チェヨンとウンスが
久しぶりのでーとを
楽しんだ数日後
市場には 今度は
大叔母チェ最高尚宮に
連れられた
チェ家の子供たち四人の
姿があった
まだ あるかな?
少し心配そうに
店を見回し
兄のタンに聞いたのは
長女のスニョンだった
うん ある
きのうも見たもん
ぜったいあるよ
うらないでってたのんだし
タンはきっぱり答えた
ゴン ないてないかなぁ
屋敷に置いて来た三男坊を
サンが心配している
ケンチャナヨ
オンマといっしょに
いるもの
ユニョンが涼しい顔で答え
サンはそうだねと
少し安心した顔で頷いた
今日はウリオンマの
誕生日ソンムル作戦の
最終仕上げの日・・・
いよいよオンマに渡す
贈り物を買いに来たのだ
誕生日のお祝いに関しては
長男タンが総大将
もちろん他の子供たちにも
それぞれの役割があって
邪魔してばかりするゴンは
オンマ担当というわけだ
それなら
ゴンには容易いことだし
四人が出かけている間
オンマも寂しくないという
一石二鳥の策だった
ごそごそと顔を突き合わせて
作戦を練る
微笑ましい子供達の姿を
ばぁばはこのところずっと
見ることができた
王宮を離れ
初めての市井での一人暮らし
ウンスにからかわれる始末だが
そんなからかいも
チェ最高尚宮は気にしなかった
尚宮という
いわば鎧を脱ぎ捨て
娘時代のギョンウォンを
懐かしんでいるだけなのかも
しれないが・・・
それも悪くないと思っている
体面やしきたりばかりの
王宮で生きてきたせいか
人にどう思われるか?という
考えに疲れてしまったのかも
しれない
おおらかなムンソの影響で
のびのび息を吸い直している
心境なのだ
ばぁば これにする
でもオンマには
ぱーちいまでピミルだよ
やくそくね
タンは店の主人が
奥から持ってきた
キラキラ輝く首飾りを指差し
瞳をきらきらさせて
満足そうに言った
三つ子たちも嬉しそうだ
革紐を通した紫色の玉
オンマとアッパお揃いの
腕輪に使われているのと
同じ石
以前
偶然市場でこの玉を見つけ
あまりに綺麗で
オンマにものすごく
似合うと思って
四人で
次のオンマの誕生日の
ソンムルはこれにしよう
と決めていた
少々値が張る品物だったから
それから子供達は
お小遣い稼ぎに奔走した
ばぁばの用事を言付かっては
お小遣いをもらい
アッパに頼まれたことをやって
お小遣いをもらい
屋敷の仕事を手伝っては
お小遣いをもらう
もちろん小遣い稼ぎは
両班の しかも
良家のご子息ご息女の
するようなことではないのだが
天界式をよしとする両親は
自分の力で小遣いを稼ぐことに
意を唱えることはなかった
もちろんその小遣いの用途が
オンマのソンムルのためだとは
ウンスは
気がついていないようだが・・・
綺麗な玉だ
ウンスも喜ぶことだろう
ばぁばもそお思う?
タンは誇らしげに
首飾りを店主から受け取ると
懐の奥にしまった
首飾りは誕生日当日
タンが作った木箱に収められ
スニョンが書いた似顔絵と
ユニョンが作った紙の花を添え
サンがお祝いの言葉を述べて
オンマに
手渡すことになっている
オンマのぱーちい
まちきれないね
サンは
はしゃいだ声で言うと
タンの懐を見つめた
そこには
オンマへの大事なソンムルが
隠されているのだ
さてさて
買い物が済んだのなら
何か食べていこうか?
甘いもの?饅頭?
何がいいかしらねぇ
ばぁば ユニョン
饅頭がいいな
えええ
サンはアメがいい
あま〜〜〜いやつ
では両方
そうしましょう
ギョンウォンさん
ムンソの一言に
子供達は歓声をあげた
一方
子供達のソンムル大作戦が
着々と進む中
夫であるチェヨンは
未だに今年のソンムルを
悩んでいた
一緒に市場に行った時
気に入ったものがあれば
密かに
それを手に入れておこうと
目論んでいたのだが
彼女が
興味を示したものはといえば
診療所で使う原材料であったり
子供達や叔母やチェヨンの
ものばかりだったりで
すっかりアテが外れてしまった
確かにウンスの言うとおり
衣も簪も飾り物も
過去に十分に贈ったし
最近では子供達の手作り品に
勢い負けている気さえする
ましてや このようなことで
悩んでいるなど
部下のインギュに知られたら
天下のチェヨンが
なんとお気楽なものだと
揶揄されそうだが
悩ましいものは悩ましいのだ
ウンスが喜ぶもの・・・
何か良きあいであは
なかろうか?
ウンスの笑顔を思い浮かべ
チェヨンは集賢殿の執務室で
一人 物思いにふけっていた
*******
『今日よりも明日もっと』
ものより思い出?
あなたの宝物はなんでしょう?
ヨンはソンムル作戦
苦戦中のようですが
子供達は準備万端のようです
ウンス 喜ぶだろうなぁ
ゆるゆるとですが・・・
そろそろ オンマのぱーちいが
始まる頃となりました
どうぞ
またおつきあいくださいませ
黄砂襲来とのこと
どうぞ
お気をつけくださいませ