たっらいま〜
 
 
元気な声が聞こえて
奥の間にタンが飛び込んで来た
いつものように手には
お土産のお菓子
それを嬉しそうにウンスに渡すと 
ぎゅっと抱きついて
すーはー 
母親の匂いを吸い込んでいる
 
 
おかえり タン
ほらお客様よ
ご挨拶は?
 
 
タンは顔を上げてウネを見た
 
 
あっ
あんにょんはせよ〜
 
 
タンちゃんはいつも元気ね
それに大きくなったわ
ポムちゃん 久しぶり
お役目ご苦労様
 
 
タンを連れて来てくれたポムに
ウネは声をかけている
 
 
あら?ミョンは?一緒じゃないの?
 
 
ウンスは不思議そうに
ポムに聞いた
 
 
はい
旦那様が一緒なんでする
ミョンのお夕飯のお世話を
お願いしたでする〜
今宵はゆっくりして来て
いいって御許可をいただいて
おりまする
 
 
ポムはぐふっと笑った
 
 
まあ チュンソクさん
随分 早いのね
 
 
あ ごめん ウンスさん
実はあたしがポムちゃんに
頼んだの
あいつの足止め作戦
 
 
え?
 
 
だってほら
あいつ ウンスちゃんに
会いたくて
飛んで帰ってくるでしょう?
そうしたらゆっくり話も
できやしない
だから
ここはひとつ
隊長さんの分まで
王宮で頑張ってもらおうと思って
ウンスさんに言うと
顔に出るでしょう?
だってチェヨンに嘘つけないもんね
だからポムちゃんに
協力をお願いしたのよ
 
 
まあ 
ヨンも驚いてるわね
頼みの綱のチュンソクさんが
もう帰った後だなんて
 
 
たまにはいいでしょう?
あたしがウンスさんを
独占しても?
 
 
タンはウネの話を聞いていた
独占?
もしや?
 
 
おんまぁ これ
うわき?
 
 
へ?違うわよ
タンちゃん面白いこと
言うわね〜
 
 
ウネはケタケタ笑っている
 
 
あ〜〜〜おかしい
久しぶりだわ
大声出して笑ったの
 
 
浮気なんて言葉
いつ覚えたんでする?
 
 
ポムはニヤニヤ
 
 
ヨンが言うのよ
近寄る男を見張ってろとか
なんとか・・・
息子に言う言葉?
ほんと困っちゃうわよね
 
 
相変わらず
大事にされてるねぇ
 
 
ウネは少し羨ましそうに
ウンスに言った
タンはウネが連れて来た双子の
姉妹と自分の妹たちに
まとわりつかれて迷惑顔
そこに切り込む弟のサン
まるでタンを救出しようと
しているように見えた
 
 
たんしゃん〜〜〜
とウンミが言うと
 
 
あうあうあ〜〜〜〜!!!!
サンが立ちはだかる
 
 
たんしゃん あしょぼ
とウンチェが腕を掴むと
 
 
あうあうあうあうあうあっ!!!
サンはウンチェを睨んでいる
 
 
たんしゃん こっちへ
 
 
ああああううううああああうううう!!!!
 
 
こらこら サン
そんなに怒らないの
みんなで仲良く遊ぶのよ
あ〜〜
和ませ役のミョンがいないから 
これは荒れそうねぇ
へジャ 夕餉の準備を
子供達に早いとこ食べさせて
早く寝てもらわなくちゃ
 
 
はい へジャにお任せを
 
 
先にスニョンたちに
お乳をあげてくるわ
 
 
ウンスは立ち上がり子供達の
もとへ向かう
喧嘩腰のサンが一番乗りで
ウンスのところに駆けて来て
ぴとっとくっつくと
お乳をねだるように胸を
にぎにぎ触っている
それを羨ましそうに見ている
タンの視線
 
 
タンも来る?
 
