すっと離れたチェヨンが

困った顔をして言った



せっかくのプデチゲが

煮詰まったな



急に離されたウンスは

どんな顔を

していいのかわからず

ただこくんと頷いた



食べよ



うん



何かおかしなことしたの

だろうか?

ウンスはチェヨンに

突き放された気がして

寂しくなった

チェヨンは少し伸びた

ラミョンを黙々と食べ始め

ウンスもそれに従う

辺りはすっかり陽が落ちた


なんとなく食べ終わり

なんとなく気まずいまま

キッチンに並んで

片付けを始めた



すごくうまかった



ウンスが洗った茶碗を

拭きながらチェヨンが言う



座ってていいのに



手伝うよ



やったことないんでしょう?

茶碗拭き



ああ

でもやりたい



うん



二人はまた前を向いて

後片付けを始めた

チェヨンもどうしていいか

わからなかった


抱きしめて口づけた

ぎゅっと腕を回され

しがみつかれた

思っていた以上に

華奢なからだ

そのくせ肉厚な胸

あんな風に舌を絡めたのは

初めてのこと

本能が

もっとウンスを欲しがる

だけど

ウンスを傷つけることだけは

しなくなかった

だから

咄嗟に逃げ出した

これ以上は自制が効かないと

思ったから

愛しいウンスを守る力が欲しい

早く大人になりたい

チェヨンは願う



突然

ガチャンと鍵が開く音がして

ウネがひょっこり帰って来た



ウネ!

デートじゃなかったの?



びっくりしたウンスは

ウネに聞いた



うん    ちょっと訳ありでね

ごめん   邪魔よね?

あれ?もう夕飯終わり?

これからじゃないの?



ウネはウンスを見た



まだ材料あるよ

食べる?

作ろうか?



ウンスはウネが現れ

先ほどまでの気まずさから

解放されて

ホットしたように言った

空気を読んだチェヨンは

ウンスに言う



じゃあ    俺帰る

ウネさんも帰って来たし



今度はウネが驚いた



はあ?

チェヨン

あんたもう帰るの?

この天然記念物を置いて?

この子は

飼いならすのに時間がかかるのよ

帰って来たあたしが言うのも

なんだけど

あっさり引いちゃダメ

それに

夜はこれからじゃない



にやりと笑うウネに

ウンスは赤くなる



天然記念物?ウンスが?



チェヨンはウネの言い方を

おかしそうに笑って聞き返す

ウネは得意げにチェヨンに

答えた



そうよ

この子は男の免疫ゼロなのよ

いろいろ慣れてないの

おまけに恋に臆病だしね

手がかかるけど

大事にしてよね

さあさあ   あたしはテキトーに

夕飯食べるし

また出かけるから

気にしないで

二人はウンスの部屋へ

行った行った



ちょ   ちょっとウネ!

もう   余計なことを!



追い出されるように

背中を押されて

二人は奥のウンスの部屋に

押し込まれ

バタンとドアが閉まる

電気をつけない部屋は

表の灯りが反射して仄かに明るい

肩をすくめるウンスに

チェヨンは言った



さっきはごめん



ごめんて?何が?



キス



どうしてあやまるのよ



悪いことなんてしてないと

ウンスの声に少し

泣き声が混ざった



我慢できなくて

情けない   俺



チェヨンはぽつりと言った



情けなくなんかない

あんなの初めてだったけど

いやじゃなかった

ヨンの気持ち    伝わったもの



ウンスの柔らかな香りが

鼻腔をくすぐる



そんなこと言われたら

またしたくなる



ウンスが目を伏せた

それは嫌だってサイン?

欲しいってサイン?

チェヨンはウンスを見つめた


チェヨンの袖口をぎゅっと掴んだ

ウンスの手のひらに力が入る


可愛すぎて言葉が見つからない

チェヨンは貪るように

ウンスに口づけ

二人は転がるように

ベッドに倒れ込んだ



*******



『今日よりも明日もっと』

大人になったら忘れるの?

ただ   ただ

あなたのことが好きだった日々


{556BD267-575B-4012-8ADA-22F64E2D7915}




にほんブログ村 小説ブログ 韓ドラ二次小説へ
にほんブログ村