ウトウトとまどろんで

目が覚めたら

すでに部屋の中は

すっかり暗くなっていた

 

ウンスは

隣に眠るチェヨンの

輪郭を眺めながら

記憶をたどる

 

久しぶりに

カフェで待ち合わせして

落ち合ったあと

夕飯はチキンか何かを

ペダル(出前)してもらおう

と意見が一致し

買い物にも寄らずに

すぐにヴィラに帰った

 

いっときも待てないほど

二人とも気持ちが高ぶり

一緒にシャワー浴びて

キスしながら

そのままベッドになだれ込む

 

そのあとのことは

断片的にしか思い出せない

いや 思い返すと

がっつきすぎた自分に

顔から火が出そうで

思い出したくないというのが

正直なところだ

 

彼を受け入れたのは

何日ぶりだろう?とふと思う

それほどすれ違いが

続いていたってこと

 

身も心も欠乏症が深刻で

息をするもの忘れそうに

なるくらいに相手を求めた

そうして

腰の痛みと引き換えに

心がようやくほっとした

 

チェヨンの寝顔が

愛しくてたまらない

 

ウンスはチェヨンの頬を

そっと撫でた

いつもは気配に聡い彼が

熟睡しているように見える

よほど

疲れているのだろうなと

自分の研修医時代を思い出し

苦笑した

 

肌の温もりが心地よくて

素肌のサラサラとした感触が

心地いい

 

重なり合う心も体も

どちらも大事

生きている実感が押し寄せる

 

 

愛しているわ

チェヨン

 

 

ウンスが小さく呟くと

チェヨンがうっすら目を開けた

 

 

あ?俺いつのまに

眠ってしまったのか?

今 何時だ?

 

 

ウンスの体を手繰り寄せ

ぎゅっと抱きしめながら

決まり悪そうに

チェヨンは聞いた

 

 

そろそろ

日付が変わりそう・・・

 

 

え?

もうそんな時間か・・・

せっかく二人で過ごせる

貴重な時間なのに

飯も食わずに・・・

眠りこけるなんて・・・

 

 

チェヨンはしきりに

後悔した表情

 

 

私は嬉しかったわよ

ヨンの寝顔を見られて

でも確かに

ちょっとお腹空いたかも

もう遅いからペダルは無理ね

何か作ろうか?

ラミョンくらいなら

あったかなぁ?

 

 

ゆっくり起き上がると

腰がきしんで顔が歪む

 

 

痛いのか?

 

 

うん・・・ちょっとだけ

だってヨン 

容赦ないんだもん

 

 

それは仕方ないな

それだけ

渇望していたってことだ

ウンスのことを

 

 

うん 知ってるわ

私もだもん

 

 

ウンスはふふっと笑った

重ねた体が熱く疼く

この止められない想いを

人は恋慕と呼ぶのだろうか?

 

 

ウンスや・・・

 

 

ん?なあに?

 

 

ウンスは振り返って

首をかしげている

 

暗い部屋に

ぼんやり浮かび上がる

彼女の胸の隆起が

艶かしくて

チェヨンはゴクリと

唾を飲み込んだ

 

 

=========

 

 

タンは?寝たのか?

 

 

ええ

ようやく寝たわ

よほど嬉しかったのね

三人一緒の夜が・・・

 

 

お酒を手にして

キッチンから戻って来た

チェヨンに向かって

ウンスは微笑み答えた

 

息子のタンは

夫婦のベッドの

真ん中を陣取り

ご満悦な顔で夢の中

 

その寝姿に苦笑して

チェヨンはテーブルに

お酒のグラスを置くと

タンをそっと抱きかかえ

子供用の寝台に寝かしつけた

うっかり

目を覚まさないように

細心の注意を払って・・・

 

ふと目に留まったのは

テーブルの上に広げたまま

置かれている

息子お気に入りの絵本

 

 

今日もこの絵本か?

 

 

ええ

なんども読んでいるけど

「これがいい」って

同じ本ばかりせがむのよね

 

 

お気に入りの絵本は

電車が主人公の話で

セリフを覚えるくらい

タンは夢中になっている

 

 

ウンスは

明日 早いのか?

 

 

ううん

いつも通り8時出よ

ヨンは?

 

 

急ぐ用事はないはずだ

 

 

そお・・・じゃあ

お酒 私も頂こうかな?

 

 

いいけど

酔潰れるなよ

 

 

心配そうな顔でチェヨンは

言った

出産と授乳の時期を過ぎ

禁酒期間が長かったせいか

ウンスはすっかり

お酒に弱くなっている

 

 

うふふ

ちょっと舐める程度よ

ご心配なく

ほろ酔いくらいが

丁度いいわ

 

 

意味深な顔でウンスは答え

お酒を口に含むと

チェヨンの首に腕を回した

 

重なるシルエットが

ゆっくり動きだす

 

首筋にかかる熱い吐息が

くすぐったい

 

 

ねえ ヨン・・・

すっごく愛しているわ

ヨンの心も体も全部好き

 

 

そう告白すると

チェヨンは嬉しそうに

ウンスの肩に口づけた

 

 

*******

 

 

『今日よりも明日もっと』

若い頃の二人も

今の二人も

どちらも愛しい

どちらも嬉しい

 

 

ブーケ2ブーケ2ブーケ2ブーケ2ブーケ2ブーケ2ブーケ2ブーケ2ブーケ2

 

 

六月になりましたね〜

年々 過ぎ去る時間が

スピードをあげていて

驚いてしまいます

 

今朝は石川で大きめの地震が

ありましたし

大雨のところもありました

皆様 どうぞ

安寧にお過ごしくださいませ

 

お話は

同じような甘い夜だけど

ヨンとウンスの過去と現在

二人の夜を

お届けいたしました

 

またお付き合いくださいね〜

 

 

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