典医寺に出仕し
薬剤室にトギを訪ねたウンスを
トギは鼻で笑って出迎えた


トギ
なんの調合したのよ
おかげで大変だったんだから


トギはにやりと笑うと
ゆっくり口を動かし
ウンスに告げた


비밀(ピ・ミ・ル)


何よ
秘密って
やっぱり媚薬まがいのもの
入れたでしょう
それにものすごく苦いし


さあて?どうかな?と
言った素振りで
トギはごまかした


チュンソクさんにも
分けたのよ
ポムは大丈夫だったかしら?
苦いし   ヨンは大変だし
王妃様にお出ししていたのとは
全然違うじゃない!


トギは一瞬
え?と驚いたが
何事もなかったような顔をして
ウンスを追い払おうとした


何が全然違うのです?


薬剤室に入って来たのは
チェ侍医だった
生薬のことをチェ侍医に
相談するのは気恥ずかしくて
ウンスはトギに直接頼んでいた


えっと  うんと
ちょっとね
なんでもないわ
トギ
普通でいいから普通で
また後で来る


ウンスは逃げるように
薬剤室を出て行った
肩をすくめて見送るトギに
チェ侍医が言う


あまり
医仙様を困らせては
なりませんよ


トギはベェッと舌を出した
聡いチェ侍医のこと
ウンスが何を望んで
トギに生薬の調合を頼んだか
察しがついた

王妃様の出産が終わるまで
自分の懐妊は後回しだと
以前は言っていたが
慕っていた奥女中が
亡くなったことで
何か気が変わったのだろうか?
チェ侍医はぼそぼそ考えた


兵舎では
朝稽古の様子を見る
チェヨンの姿があった


ちとやり過ぎた
トギの奴
何を入れたのだ?


ぶつぶつ独り言を言って
知らず知らずに
チェヨンは腰に手を当てた

昨日の昼に煎じ薬を飲んでから
身体が熱く煮え繰り返り
気持ちを鎮めるのに苦労した

夕方もう一度飲んだら
もう歯止めが効かず
拗ねるウンスを
なんとかなだめて
身体を収めた

それからは
タガが外れたみたいに
眠りそうになるウンスを
何度も揺り起こして
何度も欲して
気づいたら夜が明けていたのだ

新婚でもあるまいに
きっとトギが何か仕掛けたに
違いない
だが   
ソンオクのことで
気落ちしていた自分もウンスも
ただ本能の赴くままに
時を過ごせたのも事実
トギに感謝すべきか否か?

そんなことを考えていると
ふと
隊員を挟んで向こう側にいる
チュンソクと目があった
互いに腰をさすっている


チュンソク
お前もか?と
チェヨンは苦笑した


なんだ?なんだ?
上護軍も隊長も腰が悪いのか?
どうしたんだ?


腰をさする上官を見比べ
トクマンはテマンに話しかけた


はあ?
知るかよ   オレが!


テマンは返答に窮し
逆にトクマンに噛み付いた


怒るなよ!テマン
最近機嫌が悪いな
恋煩いか?


うるさい!
誰が恋煩いだよ
お前には関係ないだろ


テマンは息巻いてから
ふぅと空を見上げた
恋煩い
胸にちくりと傷みが走る
ジュヒにもコハクにも
あれ以来会ってはいない
時が経つのが
じれったいほど遅く感じた


でも
上護軍と医仙様は
ますます
仲睦まじくて良かった


テマンが
腰に手を当てているチェヨンを
にまにまと見ていると
兵舎の門の陰に
とろんと虚ろな目をした
ウンスの姿があった


******


『今日よりも明日もっと』
欲しいものに向き合うと
今の自分が見えてくる





☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*


気がつくと
二月もそろそろ終わります

春が近づいてますが
お話はまだ寒花のまま(;^ω^A
昨日も
二話目を書き書きしながら
寝落ちしてしまいました
ミアネヨ〜(_ _。)

スローペースではありますが
もう少し「寒花舞い降る」に
おつきあいくださいネン



さて
今日は国公立大学の前期試験
昨日とある大学の前を通ったら
下見の学生さんで溢れてました

入試は人生の通過点
うまくいくことも
いかないこともあるのが
人生だけど

受験生の皆さんと
見守って来た親御様の
努力が報われますように
春が訪れますようにと
お祈りしています

気を引き締めて
行ってらっしゃい!

今日が良い日になりますように


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