タンが王宮で迷子になっている頃
チェヨンたち義勇軍は
国境にほど近い村に逗留し
チェヨンはアン・ジェやインギュ
トクマン テマンと
飯屋に来ていた
 
山道続きの進軍で
いささか疲労が
溜まり始めていた軍には
久しぶりの人里はありがたかった

軍の総数は膨大で
もちろん全員が
寝泊まりできる宿など
田舎の村にあるわけはないが
それでも風呂を借りたり
暖かな食事を提供してもらえたりと
一行は
決戦を前にしばしの骨休めができる
 
村は人蔘の産地でもあり
国境に近いこともあり商いも盛んで
活気があり
豊かに潤っているように見えた
 
 
うまい酒にありつけそうですね
村には
小さいながら妓楼もあるそうですよ
 
 
嬉々として報告するトクマンの
頭を小突きながら
チェヨンは呆れたように言った
 
 
お前 
そう言う情報はやたらと早いな 
都を離れる前に
好いた女に本気を見せると
誓っていたではないか
あの心意気は何処へ行ったのだ?


それとこれは別物ですよ


まったく
どの口がそのような戯言を!
この非常時にそのようなこと
よく言えるものだ
 
 
上護軍
人肌の温もりほど
疲れた体を癒してくれるものは
他にないです
 
 
性懲りもなく
トクマンが言い返す
 
 
お前と来たら・・・
 
 
まあまあ 上護軍
トクマンさんの言うことも
一理あるかもしれません
かなりの速さで進軍して来ましたが
脱落するものもなく
皆 ここまでよくついて来ました
当然 疲れがたまる頃でしょう
大事の前に少しくらい羽目を外し
酒を飲むくらいは構わぬのでは?
それに総大将の
上護軍も相当お疲れのはず
今宵は宿でぐっすりとお休みに
なられたらいかがです?
 
 
パク・インギュの提案に
チェヨンは首を振った
 
 
大勢の兵士が野営をしておるのだ
俺は幸いどこででも眠れる
宿などいらぬ
いつものように野営で良い
それからインギュ
トクマンのような不届き者が
他にもいるやもしれぬ
村の女たちに狼藉を働くものは
厳罰に処すと隅々に伝えておけ
 
 
厳罰?ですかぁ?
 
 
トクマンは泣き顔で訴えた
 
 
トクマン
言う相手が悪かったな
お前の上官は妻一筋
妻の肌でしか癒されぬのだ
 
 
アン・ジェ
いらんことは言わんで良い
お前 
ほんとウネに似て来たな
 
 
ぶつぶつ呟くチェヨンに
アン・ジェは
愉快そうに笑って言った
 
 
ああ お前をからかう楽しさが
わかって来たところだ
 
 
そんな戯言を話していた時に
村役人とこの辺りの商団の
責任者である都房(トバン)が
チェヨンたちのところへ
挨拶にやって来た
 
都房は
国境沿いで安心して商いができるのも
高麗軍の力を他国が恐れているからで
チェヨンあっての高麗だと褒め称え 
貢物を持参したと言って
妓楼から連れて来た
美しいチマチョゴリ姿の妓生たちを
お披露目した

どのキーセンも華やかな出で立ち
だがどの女も虚ろな目をしていた
その中に一人に
ウンスの目によく似た女がいた
チェヨンはその女をじっと見つめ
都房に尋ねた
 
 
この者たちは?
 
 
はい 皆 官奴婢でございます
我が商団が経営する
この辺りでは随一の妓楼の
キーセンたちでございます
どうぞ妓楼にお越しくださいませ
なんなら陣営に連れ帰っても
構いません
お気に入りの女がおりましたら
どれでもお申し付けくださいませ
 
 
おお 言うだけあって
どれもこれも美しい!
都のキーセンに引けを取りませんよ
あ あの娘
なんとなく医仙様に似てません?
 
