久しぶりに

一家が訪れたお墓は

綺麗に手入れされていた

 

かつて

へジャの母ソンオクが

そうしていたように

女中頭自ら忙しい合間を縫って 

チェ家の墓を

守ってくれているのだ

 

こんもり土が盛られた墓は

雑草の一つもなく

そこにへジャが

果物などの供え物を置く

 

それから

ウンスは義両親に

ゴンがよく見えるよう

抱き上げ言った

 

 

お父様

お母様

末っ子のゴンですよ

連れてくるのが

遅くなってすみません

どおです?

顔立ちが一番 

彼に似ていませんか?

幼い頃のヨンと比べて

いかがですか?

 

 

キョトンとした顔で

母の顔を見ているゴンは

あうあうあうあう

何か言いたげに

おしゃべりをしていた

 

隣に並んだ夫のチェヨンは

そんなゴンの頭を撫でながら

ウンスに微笑んだ

 

その後ろには長男のタン

娘のスニョンとユニョン

それに

チェ最高尚宮が控えている

次男坊のサンは

供え物が気になるようで

墓の周りをぐるぐる回っては

探検をして

父親チェヨンに

つまみ上げられた

 

 

しょうがない奴だ

ちゃんと挨拶せぬか

 

 

あぁ〜い

じぃじ ばぁば

アンニョン

サン きたよ

 

 

父親につまみ上げられて

足をぶらぶらしながら

サンは墓に手を振った

 

 

ちゃんと挨拶しろ

それではじぃじに

サンの気持ちが伝わらぬぞ

 

 

チェヨンは息子を

地面に下ろすと

墓に向かってひざまづき

クンジョルのやり方を示した

 

タンと娘二人がそれに続き

サンも見よう見まねで

ひざまづく

 

 

ヨン 

まるで墓になぞ

寄り付かなかったお前が

息子にそのように

言い聞かせるとは

なんとも・・・

 

 

叔母であるチェ最高尚宮は

チェヨンや子供らの様子に

感慨深げな顔を見せ

しみじみ言った

 

 

お兄様

お姉様

ご覧ですか?

あのヨンが・・・良き父に

ヨンの子供らも

こんなに良い子達に・・・

 

 

チェ最高尚宮は

言葉にならない挨拶を済ませ

密かに目頭を拭った

歳のせいか

どうにもこのところ涙腺が弱い

特に子供達のことになると

ひときわだった

 

それから

お披露目の終わったゴンを

スニョンたちに任せ

ウンスが墓にひざまづく

 

そして

ウンスは長いこと

墓に語りかけていた

 

子供達の成長がめざましいこと

長男のタンは聡明で心優しく

娘たちはしっかり者で

器量良しだと評判で

サンはおかげさまで

丈夫に育って元気すぎるくらいだし

ゴンは少しも目が離せないくらい

動き回って朗らかに大きくなり

夫は忙しいけれども

家庭のことを第一に考えてくれて

妻子を大事にしてくれること

そして王宮を離れた叔母とは

付かず離れずの距離で

仲良く暮らし

折に触れウンスたち家族を

支えてくれていること

へジャたちにもうんと

世話になって

こうして自分たちの生活が

うまく回っていること

 

話し出したらきりがないくらい

多くの人に守られている

そしてその中心には

いつも愛する夫がいてくれる

 

ようやくウンスが

顔を上げると

子供達と叔母の姿はなかった

 

 

あら?みんなは?

 

 

和尚の手招きで

本堂に入ったぞ

 

 

まあ・・・

じゃあ 私たちも

行きましょうか

 

 

ああ そうだな

だが その前に・・・

イムジャ すまぬが

少し待ってもらえぬか

 

 

あぁ うん?

わかったわ

 

 

へジャ ソクテ

妻を頼むぞ

 

 

はい お任せを

 

 

チェヨンはウンスを二人に託し

どこかへ消えた

ウンスはチェヨンの行き先を

あえて聞かなかった

 

 

こっそり行けば

済むものを・・・

そういうところ

律儀なのよね

 

 

この先にあるかつての許嫁

メヒの墓

夫はそこに向かっている

 

嫉妬とは違う感情が

ウンスに湧き上がり

ちくっと心の奥が痛む

悲劇が起こらなければ

もしかして彼の隣には

メヒがいたのかもしれない・・・

 

 

 

チェヨンはメヒが眠る

墓の前に立った

ウンスと過ごす今の

暮らしの中で

彼女を思い出すことは

ほとんどなかった

 

どんな顔をして

どんな声で

二人がどんな夢を語り

どんな未来を誓ったかすら

思い出せずにいる

 

だからと言って

過去を

忘れたわけではない

なかったことに

できるはずもない

 

だが 彼女とは

縁がなかったのだ

 

 

ひどい男だと俺を憎め

 

 

あの頃の重荷を背負うのは

自分だけで良い

そんな思いで

そっと手を合わせると

いつかのように

風がわさわさと吹いた

 

 

おかえり

 

 

待たせた すまぬ

 

 

チェヨンはウンスが待つ

両親の墓に戻った

 

 

ううん 

 

 

ウンスは夫の手を

ぎゅっと握りしめ微笑んだ

 

 

ヨンの手

いつも温かい・・・

この手に守られているわ

 

 

ウンスが囁くと

チェヨンは少し照れたように

口元を緩め

 

 

そうか?

 

 

と 答えた

 

 

*******

 

 

『今日よりも明日もっと』

巡り会い 繋がる縁

いつのまにか去りゆく縁

どの縁も

己が人生の分岐点

 

 

桜桜桜桜桜桜桜桜桜

 

 

夕方の緊急地震速報に

驚かれた方も

いらっしゃったのでは?

ないでしょうか?

無事に

サミットは終わったけれど

地震は大丈夫だろうか?

 

haruは先週来また

原因がよく分からない

体調の不調に困っております

最近受けた健康診断では

異常なかったのになぁ〜??

あちこち痛む〜〜

 

寒暖差もあるし

地震は続いているし

気圧もおかしいし・・・

皆様 どうぞ

安寧にお過ごし下さいませ

 

 

ゆるゆる更新でミアネヨ

またおつきあいくださいね〜

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お話を書き始めたばかりの頃の

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メヒへの思いは切ない・・・ダウン