イムジャ企画の続きを
お届け致します

全部で高麗篇は4まで
続きそう
お楽しみいただけると幸いです
ではイムジャ企画を
どうぞ


*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆


「休みの日に」


外は雨が降っていた
このところ高麗も秋雨の日々

せっかくのお休みなのに
出かけることもできず
なんとなくごろごろ


イムジャ
如何した?


卓に突っ伏したウンスの頭を
愛おしそうに なでながら
心配そうにチェヨンが尋ねる


なんでもないわ
こう毎日雨だと憂鬱で


ふんわりうしろから
まとわりつくチェヨンの腕
暖かな腕の中で
ウンスは安堵しながら答えた


俺はイムジャがそばにいれば
雨でも雪でも構わぬが?
イムジャのいるところは
どこでも居心地が良いぞ


ヨンたら・・・


今日は一日
俺のイムジャを
ずっとこうして抱きしめていたい


チェヨンの声が耳元で聞こえた
しとしと降る雨音が
なんだか心地よかった



*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆


新婚の二人を
うんと甘えさせたいと言う
リクエストにお応えして・・・


「里帰り」


母上 ただいまもどりました


息子夫婦が屋敷にひさしぶりに
顔を見せた


リヨン 飯の支度はできておるか?


夫も弾んだ声でリヨンに尋ねた


抜かりなく準備しておりますよ
ヨン ウンスさん
さあさあ まずは風呂へ
ゆっくり疲れをとりなさい


そんな お母様を差し置いて
陽の高いうちからお風呂だなんて


よいのです
あなたたちにどんなことを
してあげようかと
いろいろ考えて
楽しみにしていたのです


風呂上がりの夕餉の膳
豪華な刺身や
チェヨンの好きなカジナムルや
野菜の煮付け
そしてウンスの好きな
牛肉にチェメに菓子が
広い卓の上に所狭しと並ぶ


すごい!


さすがのウンスも絶句している


そうかい?
気に入ってもらえてよかったねぇ
たんと召し上がれ
ヨン お父様とほら


杯に注がれた酒に
にこにこと笑う母の顔が映る


なんだか至れりつくせりで


恐縮したウンスにリヨンは
言った


かわいい子供たちが
久しぶりに里に帰ってきたときくらい
うんと甘えていいのですよ
それが親の幸せでもあるのですから


リヨンの優しい微笑みに
チェヨンは言った


母上は変わらぬなぁ
幼き頃よりずっと
こうして温かかった


食卓に立ち上る湯気に
幸せが揺れていた


*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆


「看病」


もう二日目だ
熱が下がらぬではないか
侍医の見立てが
誤りなのではないか?


ウンスが寝込んで丸二日
周囲が呆れるぐらいの
過保護ぶりで
片時もそばから離れず
看病しているチェヨンは
心配そうにため息をついた


大丈夫よ
忙しかったから
体力が落ちていたの
そこに風邪
それでこじれたの
暖かくして寝ていれば
時期に熱は下がるわ


運ばれてきた湯薬(タンヤッ)を
なんとか飲み干すウンスは
苦そうな顔をして顔をしかめた


苦いか?
だが飲まねば
治らぬ


わかってる
私も医者よ 
ちょっと疲れがたまって
長引いているだけなの


ならば俺の気を分けよう
疲れにはよく効くぞ


でも 今は運気調息するほど
元気がないのよ


こうすればよいのだ


チェヨンはそっと
ウンスの唇に触れる
暖かな感覚が体全体に広がって行く


イムジャが元気でないと
俺まで胸がくるしくなる
早う元気になれ


チェヨンの優しさが一番の
薬だとウンスは思った



*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆


「いむりゃヨン」


ウンスは毎日忙しい
役目を抱えていた
典医寺が抱える
新しいプロジェクトの
ちーむ長で誰にも弱音を吐けない
皆の前ではニコニコ笑顔で
チェヨンの前でさえ心配を
かけないようにと
我慢していた


そんなウンスの様子になど
とっくに気がついているチェヨンは
どうしたらウンスが
本音を言って
素直になれるか考えていた


テマン やはりあれしかなかろう


え?テジャン本気ですか?


ああ ウンスの気持ちを
楽にしてやりたいのだ
あのお方は強がるお方ゆえ


は はあ・・・


単にチェヨンがウンスに
甘えたいだけなのではないかと
テマンはふとそんな気がしたが
怒られそうなので
黙っていることにした

チェヨンはテマンが呆れて
見守る中
勢いに任せて酒を煽り続け
愛しいウンスの待つ屋敷へと
酔っぱらって帰る


いむりゃ〜いま かえったどぉ〜


もう またこんなに飲んで
明日早いのよ
酔っ払いの相手なんて
していられないわ


つめたいりゃないか〜いむりゃ
おれがどんなきもちで〜
いむりゃはいそがすすぎるのりゃ
おれにあまえろ〜
もっと すなおにまれ〜


え? うふふ
もう ヨンたら
そんなこと言ったら
甘えちゃうわよ
いいの?