 
トクマンが感想を漏らし
チェヨンは再びトクマンの頭を
小突きながら都房に言った
 
 
風紀を乱すなと 今
部下に言い含めていたところゆえ
妓楼には行かぬ
だが・・・せっかくの申し出
 
 
チェヨンはインギュに何やら
耳打ちをし
インギュは「心得ました」と
都房にチェヨンの言葉を小声で
伝えた
 
 
上護軍が飯屋の一室で
女たちを借り受けたいと
 
 
それは喜んで
すぐに酒の支度をいたしましょう
それで・・・そのぅ
勝ち戦の後は
我が商団が開京で商いをする際に
お取り計らいを・・・
 
 
都房はほくそ笑み
チェヨンに愛想笑いを返した
 
 
それが魂胆か?
商人は損得勘定が早いな
さて
お前らは先に陣営に戻れ
トクマン テマン 
先ほどの伝令
皆にしかと申し付けよ
 
 
はい 上護軍
 
 
テマンが頷く
 
 
えええ 
自分だけいい思いをして
俺たちはお預けかぁ?
 
 
トクマンの嘆きに
チェヨンの鉄拳
 
 
うるさい! 
トクマン!
お前は陣営に戻れ
インギュ 後を頼む
アン・ジェ将軍は俺と一緒に
 
 
アン・ジェはニヤリと笑った
 
 
悪いな トクマン
ご指名が俺で・・・
 
 
そこへ飯屋の主人がやって来て
チェヨンに告げた
 
 
ご用意が整いました
二階へどうぞ
 
 
━─━─━─━─━─
 
 
屋敷で
タンの帰りを待っていたウンスは
うっかり手を滑らせて
大切な茶碗を割ってしまった
 
 
お怪我はございませんか?
 
 
へジャがそばに飛んで来て
ウンスに尋ねた
 
 
ええ 大丈夫よ
でも旦那様のお気に入りの
お茶碗が・・・
 
 
チェヨンがいない間
チェヨンの茶碗を借りているウンスは
困った顔で呟いた
 
 
形あるものは必ず壊れるもの
それに
旦那様の一番のお気に入りは
奥様にございます
奥様にお怪我がなくて
ようございました・・・
茶碗など
いくらでも見つけて来ましょう
 
 
やあね へジャったら
うふふ
でも茶碗が割れるなんて・・・
戦に向かった旦那様に
何かあったとか?
それともタンに悪いことでも?
 
 
心配そうな表情のウンスだったが
突然 
ぱぁっと顔色を明るくした
 
 
おんまぁ
たん よ〜〜
ただいま〜〜
 
 
タンの元気な声が
廊下に響いている
 
 
おかえり
タン 
楽しかった?
叔母様 ありがとうございます
いつもご面倒をおかけして
すみません
 
 
ああ いや 
その・・・ウンスや
 
 
歯切れの悪い返答の叔母
それとは反対に上機嫌のタンは
手に握りしめていた土産の袋を
ウンスに渡した
 
 
とる(石)よ〜
ちょにしぃで
ちぇしぇんせい と
 
 
まぁ 綺麗な小石ね
ありがとう タン
嬉しいわ
真っ白じゃない
 
 
あぁ〜〜い
おんまぁ うれしぃ?
 
 
ええ もちろんよ
ん?
でも どうして?
典医寺?チェ先生??
 
 
不思議そうなウンスに
叔母チェ尚宮はふうと
小さく息を吐き出し
 
 
話せば長くなるのじゃが・・・
 
 
タンの大冒険の様子を
話し始めた
 
 
*******
 
 
『今日よりも明日もっと』
「案ずるな」
あなたの声が聞こえて来そう
大丈夫とわかっていても
あなたの無事を祈っている
 
 
 
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
 

皆様
あんにょん
 
昨夜はチーズダッカルビと
ボジョレー ヌーヴォーの夕餉
気がつくと
寝落ちした模様・・・( ̄_ ̄ i)
決して飲み過ぎではありませぬ  笑
 
チーズダッカルビはフライパンで
簡単調理の手抜きで
このところのお気に入り
うまうま ネ〜〜

タッカルビの上に
とろけるチーズをたっぷりのせて・・・
カロリーは気にしないことにしよう
うんうんσ(^_^;)
 
 
さて
お話は戦の前に何やら怪しげ?
そしてタンの冒険話
ウンスはびっくりするかしら?
また
おつきあいくださいませ
 
 
 
一段と寒い朝でした
皆様 安寧にお過ごしくださいね
カムサハムニダ〜照れ

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