朝から頭が痛かった
からだも怠く
起き上がるとふらりとした

腕の中で目覚めるはずだったのに
また朝早くチェヨンは
行ってしまった

どうしてしまったのだろう
このところ気づけばため息

窓を開けて中庭を眺めた
冷たい空気が部屋に入り込む
後ろから抱きしめてくれる
チェヨンの暖かさが恋しかった

中庭の
ウォルゲスは綺麗に刈り込まれ
ムグンファは花をつけることも
なくなり
山桜は枯れ木になっている
冬の訪れが近いことを
感じさせる朝

タンはまだ寝ていた
昨夜のことを思い出そうとしたが
なかなか思い出せない

少しくらくらする辺り
熱があるのかもしれないと
ウンスは思った

身支度をなんとか整えて
紅を引いた
少しは綺麗に見えるだろうか?
顔色が悪いと気持ちまでなえる

起こしに来たヘジャに
返事をして
タンを抱き上げると
目を覚ました


ごめんね
タン
出仕の時刻なの
起きてね


あう〜〜


まだ眠たいの?
しょうがないわね〜


ウンスは熱がこもった身体を
引きずり
タンをヘジャに渡した


少しふらつくの
タンの支度を頼める?


はい
オクリョンをすぐに
呼びましょう
奥様    大丈夫にございますか
お顔の色もすぐれませんし
傷寒でしょうか?
今日はお休みになられては?


大丈夫よ
休んだばかりじゃない
みんなに迷惑かけられないわ


ヘジャに支えられ
奥の間に移動した
タンが泣きそうな顔で
ウンスの衣を握りしめている


タン・・・大丈夫よ
そんな顔しないで


ウンスは優しく微笑んだが
次の瞬間
雪崩れるように
そのまま倒れ込んでしまった


奥様!
奥様!
誰か    誰か!


取り乱すことのないヘジャの
うろたえた声に
ソクテとオクリョンが
飛んで来た
タンはウンスのそばで泣いている


オクリョン
若様を頼むよ
ヨボ
奥様を運んでおくれ


大丈夫よ   ヘジャ
少し眠ればすぐによくなる


気を失っていたウンスが
気づいてヘジャに言う


ですが
身体が熱くて


そうね
王妃様に移しても大変だから
今日は休むわ
典医寺にことづけて


旦那様にもすぐに
お知らせいたします


忙しいのよ   あの人
煩わせたくない
チェ先生から
薬を貰って来て頂戴


奥様


タンはつぶらな瞳から
はらはら涙を流している
初めて見る母親の憔悴した姿


おんまぁ
おんまぁ〜〜


オクリョンに抱き上げられて
いたが
ウンスに手を伸ばし
しきりに呼んだ


タン
いい子ね
泣かないのよ


閨に人が入ることを嫌う
ウンスをおもんばかり
奥の間に続く小部屋に
布団が用意され
ウンスは横になった

気持ちが弱るとからだも弱る
からだが弱っているから
気持ちも弱ったのだろうか?

言葉とは裏腹に
チェヨンが恋しくて仕方なかった


*******


『今日よりも明日もっと』
あなたがこんなに愛しいのに
どうしてすれ違うのだろう



☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*


「ウォルゲスの憂鬱」に
おつきあいいただき
ありがとうございます

コメにもいただきましたが
憂鬱の連鎖

皆様のため息
聞こえてくるようで(´_`。)

申し訳ありませんが
今しばらく見守っていただけたら
うれしいです


一段と寒くなりました
安寧にお過ごしくださいませ