医の

チ・ソンたちから質問を

受けているところだった

 

 

え?教授が「氷功の名医」

って言われているわけ?

ああ〜それはね

まるで患者を凍らせて

手術するように見える

独特なやり方のせいなのよ

もちろん誰にでも

できることじゃないし

この術式を行うのは

国内でもキ教授だけだと思うな

そのおかげで

心臓外科医として

名を馳せたんだもの

でも この術式に関しては

危険を伴うし

キ教授もやり方を

誰にも教えないのよ

だから君達も教授の真似を

しようと思わずに

地道に技術の鍛錬をすることね

それが名医への第一歩よ

 

 

何度手術に立ち会っても

どう言う仕組みなのか

わからない

まるで目の前で

魔法とか妖術にでも

かかったみたいだと

ウンスはブツブツ答えた

 

 

あれ?ウンス先生

誰かドアのところに・・・

 

 

話の途中でチ・ソンが

チェヨンに気づき

ウンスに言った

 

ウンスが振り返ると

少し戸惑った顔で

チェヨンが手招きをしている

 

 

あら?ヨン?

休憩時間?

 

 

ああ よかったら

飯でもどうだ?

 

 

行く

ちょうどお腹が空いていたの

じゃあ みんな

夜勤も抜かりなく

頼むわよ

何かあったら呼び出して

 

 

ウンスが

そそくさと出て行くと

残った研修医たちから

ため息が漏れた

 

 

あれが噂の婚約者か

すごくお似合いだな

名家で大病院の

跡取り息子なんだろ?

 

 

なんだよ!

いいとこのお坊ちゃんの上に

ウンス先生まで

持って行きやがって!

 

 

チ・ソンが派手にぼやいた

 

 

 

 

メール見た

それで会いに来た

迷惑だったか?

 

 

まさか

嬉しいわ

朝 送ってもらったのに

ちゃんと話もできなくて

ごめんね

 

 

いや

急患なんだから

当たり前だろ

それに久しぶりに

ウンスの医者の姿を見られて

嬉しかった

 

 

そお?うふふ

あら

月が綺麗ね・・・

 

 

どこか静かなところがいい

と言うウンスのリクエストに

応える形で

サンドイッチをテイクアウトし

二人は屋上に場所を移していた

 

見上げた夜空に

欠けた月が浮かんでいる

 

チェヨンは

ウンスの言葉を待った

思わぬ形で噂話は耳に入ったが

ウンスの口から聞いたこと以外

信じる気にはなれい

ウンスはゆっくりと話し出した

 

 

あのね・・・その・・・

キ教授が懇意にしている

ボストンの大学の医局でね

空きが出るんですって

で それで

そこで研鑽を積んだら

どうかって言われているの

それで正直 迷っている

期間は二年・・・

ようやくヨンと一緒に

いられると思ったのに・・・

離れたくないし

 

 

ウンスは沈んだ顔で言った

キ・チョルがなぜ

ウンスを推薦したのか

その思惑に思い当たる節はある

 

いずれはチェ家の嫁になる

ウンスに恩を売りたい

それともチェ家そのものに

恩を売るつもりなのか?

はたまた

少々小生意気な部下を

疎ましく思って

程よく 遠くに

飛ばしてしまいたいだけかも

しれないが・・・?

 

 

そうか・・・

それで

ウンスはどうしたいんだ?

 

 

ん?驚かないの?

随分冷静ねぇ

 

 

いや

これでも

強がっているんだぞ

取り乱して

カッコ悪いとこは

見せたくなくて・・・

冷静なふりしてる

 

 

そっか・・・

 

 

ウンスは微笑んで頷いた

チェヨンというのは

昔からそういう男だ

 

 

俺はウンスの決めたことに

反対はしない

俺がウンスの

一番の味方で応援団だと

自負しているから・・・

 

 

うん ヨンなら

そう言うと思った

でも実は・・・

反対してほしい気持ちも

ちょっとは あるの

あっ けどそれじゃあ

自分の医者としての将来を

ヨンに委ねることになるわよね

 

 

ウンスの将来を受け止める

覚悟はある

俺に委ねてくれるなら

それはそれで嬉しい

けれど 

もし二年離れたとしても

俺の気持ちは揺るがない

その自信はある

もちろんいつもそばにいて

こんな風に抱きしめて

ウンスを

感じていたいけどな

 

 

チェヨンはウンスを

ぎゅっと抱き寄せ

口づけた

吐息が漏れるほど

長い時間 唇を重ねて

ようやく離れた唇の合間から

チェヨンは静かに言った

 

 

俺は物理的な距離が

心の距離になるとは思わない

ウンスが

アメリカに行ったからって

ウンスのこと

そんなに簡単に

諦められるわけないし

 

 

うん 

私も・・・

どこにいても

何をしていても

ヨンを諦めたくないし

諦められるわけないわ

 

 

ウンスは凛とした顔で

夜空を見上げた

 

日中は厳しい暑さが

続いているが

頬に当たる夜風は

案外 冷たく思えた

 

 

*******

 

 

『今日よりも明日もっと』

自分の人生だもの

自分で切り拓かなくちゃ

でもできれば

あなたと共に・・・

 

 

ブーケ2ブーケ2ブーケ2ブーケ2ブーケ2ブーケ2ブーケ2ブーケ2

 

 

ウンスはアメリカへ?

またお付き合いくださいね〜

 

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以下

お話とは全く関係ない

つぶやきなのですが・・・

 

七月に行われるキムヒョンジュンの

ラストダンスライブ抽選に

応募しました

(踊りがメインのライブは

年齢的に?これが最後らしい・・・)

で 十数年の推し活人生で

初の落選組になりました(><)

 

昨日 当落メールが来て

まさかの全敗

 

きっと大丈夫だろうと

たかをくくっていたので

昨夜は 本当にがっかりで

「ちーん」と言う気分でした

 

が よくよく考えてみたら

落選者多数で

倍率が高かったと言うことは

それはリダにとっては

喜ばしいことだと

今は自分を慰めています

 

二次応募チャンスも

あるらしい?ので

なんとか席を

ゲットできるといいのだけれど

 

 

 

暑い夏がやって来ています

ご自愛くださいね