真っ逆さまに落ちるタン
悲鳴を上げたのは
その場にいた薬員だった
武閣氏の二人も固まったまま
動けない

ぼふっ
と言う音が聞こえた

すぐさま駆け出した
チェヨンの腕の中で
タンはきょとんとした顔


よん?


タン   危ないではないか
やんちゃが過ぎるぞ


あうあうあ


タンはヨンの腕の中で
ジタバタすると
ウンスに手を伸ばす


イムジャ
此処は兵舎
タンを連れてきては
ならぬ
周りにも迷惑がかかる


うん   ごめんなさい
みんなも驚かせて
ごめんなさいね


ウンスはしょんぼりと答え
それから
気持ちを切り替えるように
声をかけた


さあ   新人さんは
検診しましょうか?
一列に並んで
オ先生    お願いね


はい   医仙様
それにしても
医仙様は冷静だ
普通の母親ならば
泣き叫んでいるかも
しれない状況でしたよ


そお?
近くに夫がいたもの
あの人なら
絶対    
タンを守ってくれるから


ウンスは頼もしい夫を
見つめた
チェヨンはアムと話すウンスに
少しばかり悋気しながら
ウンスを見つめ返し
若い隊員の手前
それを悟られぬように我慢した

タンは何事もなかったように
兵舎の中を歩きまわり
チェヨンがその後ろをついて
歩いている

タンが何か
いたずらしそうになると
チェヨンは首根っこを
つかんではひょいと
持ち上げる

チュンソクがその様子を
目で追って
息子のミョンも
すぐにあんな風になるだろうか
と   目を細めた

テマンはぼんやり
チェヨンとタンを見ていた

転げ落ちた若様を見た時
心臓が潰れるのでは
ないかと思った

医仙様の会話に一瞬
気を取られ
あっと思った時には
もう!落ちていた

テマンは自分の頭を
自分で叩いた

気をつけろって
言われてたのに
若様は上護軍の命だ
それを一瞬でも
目を離すなんて
こんなしくじり許されない

チェヨンのことを
誰より何より大切なテマンは
自分の愚かさが許せず青い顔

その様子をヘミが
心配そうに見ている

トクマンが
テマンの近くに来て


良かったな 
若様    怪我しなくて


テマンの肩をトンと
叩いた


ああ   でも俺


テマンは自分のことを
責めるような気持ちで
兵舎からそっと抜け出して
行った


問診をウンスが
触診はオ・アムが担当し
流れるように
検診は終了したようで

以前  トギと来た時は
どの隊員がかっこいいとか
あいどる顔だとか
話していたが

さすがに男の医員とは
そのような話も出ず
聞き耳立てていたチェヨンは
幾分安心し
ウンスに声をかけた


イムジャ
典医寺に戻るのか?


ううん
このまま帰るって
チェ先生には言ってある


そうか
では集賢殿で待っておれ
俺も仕事を片付け
一緒に帰るゆえ


ほんと?うれしい


ぱっと輝いたウンスの顔に
兵舎の中が一気に華やいで
隊員達は釘付けになる


お前ら
何見てる
我が妻を見るな
鍛錬に戻れ


チェヨンはやはり我慢出来ず
ひと睨みを効かせると
隊員達は慌てて逃げ出した


そんなこと言わなくても
別に誰も見てないわ
減るもんじゃないし


いや!減る


即答する相変わらずの夫が
うれしくもあり
ちょっぴり照れて笑った

タンはチェヨンに
抱き上げられて
ウンスに渡され
ウンスの首に腕を回して
くたりと甘えている


まままま〜


タン   さっきは泣かないで
偉かったね
でも
あんまりびっくりさせないでよ


あう〜


さあ父上と一緒に
集賢殿に行きましょうか?
あれ?テマンは?


さあて?またどこか
ふらふらしているのか?
まったくしょうがない奴だ
そのうち戻るであろう?


チェヨンはあまり
気に留めずに
兵舎を後にした


兵舎の門のそばにある
銀杏の木が
わずかに
黄色く色づいていた


*******


『今日よりも明日もっと』
失敗は誰にでもある
その時何を思うかが
次の歩みに繋がるはず




☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*


ヨンがいるから大事には
至りませんでした
ご心配おかけしてミアネヨ

トルチャンチの頃は
ほんとに目が離せない頃

タンが怪我しなくて
良かったけど
テマンは
なにやらショックな様子?

また
おつきあいくださいませ

ネタバレ注意で
前話のコメをまだ
お返し出来ておりません

後ほどお返しいたしますので
お待ちください〜 m(_ _ )m


安寧に
お過ごしくださいますように


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