ああ ああ
いむりゃ〜
いむりゃがたいせつなのりゃ〜
ずっとお そばにおるぞ〜〜


大柄なチェヨンを
抱きかかえ奥へと運ぶ


どっちが素直じゃないのよ
心配なら心配って
素直に言えばいいのに〜


ウンスは口元を緩めた


おかげてなんだか
ホッとしたら力が抜けた
正面突破が好きだけど
たまには変化球もいいものね


チェヨンの目が
優しく頷いている



*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆


喝をいれられ
なおかつご褒美が欲しいという
リクエストにお応えしました


「ちけっと?」


しっかりせぬか!!!
そなたがそのように
グダグダしていて如何するのだ
他のものに示しががつかぬでは
ないか!!!!


だって わたし
毎日頑張っているもん
でも疲れちゃったの
元気が出ない・・・


しょうがないなぁという
顔をして
チェヨンはおもむろに
天女の目の前にひらひらと
懐から取り出した紙をかざした


お これはなんだ?
そなたが好きな歌手とやらの
らいぶの入場券とやら?
ではないのか?
残念だ 元気がないなら
これには行けぬな
なにせ天界
ちと 遠いゆえ


え?えええええ?
あれ?私 すっかり元気


げんきんなやつめ
まあ よい
俺はそなたが元気でないと
なんとのう 落ち着かぬ
よかった 笑顔になって


ちけっとをげっとした
天女はすっかり元気で
にんまりと笑った


*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆


「家出」


もう ヨンなんて知らない
食べ過ぎてなんかないもの
それに何よ
重いって
別にお姫様抱っこなんて
してもらわなくてもいいもの


ウンスは些細なことで
チェヨンとけんかして
屋敷を飛び出した


食欲の秋
確かに美味しい物ばかり
頂き物のぶどうや柿
お菓子もいろいろ
ちょっと食べ過ぎ・・・
そしてお腹を壊した

ウンスの心配をするチェヨンは
「食べ過ぎだ
そのくらいにしておけ
太ると重くて敵わぬぞ」
冗談のつもりでいったのだが
お腹周りのお肉を気にしていた
ウンスにはショックだった


もういい!


そう言って飛び出した
でも 考えてみたら
行く当てもない
屋敷の影の木の根元に
ジョンボリ座って空を眺めた


だってチェヨンといると
なんでも美味しく思えるのよ
だからつい ついね
でも 私が悪かったわ


と 独り言


まったく イムジャは
素直じゃないな
俺の素直じゃないから
お互い様か?


チェヨンが座り込んでいる
ウンスの横に並んで座って笑った


気をつける
もう食べないわ


そうではない
ウンスがうまそうに食べるのを
見るのは幸せなのだ
だが 腹を痛めて苦しむ
ウンスを見るのはもっと辛い
イムジャには
笑顔でいて欲しいから


うん


では 屋敷に戻るぞ
此処にいては風邪を引く


家出 するはずだったのに


ウンスはしょんぼり


何処に隠れても
俺はウンスを探し出す
だから 無駄なことはやめろ


チェヨンの言葉は無愛想
でもとても温かく響いた


*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆


飼い猫ちゃんに翻弄されている
リクエスト主様が
ウンスが猫みたいにヨンを
翻弄する所をと・・・
頂いたリクにお応えして・・・


「猫ウンス」


寝癖でくしゃくしゃな
髪をして
すりすりすりよるイムジャ


ヨン
なでてぇ


甘えるイムジャの
あたまをなでなで
背中をなでなで
首筋をなでたら
喉を鳴らした

イムジャは猫?
俺を惑わすかわいい子猫

イムジャは気まぐれ
あっちへふらふら
こっちへふらふら
屋敷の中でさえ
ふわふわしていて
危なっかしいから
外には出せぬ

なのに気づくといつも
いなくなる

イムジャ
イムジャ
と 探し回る俺の身にもなれよ

飯もそうだ
あれは嫌
これは苦手
あっちがいいと
わがまま放題
まったくイムジャは
幼い子供?
いや気持ちの赴くままに
生きるやっぱり猫だ

柔らかな髪
なだらかな肩
しなやかなからだつき
甘えた猫撫で声

俺を翻弄する愛しい子猫
イムジャ
たっぷり
今夜も可愛がってやる


*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆


「テジャンとプジャン」


天女に懸想した
いけないことだと
わかっていたが
テジャンとともに天門を
くぐりこの地に降り立った
天女に恋をした

俺はプジャン
チェヨンテジャンに忠義を
誓い
テジャンのためなら
どんな苦労もいとわない
この俺が天女だけは譲れない

天界から来た天女は
キ・チョル達高官に
妖魔だ 悪魔だと罵しられ
目にいっぱいの涙をためる


大丈夫ですか?あんな戯れ言
気にしなくってもよいのです
咄嗟に庇う俺


これがここでの医仙の立場
泣いてどうする?
負けてどうする?
潰しにかかる奴らの思う壺
咄嗟に突き放すテジャン


うん そうよね

負けない
泣かないわ
強くなりたい
この国でこの時代に
生き抜く力が欲しい


天女は前を向いて言った


三歩離れずにイムジャの
そばにおります
だから逃げるな
俺から離れるな


ウンスの頬は
みるみる赤く染まる


やっぱりテジャンには
敵わない
器が違う
やっぱりテジャンは
俺の目標だ


チェヨンの背中が
いつも以上に大きく感じる
チュンソクだった



******


いろんなイムジャを
お楽しみいただけたら嬉しいです


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