年が明けた日の夜から
二日目の
早朝にかけて見る夢を
初夢というらしいが
チェ家の次男坊サンは
今年になって 
まだ夢を見た記憶がなかった
 
スニョンとユニョンは
もうとっくに初夢を見ていて
サンに自慢していたが
それが面白いことに
二人が見た夢はとても
よく似ているのだ
 
二人が見た夢は
大人になったチェ家の
子供達の夢で
にぃにはバリバリと
アッパと一緒に
王宮で働いていて
スニョンはばぁばと暮らし
ユニョンはイサと一緒に
診療所を手伝っているという
大筋そんな夢だった
サンと三男坊のゴンは
どうやら
夢には出なかったようで
それがサンはどうにも
面白くなかった

 

 

なんでサン 

ゆめのなかに 

いないのさぁ

 

 

ぶつくさ文句を言うサンに

ユニョンが言い返した

 

 

しらないわよ

だってゆめだもん

とにかくスニョンも

ユニョンももうはつゆめは

みちゃったもん

でもサンだけどうして

みないのかなぁ?

 

 

三つ子の関係性とは

不思議なもので

似たような感覚を捉えたり

似たような体験を

することが多く

同じ夢を三人で見たことも

過去にはあったのだが・・・?

今回は

そうはいかなかったようで

サンは

夢を見ようと焦れば焦るほど

余計に眠れなくなって

天井ばかり眺めていた

 

にぃにはこのところの

お勉強の疲れから

布団に入るとすぐ寝てしまって

話し相手をしてくれない

それも

夢が見れない原因だろうか?

 

「見たい夢を思い浮かべながら

眠りについたら

きっといい夢が見られるわよ」

 

優しいオンマに教えてもらって

サンは

美味しい鶏肉にかぶりついて

満面の笑みを浮かべるところを

想像してみたり

兎のように早く野山を

かけるところを想像してみたり

にぃにのように勉強ができる

自分を思い描きながら

目を閉じてみたり

 

色々やっているのだが

気がつくといつのまにか

深い眠りに落ちていて

やっぱり朝になると

何も覚えてないのだ・・・

 

 

その日は悪天候で

外は吹雪いていた

強い風が吹いて

さっきから窓枠をガタガタ

鳴らしている

 

怖がりのサンは

口にこそ出さなかったが

今夜も

にぃにが先に寝てしまい

一人で眠れなかったら

どうしようかと案じていた

そんな時

 

 

荒れてきたぞ

窓をしっかり閉じて

強風に備えねば

 

 

父親のチェヨンが

吹雪を見越して

王宮から早めに帰ってきた

 

そして

あちこち屋敷の中を点検して

危ない個所はないか確認した

日中ソクテが

窓に覆いをしたり

養生したりと

吹雪に備えてくれていたので

見回りはすぐに終わり

久しぶりに家族で夕餉の

卓を囲むことができた

 

吹雪で閉ざされた世界は

昼間でも暗く 

気温も急激に下がり

オンドル(床暖房)でも

底冷えがする

 

心細く

夫の帰りを待っていた

ウンスも

その頼れる姿を見て

安心したようで

夕餉は外の天気を忘れるほど

賑やかなものだった

 

夕餉はチェ家の定番の

鶏肉料理

へジャ自慢の

タッカンマリだった

 

鍋がグツグツ煮えるのを

皆で覗き込むのも楽しく

両親が子供達に鶏肉や

カムジャ(ジャガイモ)を

取り分けてくれるのも

心踊る

 

誰の肉が多いとか

誰のカムジャが多いとか

そんな他愛無いことで

兄弟喧嘩するのも

楽しかった

 

 

ウリオンマ

やっぱりアッパがいると

いいね〜

 

 

サンは嬉しそうに

カムジャを頬張りながら

母親に言った

 

 

そおね

お外は寒いけど

お家の中はあったかいし

でも サン

お野菜も食べるのよ

鶏肉とカムジャばっかり

食べてないで

この菜っ葉もきのこも

ちゃんと食べなさいね

 

 

えええ〜

これヌルんとしていて

まじゅい・・・

 

 

サンが顔をしかめていると

 

 

好き嫌いするとは

しょうがない奴だなぁ

だが気持ちはわかるぞ

 

 

同じくきのこが苦手な

チェヨンはサンの頭を

撫でながら笑った

 

 

にぃに たべて

あげよ〜か?

 

 

好き嫌い無しのタンが

サンに助け舟

だがますます母親に叱られて

サンは渋々 

苦手な野菜を口に運んだ

 

 

うへっ

まじゅ

 

 

賑やかで楽しい夕餉の後は

三つ子のお祝いに届いた

おもちゃで 

両親も交えてひと遊び

 

兎耳をつけ着ぐるみを着た

四人並んだ子供達の

兎のモノマネに

父親チェヨンは笑い転げ

 

すごろくでは

互いに競い合って 

最後に

スニョンが勝利し大喜び

 

母親ウンスは迫真の演技で

絵本を読み聞かせ

食い入るようにみんな

絵本の世界に引き込まれ

 

その母親の膝に抱かれて

上手におすわりしていた

三男坊のゴンは

いつの間にやら

ズリバイ姿で

膝の上から逃げ出したり

と 

ゴンを巡って

タンと三つ子は大盛り上がり

 

奥の間には

家族の楽しそうな笑い声が

響いていた

 

 

楽しかったわねぇ

笑いすぎて腹筋が痛いわ

それにしても

こんなに寒い夜は

いただいた入浴剤を入れて

ゆっくり湯船に浸かりたい

もんだけど・・・

今夜はそういうわけにも

いかないわね

こんな時は天界にある

全自動の給湯器が欲しくなる

 

 

寝る時間になって

ウンスは夫に呟いた

 

今宵は吹雪

いくら風呂好きで

毎晩入りたいと思っても

さすがにこの天気の中

夜遅くに

ソクテに庭に出て

風呂を沸かして欲しいとは

言えないとウンスも思った

 

だが女主の気持ちを察し

へジャ夫婦なら

気を利かして 寒い中

風呂の準備しそうだから

なおさら 

滅多なことは口にできない

と経験値でわかる

 

だから今夜は

お湯で簡単に体を拭いて

顔を洗い

歯磨きを済ませた

 

そして

子供達はそれぞれ

自分の布団に潜り込み

遊び疲れてすぐに寝てしまい

赤ん坊のゴンは

ウンスの乳を飲みながら

眠りについて

 

 

屋敷が静まり返った頃

サンは夢を見た

 

 

*******

 

 

『今日よりも明日もっと』

夢の続きに見る夢は

会いたい人に会えて

行きたいところに行けて

心暖かな夢だといいな

 

 

絵馬鏡餅お年玉門松おせち

 

 

きくちゃん様

KF様

 

三つ子の

お祝いソンムルアイデアの

一部を使わせて

いただきました

 

サンは

どんな夢を見るのでしょう?

 

三連休も終わりです

連休明けも

安寧にお過ごし下さいませ

またおつきあいくださいね〜

 

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