チェヨンとウンスとポムの三人は
最近出来た郊外型の
大きなショッピングモールに
来ていた
はしゃいで跳ねているポムの姿を
見失わないように
ウンスは後ろ姿を目で追っている
 
 
ポム
そんなに慌てなくても
お店はなくならないわよ
具合が悪くなったらどうするの?
 
 
ポムはぐっと立ち止まり
くるりと振り向くとニカッと笑った
 
 
その時は名医二人に助けて
もらうんでするぅ〜
 
 
チェヨンとウンスの手は
繋がれていて
人混みの中をチェヨンは
ウンスを庇うように歩いている
 
 
それに
三人で手を繋ぐんでするか?
それこそ恥ずかしい〜〜
 
 
もう!本当に口が達者なんだから
 
 
ウンスは苦笑した
ポムはニコニコ 
チェヨンに質問
 
 
ねえ ヨンオッパ
チュンソクオッパは
何が好きかな?
お菓子?
でも食べたらなくなるしなぁ
キーホルダーにしようかなぁ
カバンにつけてもらえるように
 
 
地元の名産を売っている菓子屋の前で
止まってはショーケースを眺めたり
雑貨屋を見つけては
キーホルダーを物色したり
ポムは忙しい
 
 
どうだろう?
食いもんの好き嫌いはないような?
そういや 
チュンソクソンべの好みとか
あまり分からんな
 
 
チェヨンは考えた
大学や家では
当たり前のように頼ったり
力を貸してもらったりしているが
一緒に遊んだり
どこかへ旅行したりしたことはない
ウンスの実家まで
ドライブに付き合ってもらった
ことぐらいだ
 
 
もう ヨンオッパ
大事な先輩なんですから
もっと大切にしなくちゃダメですよ〜
オンニばっかり大事にして
イチャイチャしてる
場合じゃないでする〜
 
 
今度はチェヨンが苦笑した
 
 
本当 
ポムちゃんにはかなわないよ
で    ポムちゃん
そろそろ 腹が空かないか?
俺 おごるよ
ウンスのこと知らせてくれた
お礼に・・・
 
 
何よ?知らせたって?
どういうこと?
 
 
訝るウンスに
チェヨンはとぼけた
 
 
さあ?
ウンスには内緒
 
 
あああ 
私じゃなくて
ポムと秘密を共有するのね
ヨンの意地悪
 
 
オンニが妬いてる〜〜
なんか面白い
 
 
膨れた頬の姉をからかい
ポムは上機嫌で笑った
 
 
ねえねえオンニ
機嫌直して〜〜
ヨンオッパが奢ってくれるって
何にしよ〜〜〜か?
 
 
ポムは
フードコートに一目散
ウンスを手招きしている
 
 
オンニ 早く〜〜〜
 
 
昼下がりのフードコートは
いくつか空席があって
チェヨンは適当なところに
席を確保すると
ウンスを座らせ
ポムの財布となるべく
レジに並んだ
しばらくして
ウンスが待っていると
運ばれて来たのは参鶏湯
 
 
暑い日にはこれが一番
体力つけて
暑さを乗り切らなくちゃ
でする
 
 
そうね・・・うふふ
何だか参鶏湯には縁があるな
 
 
そうか?そうだな
 
 
チェヨンもくくっと笑った
旅行した釜山でも一緒に食べた
ソウルでも二人でよく食べるし
家でも作ることがある
家の参鶏湯はもっぱら
温めるだけのものが多いが・・・
 
 
二人の秘密?でするか?
 
 
さて 食ったら
チュンソクソンべのお土産
決めなきゃな
ポムちゃん?
 
 
チェヨンは軽く受け流し
ポムに言った
 
 
はいでする
やっぱりタルチュム(仮面踊り)の
キーホルダーにしようかな?
あのまゆの下がり具合が
チュンソクオッパにそっくり!!
 
 
ええ〜〜チュンソクさん
民芸品のキーホルダーを
もらって困るんじゃない?
 
 
ええ〜〜
どうしてでする?
あの変顔 可愛いでする〜
 
 
チェヨンは吹き出して
ウンスに言った
 
 
意外に 
チュンソクに似合いそうだ
何なら大きなお面を
土産に買って帰るか?
 
