講義が終わり

急いで大教室を出ていくウンスを

ワン・へはひっそり見送った

少し前まではウネと三人

一緒のランチが当たり前だった

だがもちろん

ウンスがチェヨンと

付き合いだしてから

それはなくなった



幸せそうな顔しやがって



ワン・へはぼやく



医学部の校舎を出てすぐの

大きな木の下に

もたれるように

座っていたチェヨンは

ウンスに気づくと

たち上がって振り向いて

ほっとしたような顔をした


いつかどこかで見たような

デジャブみたいな感覚に

懐かしさが蘇る

それが何なのかはわからないが

ウンスはチェヨンのそばに

駆けて行った



お待たせ



ああ   待った待った

四年待ったくらいの気分だ



チェヨンはウンスの

手を握り笑った



大袈裟ね

小一時間じゃない

お腹空いたなら

先に食べに行ってもいいのよ

私はウネを誘うから



ウンスが言うと口をへの字にして

言い返すチェヨン



一人で食べても味気ないし

一緒に食べたかった

今日は弁当も作れなかったんだろ?



手ぶらのウンスに尋ねた



うん

今日締め切りのレポートの提出が

あったから   寝たの遅くて

朝ごはんも手抜きだった



ウンスは舌を出した



そっか

で   レポートは無事に出せた?



うん

大丈夫



チェヨンは優しく微笑んで

手を繋ぎ歩き出す

ウンスはやっぱり恥ずかしくて

手を引っ込めようとすると

逆に握り返された

四つ年下の彼は

妙に大人びたかと思うと

懐くようにジャレてきて

ウンスは翻弄され続けている

繋がる手のひらが暖かい



あ   あのね



ウンスは黙っているのも

落ち着かなくて

チェヨンに切り出した



なに?



少しだけ前を歩くチェヨンが

ふわっとウンスに振り返り

首を傾げて笑いかける

その笑顔は反則

目が離せなくなりそうだ 

ウンスは慌てて次の言葉を探した



明日   講義昼からないの

先生がお休みで

だから

だから   時間あるの

夕飯食べに

うち   来ない?



たったそれだけ

それだけ誘うだけなのに

どきどき

どきどきして

ウンスの頬は赤い



ウンスや

顔    赤い



意地悪チェヨンがからかうように

ウンスの頬を人差し指で

つついてうれしそうに言った



知らない!

そんなこと言うなら

来なくていい



すぐに意地を張るあたり

大人気ないのは自分の方だ



行くよ

行く  行くに決まってるだろ

毎日お誘い待ってたんだから

ウネさんは?



一応お誘いしたんだけれど

デートみたい

気を利かせてくれたのかも



そっか



ウネも少し前から付き合い始めた

学部の先輩と順調なようで

今度ダブルデートをしようと

言われていた

まだチェヨンには言ってないけど


大学のお昼時

学食もカフェも混んでいて

席が見つからない

二人は売店でキンパの弁当と

お茶を買って空いてるベンチに

腰を下ろすことにした

さっとハンカチをウンスの

座るあたりに敷くチェヨン



ありがとう



お姫様扱いには

慣れてないから少し戸惑う

二人並んで食べる外ランチ

少し冷たい風も

そばにチェヨンがいれば暖かい



これじゃあ   

お腹空くんじゃない?

食べ盛りなのに



心配するウンスに笑った



大丈夫



けれどやっぱり

弁当はあっと言う間に

食べ終わり

チェヨンは膝貸してと

ベンチの上に寝転んだ



ちょっと人が見るわ



気にしなくていい



膝の上に感じる頭の重み

腕を組んで目を閉じるチェヨンの

長いまつげが風に揺れた



ねえ



なに?



やっぱいい

なんでもない



気になる    言って



チェヨンは目を開けて

ウンスを見つめた



う・・・ん

じゃあ聞いていい?



どうぞなんでも



聞いたの

チェヨンは

大病院の跡取りだって



それで?



だから

私   釣り合わないよ

庶民だもの

家柄にふさわしくないもの



は?じゃあ

俺がもし跡取り息子なら

付き合いやめる気?



チェヨンの口調がとんがって

聞こえた



そうじゃないけど

自信がないの



なんで?

ウンスはウンスのままで

自信を持って大丈夫だろ

医者になるために

勉強頑張っているし

一生懸命だし

いつもよく笑うし泣くし

目が離せないし

とにかく

俺はウンス意外

考えられないから



うん



それに

普通逆だろ?

大病院の跡取りだから

近づく奴はたくさんいたけど

ウンスらしいな



私は大病院の跡取りとか

そんなことで

好きになったんじゃないもの

あなただから好きになったの

でもふっと思うのよ

年上だけでも気が引けるのに

その上家柄まで



それ以上くだらないこと

言うなら

その口塞ぐぞ



チェヨンは急に起き上がり

ウンスの唇に唇を重ねた

二度目の口づけは不意うちで

柔らかな感触に頭の中が飛んで

目を閉じる暇もない

目の前にはチェヨンの顔

照れ臭いウンスとは違って

チェヨンは

なにごともなかったように

ベンチの隣に座り直すと

ウンスの肩を抱き寄せた



俺の方こそ自信がない

ウンスを誰か他の奴に

とられないかって

俺   まだ餓鬼だし

ウンスは俺のこと

頼りないと思ってるんじゃ

ないかって心配になる



そんなこと一度も

考えたことなかった

うふふ

チェヨンみたく完璧な男でも

そんなこと思うの?



ああ   誰かさんのせいで

寝ても覚めても心配ばかりだしな



過保護!



悪いか?



うふふ



明日   楽しみだ



チェヨンの笑顔に撃沈した



*******



『今日よりも明日もっと』

自信がないのはお互いさま

まだ駆け出しの恋模様


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☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*


現代版   ゆるゆる更新中です

また

お付き合いくださいませ



新しいエディタの行間に

まだ慣れませぬ〜( ´(ェ)`)


 

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