朝から落ち着かない様子を

ウネにからかわれないように

朝ご飯を食べながら

さりげなく 今晩チェヨンを

部屋に呼んだと伝えた

 

 

そう いよいよ

らぶらぶな夜か

いいわね〜

 

 

あのね

そんなつもりじゃないから

もともとは暴漢に助けてもらった

お礼なんだもの

お礼はやっぱりしなくちゃね

 

 

お礼ねぇ

 

 

言い訳がましく

目が泳ぐウンスを

やっぱりからかうように

覗き込んで ふ〜んと言った

 

 

あたしも帰りは遅くなるから

どうぞごゆっくり

 

 

あ?デート?

上手くいってるんだ

よかった

 

 

頭の良さそうな学部の先輩で

どことなくチャン・ビン先輩に

似ている風貌の彼に

熱を上げてつき合い始めたウネ

でも相手の気持ちがいまいち

掴めないといつだったか

お酒を飲みながらこぼしていた

のを 聞いた

 

 

まあね

でもどうかな?

 

 

ウネが弱気何て珍しいわね

 

 

大人には色々あるのよ

まだ駆け出しの恋の

おこちゃまにはわからない

未知の世界が

 

 

おこちゃまって!

ウネったら

 

 

ウンスの頬がふくらんだのを

見てくすっと笑って

ウネは

一足先に家を出た

 

ウンスは時計を見て急いで

支度を終わらせた

それから部屋の中を見回す

 

リビング兼ダイニングの部屋と

それぞれの部屋が二つの

こじんまりとしたこのヴィラを

お金持ちらしいチェヨンは

驚かないだろうか?

そう思ってから首を振った

 

そんな人なら

私とつき合おうなんて

はじめから思わないか

とにかく自分で稼いで

一人でも生きて行ける

大人の女になりたい

その為には まず今は勉強

いい医者にならなくちゃ

 

きりっと顔をあげて

決意したウンスの手元の

スマホが鳴る

チェヨンからの着信

 

 

表にいるよ

 

 

一気に表情が崩れるウンス

慌てて鏡の前へ

口紅を塗り直し

上着を羽織って玄関を飛び出した

朝の空気が冷えている

 

 

毎朝 来なくてもいいのに

遠回りでしょう?

 

 

うれしいくせにわざと言う

 

 

俺も今朝は一限目から

講義があるから

それに朝の散歩

気に入ってるんだ

 

 

そお ならいいけど

 

 

チェヨンと一緒のときは

木立の裏道を抜けて

大学へ向かう

一人のときは進入禁止と

チェヨンに言われた道を

ひと気のないのをいいことに

指を絡めて手をつないで

やっぱり少しだけ遅れて

ウンスはついて歩く

 

足が長い人について歩くのは

大変だ

でもチェヨンが気遣って

ゆっくり歩いてくれていることを

ウンスは知っていた

 

 

ああ もう着いたな

学部棟が見える

 

 

残念そうに言うチェヨン

 

 

そうね

でもお昼にはまた会える

一緒に買い物して帰ろう

 

 

お それはいいな

 

 

チェヨンの笑顔が弾ける

 

 

ウンス・・・

 

 

なあに?

 

 

抱きしめたい

 

 

え?

 

 

気がついたら腕の中にいた

チェヨンの腕の中は

ものすごく安心出来る

 

離したくない

離れたくない

でも 離れなきゃ

 

チェヨンはウンスの頭を

片方の大きな手のひらで

包むように押さえると

ウンスのおでこに

ちゅっと口づける

チェヨンの胸の当たりを

掴んでいたウンスのこぶしに

きゅっと思わず力が入った

 

 

そんなにかわいいと

食べたくなる

 

 

馬鹿

 

 

今はおでこで我慢するか

 

 

チェヨンは自分に

言い聞かせるように

呟いて

もう一度ぎゅっとウンスを

抱きしめると

ウンスの手を引いて

歩き出した

 

 

*******

 

 

『今日よりも明日もっと』

大人の恋に憧れる

でもまだもう少し

このままでいたい

 

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☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*

 

 

二人の初恋物語

夕餉までの道のりも

遠い〜(*゚ー゚)ゞ

 

おつき合いいただき

ありがとうございます

 

 

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