 
もう ヨンまで・・・
うふふ
確かに チュンソク先輩の顔に
似てるかも?
目の下がり具合とか?
 

 

二人とも チュンソクオッパを

バカにしてる〜〜

 

 

してないわよ

だいたい 言い出したのは

ポムじゃない?

そうだ ヨン

私も先輩にお土産

買って帰ろうかな?

ほら ヨンは学会のこと

釜山で丸投げして来たんでしょう?

私が原因だし・・・

 

 

はぁ?ウンスが買うことない!

他の男になんて・・・

 

 

あ ヨンオッパ

拗ねてるぅう〜〜

 

 

ポムはくすくす笑った

だが

それから急にしんみりとした

顔をすると ウンスに言った

 

 

もう一晩 泊まって行けばいいのに

夕方 

本当にソウルに帰るでするか?

 

 

うん ごめん

ウネも待ってるし

それにヨンのご両親も

ヨンを待ってるから・・・

 

 

寂しくなるでする

 

 

また帰ってくるわ

それに来月 ポムの検診が

うちの病院であるでしょう?

またすぐ会える

今度はチュンソク先輩の妹さんも

紹介してあげるから

 

 

いいなぁ みんなソウルで

ポムもオンニ達のそばで

暮らしたいでする

 

 

いつでも遊びにおいで

ソウルの街を

いつでも案内してあげるから

チュンソクと一緒に

 

 

チェヨンはポムに微笑んだ

 

 

本当でするか?

行く 行くでする〜〜

 

 

ポムは目を輝かせて頷いた

 

 

いつかオンニ達が結婚して

そのオンニ達のそばで

暮らせたらいいなぁ〜

 

 

いずれそうなることを

この時

まだ知らないポムは

夢見るように呟いた

 

 

私たちが結婚?

もう ポムったら

照れるじゃない

ポムこそ 誰と結婚して

私たちの近所に住むつもりよ?

 

 

ウンスがちらっとからかうと

ポムは真顔で答えた

 

 

それはもちろん

チュンソクオッパ

ポムは元気になって

チュンソクオッパと結婚するでする

そしてオッパを幸せにしてあげるの

 

 

チェヨンは飲みかけた水に

むせかえってポムに言う

 

 

チュンソクも責任重大だな

こんな可愛い子に

一途に想われて

 

 

ポムの初恋ね?

 

 

ウンスは優しい顔をして

妹を見つめた

そのウンスを優しく

チェヨンが見つめていた

 

 

 

 

夕方 

アルバイトも引き上げた頃

チェヨンとウンスも

ウンスの実家を後にした

 

サイドミラーに並んで映る

両親の穏やかな笑顔に

ウンスは寂しさがこみ上げた

ポムは泣きそうな顔をして

ちぎれそうなくらいに

手を振って見送っている

 

 

ウンスや

大丈夫か?

 

 

実家から帰る時は

いつもどうしようもない寂しさに

襲われる・・・だが

チェヨンが隣にいてくれる

だから大丈夫

ウンスはこくんと頷いた

 

 

じゃあ 行くぞ

 

 

チェヨンはアクセルを踏んだ

赤い車がゆっくり動きだす

 

 

また 来ような

 

 

うん・・・ありがと

 

 

ウンスはチェヨンに答えると

窓から身を乗り出して

手を振った

 

 

またね〜〜〜 ポム

元気でね〜〜〜

アッパァ オンマァ〜〜〜

 

 

前を向いて 

思いを振り切るように

小さく息を吐いた

家から持って来たキャリーバッグは

お土産でパンパンになって

車のトランクに収まっている

 

 

ヨン 迎えに来てくれて

ありがとう

帰ろう 

ソウルに・・・

 

 

ああ

 

 

チェヨンはウンスの手に

手を重ねた

 

 

帰るか 

 

 

庭に咲く

セントジョンズワートが揺れる中

サイドミラーに映る実家が

段々小さくなる

愛車はソウルに向けて走り出した

 

 

*******

 

 

『今日よりも明日もっと』

ずっととどまってはいられない

懐かしい気持ちを残しながら

時は流れている

 

 

 

 
 
 
ポチッとカムサハムニダ 照れ

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