バタンと閉じたドアを見て

ウネはため息をついた

自分がひどい女に思える

チェヨンと二人で部屋に押し込めて

ウンスに何を経験させようと

しているのだと   自己嫌悪

純情無垢な娘が

チェヨンによって

無理やり

女にされたらいいと

少しくらい脛に傷をつけてしまえと

そんなことを思う


ひどい話だ

あんなに真っ直ぐに好かれて

しかもあんないい男に

ウンスばかりずるいと一瞬でも

思ってしまった

自分の中にある腹黒さに

嫌気がさした


ウンスのことが大好きで

大事な大事な腹心の友

ウンスを傷つける奴がいたら

本気で立ち向かうに違いない

けれど

人の気持ちは複雑で

ウンスのぽぉっとした

幸せそうな顔を見ると

なんだか意地悪したくなった


部屋の灯りはまだ点かない

泣いたりわめいたりする声も

聞こえては来ない

チェヨンは

やっぱり紳士なのだろう

あいつとはえらい違いだと

ウネは付き合っている男のことを

思った



ウンスは

心臓が飛び出てしまうのではないかと

思えるくらいにドキドキしていた

チェヨンの下敷きになって

貪るような口づけを受ける


四度目のキスは激しくて

チェヨンの情熱すべてを

受け入れる気持ちで

ぎこちなく応えた


知らないうちに

時折漏れる自分でも聞いたことの

ないような吐息に

怯みながら

長い長い時間    唇を合わせる

くらくらも通り越して

ただチェヨンとこうしていたい

と思った


チェヨンの手のひらが

遠慮がちに

ウンスの胸に伸び

まさぐり始めた

一瞬   痴漢に遭った時の

嫌な思いが蘇り

からだが強張る


チェヨンに気づかれたくなくて

必死に我慢したが

きっとチェヨンには

バレたのだろう

チェヨンの動きが止まった



ごめん

ウンスが嫌がることは

しないつもりだったのに



ちがう

ちがうの



またチェヨンに謝らせてしまった

そう思うとなんだか泣けてきた

その様子を見て

チェヨンは起き上がると

壁に背もたれてベッドに座り

ウンスを起こして胸に抱き寄せた



どうした?



なんでもない



泣いてるだろ

話して

俺のこと呆れた?



そうじゃない

違うの

聞いたら私のこと嫌いになる



絶対ならない

だから話して



チェヨンの大きな手のひらが

うつむくウンスの髪をかきあげる



高校に入ってすぐに

通学バスの中で

痴漢に遭ったの



チェヨンのウンスを

抱き寄せる手に力が入った

怒りが伝わってくる



助けてくれたのはウネ

私は    恥ずかしくて

嫌だとも言えなかったから



そうか

その男   今すぐ

俺が斬り捨ててくる

ウンスに触れていいのは

俺だけだ



暗がりの中で

真面目に斬り捨てると答える

チェヨンが

なんだかおかしくて

ウンスはふっと笑った

肩の力が抜けてほっとした


無遠慮と遠慮がちの違い

好きでもない男と

大好きな人の違い

ウンスはチェヨンの肩に

預けていた頭を起こして言った



ヨン

お願いがあるの



なに?



むね

さわって



え?



直に

誰にもさわらせたことない

ヨンが最初がいい



ウンスの声が甘く響いた



*******



『今日よりも明日もっと』

ちょっとのことにつまずいて

一生懸命だった日も

いつかは懐かしく思い出せる

だろうか






☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*



さて

現代版クックァ

ラストスパートを

かけなくちゃ

またおつきあいくださいませ


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皆様

安寧にお過ごしくださいませ



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