チェヨンはベッドに横たわる

ウンスをもう一度抱きしめた

柔らかなからだ

甘酸っぱい香り

大好きで大切な人の

一つ一つを大事に思いながら



部屋の電気つけようか



もう真っ暗な窓の外を見て

チェヨンは言った



やだ

恥ずかしくて

きっと顔が真っ赤だわ



それもかわいい



チェヨンはからだを起こした

扉の横の壁に

電気のスイッチがあった

パチンとつけた

ウンスは布団の中に潜り込んで

しまって出てこない


なんて大胆なことを

言ってしまったんだろう

なんてわがまま

言ってしまったんだろう

きっとチェヨンは自分を

大事にしてくれる

むやみに手を出したりしない

それを試したかったのかも知れない

ウンスは布団の中で省みる



ごめん

ほんとに私    ひどい

ごめん



もういいから

布団から出て来て顔見せて



変わらない優しい声に

少しほっとした



怒ってない?

呆れてない?



ああ

それに俺

ウンスの胸

見たし



ぎゃー

そうだった

ますます

恥ずかしくて顔出せないよぉ



ウンスは深く潜り込む

あんな恥ずかしいこと

頼むなんてどうかしてた


チェヨンは大人だ

自分よりずっと

あんな状況でも

気遣ってくれたのだから


チェヨンが触れた手のひらの

感触がまだ胸に残っている

チェヨンが口づけた胸の先が

熱くて熱くて仕方ない

ウンスはそろりと掛け布団から

瞳を出した

目の前にとびきりの笑顔

ドキドキして

また潜り込もうとしたら

布団をはがされた



俺の好きな顔

見せて



ううっ



そろりとはい起きた

チェヨンは咄嗟に顔を背ける

胸元がはだけたままだった



きゃあ



かわいい悲鳴が上がって

ウンスは慌てて服を整えた



無防備!

他の奴に無防備なのは

許さないぞ



うん



俺を翻弄した罰

肩    貸して



え?



ウンスにもたれて休みたい



うん



ウンスはチェヨンに

肩を貸した

初めてなのに

もたれて目を閉じる

チェヨンの重みが懐かしくて

なんだかうれしかった



イムジャ



え?

なんて言ったの?



え?俺   なんか言った?

ウンスの肩   安心する



ヨンの腕の中もだよ



そうか?



うん



チェヨンはふっと息を吐いた

なんだかんだ言っても

ほんとは今すぐにでも

自分のものにしてしまいたい

ウンスのふるるんとした胸

ころんとして甘い胸の先

妄想が広がり過ぎて

おかしくなりそうだった

その欲をぎゅうと己の心に

押し込める


チェヨンはもう一度深呼吸して

自分を見つめるまん丸な

瞳をちらっと見た

甘えるような顔つきが

かわいくて

めちゃくちゃにしてしまいたい

という気持ちが消えた


やはり大切にしまっておこう

大切に大切に

その時が来るまで

ウンスがすべてを受け入れて

くれるまで

じっくりゆっくり

ウンスと恋をしたい


ウンスの全部を手に入れるまでは

長い道のりになるかも知れない

だがきっと待てる

チェヨンはそう思った



部屋の時計がチクタクチクタク

音を刻んでいる



*******



『今日よりも明日もっと』

大切な人だから

じっくり時をかけて

愛を深めていく





ゆるゆる更新の
現代版クックァもあとわずか
もう少しお付き合いくださいませ