大学をあとに家に向かう途中
ウンスはチェヨンに尋ねた
買い物はいつものスーパーで
いい？
ああ
ウンスがいつも行く店
行ってみたい
普通のスーパーだからね
高級品は売ってないよ
ウンスは念を押すように
チェヨンに言って
大学と自宅の中間地点の
地元のスーパーに寄った
主婦や子連れのオンマに混ざり
うろうろしているのは
なんだか照れた
周りから
どんな風に見えるのかな
姉弟とか？
ウンスはちょっと気になる
そんな時
試食売り場のアジュンマに
声をかけられた
新婚さんかい？
仲がいいねぇ
今日はラミョン（ラーメン）が
安いよ〜
ち ちがうわよ
新婚だなんて
いきなり新婚さんだなんて
びっくりして
頬が熱くなって手で扇いだ
チェヨンは背が高くて
確かに 年の割に
落ち着いて見えるのかも
4歳も年下には思われないのかと
ウンスは少しほっとした
新婚と言われて
どんな反応をするのかと
チェヨンを伺うと
目をきらきらさせて試食を
見つめている
ラミョン好きなの？
これがラミョンか
ええ？食べたことないの？
ああ
売り場のアジュンマは
チェヨンがものすごい貧乏人だと
勘違いしたようで
気の毒がって ウンスに言う
たまには食べさせてあげなよ
旦那さん 可哀想だよ
ウンスは曖昧に笑って
チェヨンに聞いた
じゃあ 買っていこうか？
夕飯はこれでもいい？
ああ もちろん
じゃあ 少し奮発して
プデチゲにするね
アジュンマがにっこり頷く
精をつけて 頑張るんだよ
新婚さん
だから！新婚じゃないって
ウンスは
ぼっと真っ赤になって
慌てて チェヨンの腕を取ると
引きずるようにその場を離れた
もう いやんなっちゃう
恥ずかしい
周りの人に聞こえてるわ
新婚だなんて
いいじゃないか
俺は構わないよ
いずれそうなるんだから
え？
なんでもない
チェヨンはカートを押して
足早に歩き始めた
照れた横顔がかわいい
聞いちゃったんだから
いずれそうなるって？
私と結婚したいってこと？
でも そんなこと考えるのは
まだ早すぎる でも・・・
今夜・・・どうしよう・・・
ウンスは胸のドキドキが
チェヨンに聞こえないかと
心配になるくらい
ドキドキしていた
まだつき合ったばかりで
キスだって2回だけ
性急にそういうことには
ならないだろうけど
彼だって 男
そんな気 あるよね・・・？
急に不安になった
まだ心の準備はできていない
なのに家に呼ぶなんて
その気がある 軽い女だと
思われてないだろうか？
ウネにからかわれたことを
思い出した
可愛い下着を買っておくのよ
いざって時に
焦らないようにね
だってウンスの持ってるもの
実用的なもの
ばっかりじゃない
考えたこともなかったけど
それにまだそのつもりも
全然ないけど
そう言われて何組か
フリルのついたものや
可愛い柄のものを
買いそろえたら
またウネに
からかわれたんだった
少し意識し過ぎ？
ウンスは苦笑する
チェヨンは隣で急がしそうに
表情を変えるウンスに
見惚れていた
冷静な振りをしているけど
ほんとは今にも
どうにかなりそうなくらい
心臓がバクバクしている
ウンスの部屋で二人きりの夕飯
ウンスのことが
好きで好きでやっと
恋人の地位を手に入れた
だからウンスの嫌がることは
絶対にしない
だけど もしも・・・
ウンスがその気なら？
チェヨンは首を振った
そんなよこしまな想いになど
ウンスはちっとも気づいて
いないに違いない
それに自分はまだウンスを
守り切れるだけの
大人の男じゃない・・・
なあに？
何か言いた気だけど
あ？ えっと
プデチゲって
何入れるのかと思って
ウンスは納得したように
微笑んだ
初めて食べるんだったね
まったく〜
ヨンはどこまでセレブなわけ？
庶民のソウルフードよ
なあ 今
ヨンって言った？
え？あれ？そう？
もう一回言って
やだ
どうして？
恥ずかしいもの
名前を呼ぶなんて
今 言っただろ？
呼ばれたいのに
や〜〜〜だ
ウンスはカートに食材を
放り込みながら 笑った
その笑顔にまだドキドキして
抱きしめたくなる
俺 ウンス病 重症だ
＊＊＊＊＊＊＊
『今日よりも明日もっと』
君の笑顔を見ていたい
君を守るためなら
なんだって頑張れる
☆*ﾟ ゜ﾟ*☆*ﾟ ゜ﾟ*
やっと いよいよ
夕餉に突入〜〜
じれじれ感 半端なくて
ミアネヨ
また
おつき合いくださいませ
