父上
大丈夫か?
 
 
夕刻 買い物ついでに
典医寺の様子を見に来た
養子のイサが
心配したようにチェ侍医に尋ねた
医仙様が典医寺の役目を離れ
休養に入ったことは知っていたが
まさかそれが原因だろうか?と
イサは訝る
 
 
ああ
医者の不養生
季節の変わり目だから
体調を崩してしまったようだ
 
 
肩を落としてチェ侍医が言った
 
 
そうなのか?
オレはてっきり医仙様に会えなくなって
恋煩いが加速したのかと思ったよ
 
 
何を!そのようなくだらぬこと
親をからかうものではないぞ
 
 
慌てふためくチェ侍医の様子に
イサは「ははぁん 図星かよ」 
と 心の中で微笑んだ
 
 
だが確かに
診療室が静かすぎて困っている
いつもならば若様もいて
今頃は笑い声が絶えない時刻だが
しんと静まり返った状況に
まだ慣れぬようだ
 
 
チェ侍医は無意識にため息をついた
サラ医官にはなんども
「ほらまたため息」とからかわれる
 
チェ侍医にとってウンスは
高嶺の花
手が届かなくても其処にいることで
心が満たされていた
だが目の前から消えて数日
これほどまでに
ウンスのこともそれから
息子のタンのことも
愛おしく思い出すとは
自分の感情を持て余していた
 
今までにも休みで見かけないことや
産後長い休みを取ったこともあったが
休みはせいぜい一日
産後は王宮の邸にいて
しょっちゅう 診察に伺えた
 
 
そんなに心配ならさ
 
 
イサがポツンという
 
 
会いに行けばいいよ
ほら チビすけの誕生日が近いって
前に言ってたよね
誕生日の祝いに行けば?
オレも一緒に行くよ
夕方なら養成所の修練も終わっているし
外出願いを出しておくから
トギさんもどう?
 
 
イサは近くでお茶を飲みながら
父子の話をこそっと聞き耳立てて
聞いているトギに振った
トギはげほげほむせ返りながら
うんうん頷く
 
 
じゃあ 決まりね
トギさんが最近可愛がってる
薬員見習いの子も誘えば?
えっと・・・ジウちゃん?
サラ先生も誘えばきっと
行くだろうし・・・
オ・アム先生も・・・あ
あの人はだめか
典医寺が空になってしまう
留守番してもらおう
 
 
イサはチェ侍医が口を挟めないように
次々と話を進め
タンの誕生祝い典医寺ご一行様を
勝手にまとめあげた
 
 
一方チェヨンはチェヨンで
康安殿の王様から
思いもかけないことを
告げられた
 
 
上護軍
そなたの息子がそろそろ誕生日と
聞いたが・・・
 
 
はっ いかにも
 
 
王妃が祝い膳をチェ家に
届けると言い出してな
トルチャンチの時のように
スラの女官を連れて
そなたの屋敷に行くというのだ
 
 
はあ?
お気持ちはありがたいのですが
しかし王妃様が動かれるとなると
警護の人員も割かねばならず
大ごとになりましょう
 
 
ああ 余もわかっておる
わかってはおるが・・・
王子を生んで安堵したのも束の間
心の拠り所の医仙に会えなくて
王妃はひどく寂しいのだ
それを考えると
そう無下にも断れぬであろう?
しかも 王子を生んだ褒美が
そなたの屋敷に行くことだと
言うのじゃ
余もほとほと困っておるぞ
王妃は言い出したら聞かぬ
あれで
なかなか頑固なところがあろう?
 
 
はぁ なれども
妻も身重ゆえ
誕生日はささやかな宴の予定でして
 
 
ささやかのぅ
漏れ聞こえてくる話を鑑みると
ささやかで済むとは思えぬ
 
 
王様はニヤリと口の端をあげて
笑って言った
 
 
徳慶府の大妃様の部屋には
茶飲友達である従姉妹の
ホン・タルギと
高麗一の裁縫の腕を持つ
針房(チムバン)の尚宮
ホン・ミソルが顔を揃えていた
 
 
公主が医仙の息子タンがおらぬと
泣いておるのじゃ
まったく公主のタン贔屓にも
困りものじゃ
 
 
大妃様はどちらかと言うと
それが嬉しい口調で
従姉妹のタルギに言った
 
 
たまにはお船に遊びに
来るのでしょう?
 
 
タルギが尋ねる
 
 
まあ 
そのうち来るであろうが・・・
まだ来ておらぬのじゃ
それでじゃ 
どうやらタンの
誕生日が近いようでな
来なければこちらから
行けば良いかと・・・
 
 
ええ?
大妃様も随分と
おかわりになられましたね
この部屋から一歩も出ないような
暮らしぶりでありましたのに
 
 
そうじゃな タルギ
変われば変わるものよのぅ
もはやこの部屋に止まるような
暮らしは思い返せぬ
それに
妾はどうも初孫のミレ贔屓のようじゃ
ミレの願いを聞き届けてやりたいと
つい思うてしまう
タンに会いたいのならば
会わせてやりたいのじゃ
だが
手ぶらで祝いに行くわけにもいかぬ
一つ衣を誂えて届けたいと
思うておるのじゃ
高麗一のそなたに頼めるか?
 
 
はい 大妃様
何なりと
このミソル 
最上のものを
誂えてご覧に入れます
 
 
そうか?それは心強い
 
 
大妃様は安堵したように
微笑まれた
 
 
こうして本人たちが知らない間に
タンの誕生日の噂は
王宮へと広まり
噂が噂を呼んで
王妃様や大妃様はもちろん
タンを見かけなくなって
寂しがっていた
お船の世話係の女官たちや
お遊び会に参加しているものたち
それから
王妃様の警護について行く予定の
武閣氏
それに典医寺のものたちまで
浮き足立つ始末
 





おんまぁ
とぅんとぅんへ〜
よ〜


やだぁ
太っちょって?
わかってるわよ
食べ過ぎはよくないわよね


パムをパクパク食べながら
のんびり屋敷で休んでいる
ウンスとタンは
誕生日の宴に寄せる
皆の思いを知る由もなかった

 
*******
 
 
『今日よりも明日もっと』
年に一度の誕生日
生まれて来てくれてありがとう
生んでくれてありがとう
命の誕生を感謝する日
 
 
 
 
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
 
 
期間限定御礼グルッポ
「たんたんタンの誕生日」では
昨年のトルチャンチ同様
お誕生日盛り上げ隊の皆様を
募集いたしました
多くの皆様にご協力いただき
感謝いたしまする〜m(_ _ )m
 
今日もちらほらと
ご出演いただいておりますが
まだまだグルの皆様に
お話に彩りを添えていただく予定です
どうぞよろしくお願いいたします
 
週末はタン祭り〜〜〜(〃∇〃)
昨年のトルチャンチに引き続き 
タンのお誕生日祝いに
おつきあいくださいませ
 
 
ポチッとカムサハムニダ〜

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