肌恋しい秋
チェヨンの腕の中で
目覚めたウンスは
じっとその寝顔を見つめた

あの木の下で再会し
結婚して妻になり
お腹に子供を宿して
その子が生まれ
もうすぐ一年になる

この腕の中はいつも変わらず
大きくて暖かい
寄り添うだけで幸せになる
ただそばにいるだけで

チェヨンの胸板に
顔をすり寄せた
互いに何も身にまとわぬまま
夜を越えた柔肌が愛しい

暖かな肌
どくんどくん聞こえる胸の音を
聞いていたら
チェヨンにぎゅっと
抱きしめられた


起こした?


いや   


背中をなぞるチェヨンの
手のひら
ウンスは目を閉じた


ヨン・・・


囁くように呼ぶ声
愛してると聞こえる声
おはようの代わりの
口づけだけでは物足りない
チェヨンの吐息が
首筋を伝う


ヨン・・・


甘い調べに誘われて
夢中で抱き寄せた

触れるすべてが恋しくて
朝だというのに
まだ離せない


タンが起きるわ


そうだな


自分を戒めるような
ウンスの言い方
そのくせ背中に回した腕に
力がこもる
離せないのはウンスも同じ

天界で出会い
高麗で愛を誓い
切ない夜を幾夜も越えて
やっと手にした幸せな時


チェヨンが愛しい
だだそれだけ

ウンスを愛してる
これからもずっと


二人の宝物がもぞもぞ
し始め
表からは元気な子犬の声がする
ヘジャがそろそろ
起こしに来る時刻


また朝が来た


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『今日よりも明日もっと』
朝日が昇り
一日がはじまる
当たり前のことに感謝






また
おつきあいくださいませ