ウンスの誕生日が過ぎた
少し後のこと
 
菊花診療所は
屋敷の一角に作られたとは
思えないほど 朝から
多くの患者であふれていた
 
診療所の建物が患者比に対して
随分と手狭になっているのは
ウンスも承知の上だが
これ以上規模を大きくすると
ウンス自身の手が回らないのも
目に見えているので
施設や備品や人も
なんとかやりくりしているのだが
此度は
少々困ったことになっていた
 
 
やっぱりこれ以上は
無理じゃないか
モグァさんにもすごく
負担がかかっているし・・・
 
 
イサは薬員のモグァの
多忙な働きぶりを身近で見ていて
気になってウンスに進言をした
 
この春は診療所でも異動があった
下働きのミジュが
養成所に合格して抜けたことは
もちろん喜ばしいことなのだが
薬を煎じたり薬草を揃えたり
下働きのミジュがいなくなると
戦力が減っていた
 
もう一人
元武閣氏ヘミは結婚を機に
診療所を手伝ってくれていたが
妊娠出産で診療所を離れ
子育て真っ最中の現在
ここに戻れる状況ではなかった
 
その上
長年勤めてくれていた
頼もしい
医女(看護師)のモモが
故郷に嫁に行くことになった
 
モモはもともと
国境近くの戦地で
チェヨンが救った義三姉妹の
末の妹
三姉妹は助けてくれた
チェヨンを追って
都に出て来たのだが
上の姉たちは都で飯屋を営み
すでに所帯を持っている
 
一方のモモは
イサの力を借りて
猛勉強の末
なんとか医女の資格を取って
ウンスのそばに仕えていた
 
そのモモが遠くへ嫁に
行くことになったのだ
相手は姉の飯屋に
故郷から商いに出て来た
幼馴染
客として偶然やって来て
再会し二人は恋に落ちた
 
結婚して欲しいという幼馴染に
モモは返事を渋った
チェヨンやウンスから受けた
今までの恩を考えると
悩みに悩んみだのだ
 
が 
ウンスに背中を押される形で
彼と共に
故郷に帰ることに決めた
 
 
モモがいなくなるのは
正直さみしいわ
イサも良く面倒を見ていたから
きっとさみしいでしょう?
でも一生を共にしたいと
思える相手には
私の経験でも
そう簡単には巡り会えないわ
だから モモには
彼の手を離しちゃ絶対ダメって
言ったのよ
それに彼女 故郷でも医女を
続けるっていってくれたし
どこにいても
頑張っていける人だもの
女としても医女としても
幸せを掴んで欲しいと
心から願っているの
 
 
うん
モモは頑張り屋だからね
幸せになって欲しい
 
 
字が読めないところから
始めた学びだったが
モモはやり抜いて
医女になったことを
イサは思い出して
感慨深く言った
 
 
それでね
モモが故郷に引っ越すまで
もう少し時間があるから・・・
色々引き継ぎができるように
誰かいい子はいないか?
と思って・・・
テヤンに聞いてみたのよ
 
 
なんだ やっぱりユ先生 
後任の策を練っていたのか
で?
テヤンって
あの養成所の一期生の?
 
 
ええ
今は恵民局の医官よ
立派に勤めを果たして
民のために寝る間も惜しんで
働いているって聞いているわ
ほら 彼女 
前職が医女でしょう
だから知り合いに
医女仲間がいたら 誰か
推薦してもらおうと思ってね
もちろん典医寺に頼めば
チェ先生がなんとか
してくれると思ったけど
あそこだって
人手不足でしょう?
何かと ついつい
チェ先生に頼ってしまうけど
うちにばかり これ以上
人員を融通してもらうのは
申し訳ないもの
 
 
そうかなぁ
父上なユ先生の頼みなら
喜ぶと思うけどなぁ
 
 
イサはそう言ったが
ウンスは笑うだけで
聞き流した
 
 
それで?いい人
見つかったの?
 
 
ええ 一人・・・
恵民局で医女を
二年経験していて
年は十九歳
名前はリョウォン
テヤンの話だと
その人も
医官の道に進みたくて
今回養成所の試験を
受けたらしいのね
それで確認したら・・・
最初の学科試験の
点数が足りなかったみたい
 
 
えっ
そんなんで
ここ 務まるの?
 
