ソダンに到着したユニョンは
送り迎えの親たちから
向けられた視線が
いつもと違うことに

敏感に気がついていた

 

顔では笑顔を取り繕いながら

それは灰色に見えたり

黄色に見えたり桃色だったり

嫉妬と羨望が交錯するような

不思議な光景だった

 

まさか自分が時期王妃の

候補になっていることなど

両親から何も聞かされて

いないユニョンは

大人たちの思惑に

ただただ

戸惑うばかりだったが

カン・ユハ先生の

さりげない気遣いと

賢く聡い兄のタン
少しばかり鈍い性格のサンと
優しい姉のスニョンに
いい具合に守られ
他の子供たちに絡まれたり
囃し立てられることも
嫌な思いをすることもなく
普段通りに過ごせた
 

 

 

ちょうど同じ頃

王宮の康安殿では

王様とウ王子の親子が

言い争いをしていて

その様子を部屋の外で

チェヨンが聞いていた

 

 

どうしてそのような

大事なことを

勝手に

お決めになったのです?

ユニョンの気持ちは

どうなるのです?

 

 

チェ家のタンよりも

年の若い王子様だが

いずれこの国を背負う

跡取りとして

育てられた風格が

言葉の端橋から漂っている

 

 

ユニョンが気の毒です

まだ幼い子供なのに

王命で嫁ぎ先が決まるなんて

私はそのようなことを

望んだ覚えはありません

 

 

では

王子はユニョンが嫌いか?

 

 

それは・・・嫌いでは

ありません・・・けれども

私はユニョンを友として

大事に思っているのに

 

 

友よりも妃として

生涯そばにいて

王子を支えてくれた方が

王子にとってもよいであろう?

 

 

そうでしょうか?

幼いユニョンが

こんな窮屈な王宮暮らしに

耐えられるとは

思えません

ユニョンの母上はあの天界人

なのですから・・・

 

 

幼くして嫁ぎ先が

決まることなど

この国では

よくあることじゃ・・・

それに王宮の暮らしも

それほど悪くはないぞ

 

 

ですが・・・

 

 

余は王子の行く末を

案じておるのじゃ

公主のようにわがままを

言うわけでもない

ク王子のように

甘え上手なわけでもない

世継ぎというだけで

いつもぐっと我慢をし

まだ幼いのに

孤独を背負っているように

見えるのじゃ

国のためとはいえ

余は王子に政略結婚など

してほしくはないのじゃ

ゆえに この先 

王子のそばには

後ろ盾になるような

立派な義父や義母も必要じゃ

その点チェヨンと医仙ならば

申し分はないぞ

何より

王子が心から望む相手が

そばにいてくれたなら

それだけで心強いと思うが

息子を思う父の心は

間違っておるか?

 

 

まだ幼い息子を相手に

王様はこんこんと説いた

 

 

父上様のお気持ちは

うれしく思います

なれど・・・やっぱり

人の心は簡単には

手に入らぬものだと

思うのです

だから友であるユニョンを

追い込むようなことは

やめてください・・・

 

 

扉の向こうの会話に

耳を澄ませながら

チェヨンはふうと息を吐き

踵を返した

 

 

テジャン

いいんですか?

王様にお会いしなくって?

 

 

供をしているテマンが

驚いた顔で

後ろを追いかけた

 

 

ああ 

俺の言いたいことは

あの幼き王子様が

全部言ってくれたようだ

今 王様に会えば

また堂々巡りの喧嘩になる

それに俺は王命といえども

この件に関して

従うつもりはないのだ

此度の件

王様も親として

ウ王子のことを

おもんばかってのことかも

知れぬが

俺も娘を守るためならば

どんなそしりや罰も

甘んじて受ける覚悟だ

・・・

だが・・・あの王子・・・

見所はある

将来賢き王になるであろうな

 

 

チェヨンはテマンに答えると

王様には会わずに

足早に居所を去った

 

 

*******

 

 

『今日よりも明日もっと』

幸せになりたいと

この世に生まれてきたのに

運命とはどうしてこんなにも

思い通りにいかないのだろう

 

 

 

桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜

 

 

 

三寒四温の日々です

安寧にお過ごしくださいね

また

おつきあいくださいませ

 

にほんブログ村 小説ブログ 韓ドラ二次小説へ
にほんブログ村

 

 

先日のシンフォニー公演で

オーケストラをバックに

生で聴くことができました

すごく素敵でしたラブラブ

この曲を聴くために

参戦したと言っても過言ではない

「誰そ彼」ダウン