どれだけ心配したと
思っているの?
もうダメなんじゃないかって
不安で不安で・・・
ばか!
チェ・ヨンのばか!
もっと早く目覚めなさいよね
自分の放った不思議な光で
チェ・ヨンが目覚めたことに
安堵する一方で
今までの不安や心配が
堰を切ったように
ウンスの口からこぼれ
涙が溢れた
責めたいわけじゃないのに
言い出したら
引っ込みがつかなくなる
そんなウンスの気持ちを
おもんばかってか
なだめるようにチェ・ヨンは
手を伸ばして
彼女の頬を撫でた
泣くな
頼むから
泣かないでください・・・
姫に泣かれたら
どうしたらいいか
わからなくなる
本当に心配したんだから
もう二度と
目を覚さないんじゃ
ないのかって・・・
よかった・・・
また会えて・・・よかった
俺は
何日も眠っていたのか?
そうよ
手術もうまくいったのに
どうしてか目覚めなくて
手術?とは?
それを姫が行ったのか?
ええ そうよ
あなたの腹から銀の玉を
取り出したの
膿もかき出して・・・
いつの間にそのようなことが
できるように?
いや その説明は後でいい
どうやら外が騒がしいようだ
そうだった!敵が来たの
きっとキ・チョルの差金よ
あなたを狙っているんだわ
しからば
え?
驚くウンスを
つい先程まで
寝たきりだった男とは
思えないほどの力強さで
軽々抱き上げると
チェ・ヨンは密かに
典医寺抜け出し屋根に登り
屋根伝いにウンスを
大切に抱えてひたすら走った
恐怖で思わず悲鳴が漏れ
ウンスは必死に
チェ・ヨンにしがみついた
声を出さぬように
チェ・ヨンが漏らす息が
耳をくすぐり
指先がウンスの唇に触れる
わけもわからぬまま
ウンスはただ
コクコクと頷いて見せた
チェ・ヨンはウンスを
抱き上げたまま
王宮の外れにあるウダルチの
兵舎に向かった
自分が寝ている間に
一体何があったのか
ウンスから話を聞かねば
ならない
だが 典医寺はキの配下に
襲撃されていて
落ち着いて話を聞く
どころではなかった
あ!チャン先生
それにあなたの部下の男の子
置いて来たけど大丈夫?
ああ チャン・ビンならば
心配ありませぬ
自分の身ぐらい自分で守れる
それにテマンは逃げ足が早い
姫が心を砕く必要はありません
そ・・・わかったわ
あなたは?
あなたは傷口とか痛くない?
はっ 問題ありませぬ
それよりも姫は
姫は傷ついておらぬか?
私の心配よりも
自分の心配をしなさいよ
私はあなたの無事さえ
確認できたらそれでいいわ
それより
どこへ向かっているの?
ウンスは屋根の上から
景色を見た
見慣れた地上の王宮が
まったく別物に見えてくる
王宮で一番安全なところ
もうすぐ着きます
急に屋根から飛び降りて
ウンスは「きゃっ」と
とうとう悲鳴をあげた
こっ こわかったわけじゃ
ないわよ
ただちょっと驚いただけ
強がりなところも
昔のまま
変わらぬな・・・
チェ・ヨンはクッと
喉を鳴らして独り言
そうして
連れてこられた先は
チェ・ヨンが寝泊まりしている
ウダルチ兵舎の彼の部屋だった
チュソク
誰も近寄らぬように
見張っておけ
それからキ・チョルの配下が
攻めてくるやも知れぬ
気を抜くな
テジャン
極秘任務は?
終わったのですか?
チュソクは尋ねた
王様を王宮に
連れて帰って以来
隊長は極秘任務のため
ウダルチをいっとき離れる
と王命があったと
隊員たちは聞かされていたのだ
あ? ああ まあ
無事に遂行した
が
厄介な奴に
目をつけられた
ゆえにここまで逃げてきた
そうでしたか
なれど
どうしてテジャンが
公主様を抱っこしているです?
横からトクマンが
口を挟んだ
これには事情があるの
好きでこの状況なわけじゃ
ないわよ
ウンスは大慌てで
チェ・ヨンの腕から
逃れるように降り
ふぅとため息をついた
姫と話があるゆえ
部屋に篭る
誰も通すな
は〜い
ニヤニヤとした顔の
トクマンに蹴りを入れ
チェ・ヨンは部屋の扉を
ぎいっと閉めた
さて 姫
わかるように説明願います
あなたの身に一体何が?
あの光はなんですか?
そして
王様はご無事ですか?