 
イサは心配そうだった
 
 
その点は大丈夫よ
その気になれば
知識は後から付いてくると
思う
モモもそうだったじゃない?
それに養成所受験の
志望動機を読んだけど
やる気は人一倍だったわ
でもまだ決めたわけじゃ
ないの
最終的にはイサにも
面接に立ち会ってもらいたい
 
 
そうして二人は早速
面接の段取りを決めて
その女人に会った
 
正直に言うと試験会場では
あまり印象に残っていない
女人ではあったが
実際会って話してみると
快活で姉御肌
ウンスやテヤンを目標にしていて
いずれは医官になって
一人でも多くの
民の命を救いたいと言う
はっきりとした信念が感じられた
 
勤務先の恵民局は
養成所受験の前に辞めていたので
すぐにでも勤務できると言う
即戦力なところも大助かりだった
 
 
それとね
マンボ姐さんにも
この前久しぶりに会った時に
誰かいい子がいたら
紹介してって言っておいたの
ミジュの代わりになる人も
必要でしょう?
 
 
ああ あの
ヒョンと「でーと」した時?
さすがユ先生
抜け目ないね
 
 
「デート」って・・・
イサまで天界語? 
うふふ
 
 
ウンスは笑った
 
 
それで?
下働きの子
見つかったの?
身元がちゃんとしてないと
またいつかの時みたいに
おかしな奴を採用したら
ヒョンにオレが文句を言われる
イムジャに何かあったら
如何するのだって
 
 
まあ!
イサったらぁ
だったらその点は大丈夫よ
マンボ姐さんの縁戚だって
言ってたし
ハラボジがかつての赤月隊に
いたんですって
 
 
赤月隊かぁ
ヒョンにも所縁があるって
ことだね?じゃあ
ユ先生が気に入ったなら
オレは異存ない
 
 
そお?
じゃあ その子も採用!
みんなの負担が
少しでも減る方がいいもの
名前はオル
十五歳って言ってたわ
 
 
リョウォンに
オルか・・・
診療所にも新しい風が
吹きそうだね
 
 
ええ
イサ 
頼りにしているわ
新入りさんの
面倒を見てあげてね
 
 
ウンスはすっかり
自分の右腕に成長した
頼もしい弟子に微笑んだ
 
 
ケナリの季節も桜の季節も
すっかり終わって
高麗の都は風薫る季節に
移ろうとしていた
 

 

*******

 

 

『今日よりも明日もっと』

去りゆく人にも

新しい仲間にも

ありがとう

よろしくね

 

 

桜桜桜桜桜桜桜桜桜

 

 

ウンスの誕生日ぱーちいに

多くのコメントをいただき

ありがとうございました

まだお返しできていなくて

ミアネヨ

お気持ちに感謝です

 

 

さて 新入りのお二人の

ご紹介です

 

三期生の候補生でしたが

こちらでのご縁となった

医女リョウォン(ryoko3311様)

オル(kaoruko96様)

お待たせいたしました

一年間 

診療所勤務となりました

どうぞよろしくお願いします

 

 

話題変わって

私事ですが・・・

月曜日に歯の治療を受けまして

神経に近い箇所のお直しで

麻酔をしたのですが

これが全然効かず・・・あせるあせるあせる

結局 倍の量 

麻酔をぶすぶすと入れたのですが

それからと言うもの

針を刺した歯茎も

他の歯も ドクンドクンと

かなり痛くて〜

ゼリー以上の硬さのもの

食べられない!と言う・・・叫び

今日は少しマシになったから

明日には良くなるだろうか??

(希望的観測)

 

皆様もどうぞ

お気をつけくださいませ

 

 

またおつきあいくださいね〜

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リダのカバー曲第2弾

これもちょあよ〜

 

 

そしてこの曲

どこかで聞いたことがあると

思って考えていたら

キム・ヒソンssi主演ドラマ

「明日へ」のOST(挿入歌)に

使われておりました

(オリジナルではなくて

こちらの曲もカバーと思われる)

このドラマもしみじみ

泣けるいいドラマでした・・・