タンが両手いっぱいに

ソンムルを抱え

ほくほく笑顔でいた頃

屋敷ではちょっとした

騒動が持ち上がっていた

 

 

いいっていいって

気にすんな

 

 

チェ・ジョニクと名乗った

大工がチェ家の庭に入り込み

いきなり何か作り始めたのだ

 

 

ですが・・・ジョニク様

 

 

様なんて言いっこなしだぞ

へジャ

俺は市井に住むただの大工だ

 

 

チェ家の遠縁にあたる

この男はこれまた遠縁にあたる

遠方に住む大叔母から頼まれ

タンの三回目の誕生祝いにと

遊具をこしらえに来たのだった

チェ家の庭はチェ尚宮が

用意した数々の木製遊具が

すでに立ち並んでいたが

木の板が揺れるシソ(シーソー)を

考案したとかで

ぜひ使って欲しいと申し出た

 

 

奥様にお伺いしないと

 

 

へジャは困り顔

 

 

まあ 

奥様は怒りはしないだろうよ

 

 

朝からウンスに代わって

奥のことを取り仕切るへジャに

ソクテは慰めるような

口調で言った

 

 

そうだよなぁ

ソクテよ

お前さんがここにいるとは

驚きだねぇ

 

 

そんなおしゃべりをしながら

ジョニクは着々とシソと

サン達が乗ってもいいような

手押し車を仕上げると

あっという間に帰って行った

そして騒動は診療所でも・・・

 

 

今日は患者よりも

お祝いを言いに来る人の方が

多いね

 

 

イサはウンスに耳打ちをする

朝から訪れているのは

タンの祝いを一言言いたいと言う

市井の民だった

 

 

いえね

若様が王宮なのは

知っておりますよ

朝方 上護軍様と

馬に揺られて出仕する凛々しい

お姿を拝見しておりますから

それでお声をお掛けしたんですよ

おめでとうございますって

でも祝いの品を王宮に

お持ちいただくわけには

行かないでございましょう?

だからこうして皆で

参った次第で・・・

あたし筆屋のリンはご家族を

描いた大凧をお持ちしました

天にも昇る勢いでどうぞ

ご成長くださいまし

 

 

あたしは若様に

こんなものを持参しました

きっと使い勝手が

よろしいと思いますよ

 

 

園芸店を営むルリは

肩からかけて使う布袋を

ウンスに手渡した

 

 

若様が宝物を入れて持ち歩くに

ちょうどいい

大きさでございましょう?

子供ってのは なんでも

持って歩きたがりますからねぇ

 

 

そうね

リンさん ルリさん

ありがとう

 

 

ウンスは二人のおしゃべりに

いささか押され気味だったが

嬉しそうに微笑んだ

 

 

あたしはユ先生の似顔絵を

 

 

え?私の?

 

 

はい だって若様は

お母上様が大好きでしょう?

だから若様が一番好きなものを

描いたんですよ

 

 

酒屋のリコが笑って答えた

墨で綺麗に描かれた

自分の似顔絵を

照れた顔でウンスは受け取る

 

 

よくかけてるね

ユ先生

 

 

イサが感心したように

覗き込んで言った

 

 

ユ先生

アグルです

先日もチェ尚宮様とコヤンの店の

前でばったりお会いして

話が弾んだんですよ 

それで若様の

お誕生日を思い出しましてね

これからの時期に

ちょうどいいかと

半纏をお作りいたしました

いかがです?

 

 

まあ 暖かそうね

ありがとう アグルさん

みなさん

ありがとう

息子のために本当に・・・

 

 

ウンスは心からの

お礼を伝えた

 

 

いいんですよ

先生にはいつも

本当に世話になっているんだし

若様はあたし達の人気者

なんですから

 

 

アグルは答えた

ちょうどそこへ トクマンの妻の

ナナが祝い餅を届けてくれたので

ウンスはへジャに頼んで

皆にお礼を渡した

 

 

ちび助は人気者だね

それだけユ先生やチェヨンに

助けられた人が多いから

なんだろうけどね

 

 

様子を見ていたイサは

ウンスに言う

 

 

そうかな?

でもそう思ってもらえて

それがタンへの気持ちに

なって返って来るなら

本当に嬉しいわ

 

 

あ あれ?また誰か来た

ああ この間診察した

双子のオンマ?かな

その後どうです?

お子さん達の具合は?

 

 

はい おかげさまで

その節は丁寧に診ていただいて

おかげさまで大事に至らず

助かりました

市場でコッシンを見つけたもので

先日のお礼を兼ねて

若様のお祝いに・・・

今日はお誕生日なんですよね

 

 

双子の母ユミンは言った

 

 

ええ そうなの

でも

診察代は

十分いただいているわよ

だからそれ以上のお気遣いは

いいのよ

医者として当たり前のことを

しているんだから

 

 

ほんと今の言葉を

どこかの医者に

聞かせてやりたいわ

だっておかしな医者が

多いんですもの

 

 

ユミンはぼそぼそ

 

 

ほんとね

医者がお礼金目当てなんて

とんでもないことよ

医者は患者を治すのが

使命なのに

 

 

ウンスは憤慨する

 

 

でもこのコッシンは

ありがたくいただくわ

刺繍 

もしかしてユミンさんが

したの?

 

 

はい・・・なんとか

 

 

ありがとう

きっとタンが喜ぶわ

 

 

ウンスは微笑んだ

 

 

それから

ウンスが昼休憩の間も

来客は続いた

右の三軒先に住むアジュンマが

ユンノリ(韓国双六)と

タンの好物パム(栗)を

届けに来たかと思えば

左の四軒先に住むピョンが

ウンスやポムも喜びそうな

数々の伝統菓子を箱いっぱい詰めて

届けてくれた

 

 

奥様

お返しの品が足りなく

なる気がいたします

それと奥様・・・お庭に

遊具が・・・シソとか言う

 

 

ウンスが奥の間で

三つ子に乳を与えていると

へジャが

うれしい悲鳴をあげ

それからジョニクの贈り物

のことを伝えた

 

 

そう お庭に・・・

ありがたいことだわ

みんなが

タンを気にかけてくれて・・・

 

 

ウンスは奥の間に積まれた

お祝いの品々を見つめ

タンの喜ぶ顔を思い浮かべた

 

 

昼休憩の後は

美容相談の日だった

 

 

お屋敷はなんだか

敷居が高くて・・・

 

 

商いをしている夫が

西域で仕入れてきたと言って

ドナが

トランプを持参して診療所を

訪れた

 

 

まあ トランプ?

懐かしいわ

子供の頃はよく遊んだものよ

 

 

よかった ユ先生ならば

使い方を知っているんじゃ

ないかって夫が申しまして

 

 

ドナはウンスが喜んでくれたことも

嬉しそうだった

それから両班の奥方のリンは

竹とんぼやビー玉や

飴玉などがたくさん入った籠を

持参して

崇拝するウンスに渡した

 

 

医仙様

若様のお誕生日

おめでとうございます

ささやかなソンムルですが

どうぞこれを・・・

それと

先日のお化粧水

とてもしっとりして

いい気持ちでした

 

 

前回の美容相談は

タンも張り切って

商品を手渡していた・・・

 

 

そお?よかったわ

じゃあ 今日も

自分磨きを始めましょうか

 

 

ウンスは目の前にいる

奥方やお嬢様達に

朗らかに声をかけた

 

 

image

ナナが届けてくれた返礼のお餅イメージ

(韓国広場さんで購入して来ました)

 

 

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