 
双子の手前恥ずかしいと
思ったのか
タンは首を振った
 
 
じゃあ タンはあとで
寝る時ね
 
 
あぁ〜〜〜い
 
 
ウンスのウィンクに
タンは嬉しそうに手を挙げた
その様子にウネが言う
 
 
ウンスさんはさ
本当に子供をよく見てるよね
四人いてしかも三つ子で
手がかかってしょうがないだろうに
タンちゃんのことも
三つ子ちゃんのことも
 
 
そうかしら?
そんなに意識したことないけど?
それに昼間はあまり一緒に
いられないでしょう?
だからかなぁ
一緒に居られる時は
うんと愛してあげたいの
それにウネさんもポムも
子供達のことよく気にかけて
見てるじゃない
そうじゃなきゃ
よその子を預かったり
乳母として育てたりなんて
できないわよ
 
 
ポムはこのお屋敷が
自分の実家より居心地よくて
ミョンもそう思ってるから
ついつい遊びに来てるだけでする
 
 
それでいつも助かってるわ
ポムとは前世とか後の世とかで
本当に
姉妹だったのかもしれないわね
 
 
えええええええ
嬉しいでする〜
 
 
夕餉の膳が運ばれる中
ポムはぐふぐふ笑っている
 
 
お子様たちにはホバク(南瓜)粥を
お持ちしました
 
 
へジャは頃合いを見計らい
子供達の前に小さな椀に
入った粥を置く
 
 
ホバクの美味しい季節
だわね
ああ パム(栗)もいいな〜
秋は美味しいものがありすぎて
困っちゃうわ
 
 
ウネは双子の世話をしながら
言った
 
 
そうでございますねぇ
 
 
へジャはスニョンとユニョンに
代わる代わる
お粥を食べさせながら
微笑んでいる
ポムとタンは運ばれて来た
海鮮クッパをニコニコばくばく
ウンスは
サンにお乳を含ませながら
空いた手でタンの口元から
米粒を拾う
 
 
ちょっと前までは
考えられない光景だよね
こんなに賑やかな屋敷に
なるなんてさ
チェヨンは今 幸せなんだね
 
 
幼い頃からチェヨンを見て来た
ウネがしみじみウンスに言った
 
 
そうだといいけど・・・
でも・・・
ヨンはまだまだ
子を産んでほしいみたいなの
 
 
ウンスはぽぅと頬を染めて
呟いた
 
 
そおなのぉ??
まだ頑張る気なんだ
いやいや
ウンスさん
あいつはその行為が好きな
だけでしょう?
きっとそうよ
でもこっちは
そうはいかないもんね
 
 
やだ ウネさんったら・・・
でもね 私も同じこと
ヨンに言ったの
 
 
あああ やっぱり〜
男は一瞬 女は一年
子が腹に入るってことは
そう言うことよね
 
 
ヨンは色々協力してくれて
だから助かるんだけどね
今はまだ次は考えられないかな
 
 
でもさ
あいつ
耐えられないんじゃない?
どうするのよ そんな時は
 
 
まあ それは色々・・・
満足させるって言うか?
 
 
それまでじっと話を聞いていた
ポムが急に言いだした
 
 
色々ってなんでする?
満足って どうするんでする?
ああ〜
ポムも天界式のやり方 
知りたいでする!
 
 
ウネとコソコソ話していたはず
なのに・・・ポムに突っ込まれ
ウンスはタジタジ
 
 
天界式って・・・
もうこの話はおしまい
今はご飯に集中しなくちゃ
それに子供達の前で
話すようなことじゃないし
 
 
ウンスはちらっと息子を見た
なんでもすぐに覚えてしまうタン
おかしなことを聞いてないか
ウネとの会話を今更ながら
検証した
タンはクッパに夢中だったようで
ウンスの視線に気がつくと
どうじょ〜と
一口ウンスに差し出す
 
 
いいの?
 
 
あい
 
 
ありがとう
美味しい!
 
 
その頃にはサンも
お乳を離してタンの隣で
粥を食べる真似事を始めた
 
 
その色々って話
子供らが寝たら
聞かせてもらおうかな
天界式
夫婦の情ってやつ?
 
 
ウネがからかうように
ウンスに言う
 
 
もう 勘弁してよ
ヨンに叱られちゃうわ
余計なことは話すなって
 
 
興味津々な
ポムの視線を受け流し
ウンスは 自ら蒔いた種に
困ったように口をすぼめた
 
 
*******
 
 
『今日よりも明日もっと』
なんでも言い合える友は
大切で貴重な存在
愛する人と同じくらいに
時にはそれ以上に・・・
 
 
 
 
 
天気は崩れ模様
風邪などひきませんように
安寧にお過ごしくださいませ
またおつきあいくださいね

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