チェ・ヨンの口調は
いつものように冷静沈着な
様子に戻っていた
ウンスは小さく頷くと
順を追って
今までの出来事を話し始める
即位式は無事に終わったこと
チェ・ヨンの体調が悪く
敗血症で命の危険があり
やむなく自分が手術に踏み切ったこと
その事実を知っているのは
王様とチャン・ビン
それにテマンくらいだということ
手術はうまくいったのに
いつまで経っても目が覚めず
心配でずっとそばについていたこと
急な敵襲で焦ってどうにかしようと
思っていたら急に指先から
光が溢れ出して
チェ・ヨンの意識が戻ったこと
チェ・ヨンは静かに
その話を聞きつつ
時折 顔をしかめた
なんと無茶なことを・・・
姫が俺のそばにいることで
もしも
キ・チョルの手に落ちたら
如何するつもりだったのです
そんなこと・・・
考えもしなかったわ
あなたをチェ・ヨンを
助けることに必死だったもの
だから姫は考えなしだと
言うんだ
自分のことより
俺を優先するなどありえぬ
あなた様はこの国の公主様
臣下のことなど
捨て置いてください
そんなことできるわけ
ないじゃないの
チェ・ヨンこそ
なんでも自分一人で
抱え込むのはやめてちょうだい
あなたのことが心配なの
私のために無理をして
いるんじゃないかって・・・
王家に信義を尽くすのは
俺のつとめ
そのために此処に
戻って来たのです
あなた様をお守りするために
私を・・・?
はい
チェ・ヨンは真っ直ぐ
ウンスを見つめ静かに言った
無茶なことはしないと
お約束ください
自分のことを一番に大事に
考えると・・・
それは・・・できないわ
私は王家の人間よ
この国の民のことを
一番に考えるのが
私の役目だもの
その民の中にはもちろん
あなたも含まれているわ
あなた様というお方は・・・
これだから目が離せぬのです
仕方ないじゃない
そういう性分なんだもの
私のことはあなたが
守ってくれるんでしょう?
だから安心して無茶ができる
まったく・・・
困ったお方だ
チェ・ヨンは苦笑した
ならば俺のそばから
離れぬように
そばにいないと
守れるものも守れませぬ
はい・・・わかったわ
そばにいる
それともう一つ
ん?
姫の内功のことは
しばらく秘密にいたしましょう
そのようなことが奴の耳に入れば
どのような興味を持たれるか
考えただけでゾッとする
わかったわ
言う通りにするわ
でもこの力があれば
もしかして多くの人が
救えるんじゃないかしら?
あなたの傷が治ったんだもの
これって癒しの力があるって
ことよね?
だから余計に
知られてはなりませぬ
王様にも内密に・・・
ええっ? 王様にも?
あの子が私の
不利になるようなこと
言いふらすわけないじゃない
そのようなことは
わかっております
なれど王様がお知りになれば
王様自身が危険に晒されるかも
知れません
まだ即位されたばかりです
王様の弱点は少ない方がいい
そっか・・・
姫の警護を増やします
俺も出来うる限り
そばにおります
うん お願いします
けれどもあなたも・・・
チェ・ヨンも気をつけて
キ・チョルはあなたのことも
狙っているもの
いいや
王宮の役目についている某に
手を出せばそれは謀反
奴もそれほど馬鹿ではない
そうだといいけど・・・
ウンスは心配そうに
チェ・ヨンを見つめた
思わぬ形で手に入れた内功
それが今後どう言う形で
自分の身に降りかかるのか
王様の行く道に
何か差し障りがあったら
どうしよう・・・
案ずることはありませぬ
俺はもう
逃げぬと決めたのです
姫のそばで
姫をお守りいたします
そして
王様が目指す国づくりのために
キ・チョルのような
元国の言いなりの反体制派を
正面突破するとお約束します
ええ
弟の即位によって
波風が立ち始めた王宮
心配と不安が募る
けれども
チェ・ヨンがそばにいるだけで
どうしてこんなに
心強いのだろう
真っ直ぐにウンスを
見つめる彼の瞳が
黒々と輝きを放っている
ウンスは心臓が跳ね上がり
意志とは関係なく
ドクンドクンと波打った
反撃開始
此処からが始まりだ
よろしく・・・
テジャン・・・
彼があまりに眩しくて
そう答えるのが
精一杯のウンスだった
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この度の
豪雨の被害に遭われた皆様に
お見舞い申し上げます
ひどい雨でした・・・
交通網もマヒして
帰宅困難になった方も
いらっしゃったかも知れません
停電が続いている地域もあります
浸水による不幸な事故もありました
本当に心が痛みます
今夜から明日の朝にかけて
また豪雨の予想が出ています
どうぞくれぐれも
お気をつけてお過ごしください
お盆休みです
皆様が安寧でありますように
お話はようやく
チェヨンがこれから反撃〜
と 言うところですが
この先のお話は一旦休憩
次回から
本編をお届け予定です
ゆるゆる更新ですが
どうぞ
またお付き合いくださいませ