さわってほしい



ウンスは言った

心臓がうるさいくらい

音を立てて

チェヨンはウンスを見つめた



やっぱり嫌?



今にも泣き出しそうに

下唇を噛みしめている

チェヨンはウンスの唇に

指で触れると

ゆっくり尋ねた



ウンス

自分で言ってる意味

わかっているのか?



うん



俺は男だ

そんなこと言われたら

理性が飛ぶ



ウンスは長い睫毛を

ぱたぱたと揺らしてチェヨンを見た



俺はたぶん

ウンスが思っている以上に

ウンスが大切だよ



ヨン



痴漢に遭ったからって

ウンスへの気持ちが揺らぐわけない

むしろ

傷ついたウンスがもっと愛しい



うん

だから

ヨンに触れてほしい



ギリギリ自制してるんだ

触れるだけで済ませる自信がない

それでもいいってことか?



チェヨンはウンスを

もう一度押し倒した

ベッドがきしむ

ウンスの薄いニットの裾に

手をかけてたくしあげた

仄暗い部屋の中で

淡いピンクの下着から透ける

ウンスの透き通る肌が

まぶしく思えた

下着をはずすと

ふるりとした胸があらわになる

チェヨンは

大事そうにそれを手のひらで包み

その頂きにそっと唇を寄せた

ウンスのからだがびくんと跳ねる



震えてる



うん    ごめん

やっぱり怖い



チェヨンはウンスを抱きしめて

優しく言った



いいよ

止めよう

慌てることはないから

俺もウンスを守れるだけの

一人前の男になる

そしたらその時は覚悟しろよ



うん



ウンスを女にするのは

俺だから



ベッドの中で抱きしめられて

頬が火のついたように熱い

もぞもぞ動くとチェヨンが

困ったような声で言う



あんまり動かないで

これでも必死に耐えてるんだ



うん     うふふ



なんだか可愛いチェヨンの言い方に

笑みがこぼれる

胸に耳を当てると    

ドクンドクン早鐘が鳴る

チェヨンはウンスの耳元に

囁くように言った



大切にする

これからもっとウンスのこと



うん

私も



ああ



いつの間にか

ヨンと呼ぶウンスの声が

切ないくらいに甘く聞こえた



*******



『今日よりも明日もっと』

大事だから

踏みとどまる

それも一つの勇気



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