あ~~ん
あ~~ん
うわ~~ん   
ひくっひくっひく


ウンスが恋しくて
タンが派手に泣き始め
泣き声を耳にした
ヨンファたち夫婦は
ウンスの見送りを辞退して
明日改めて伺いますと
帰って行った

急ぎタンの泣き声がする
奥の間に向かったウンス
チェヨンは泣いているタンを
抱っこしてはいたが
取り立てて困った素振りは
していなかった


タン
やっと   母上だ
よう泣いたなぁ
タンはいい子だ   
いい子だぞ


は?
まさか   帰らせるために
わざと
泣かせたんじゃないわよね


そのようなこと
埒もない


チェヨンは
鼻で笑ってみせた


怪しい!
タン    おいで
そんなに泣いたら
鼻の頭が赤くなるわ


ウンスはチェヨンから
タンを受け取ると
小さな鼻先にちゅうと
口づけた


待っていたのは
俺も一緒だ


ヨンは赤ん坊じゃないわ
ほんとにしょうかない人
なんだから


父子二人してへの字口
ウンスは苦笑するしか
なかった


タンにお乳をあげなくちゃ
ヨン    閨に行きましょう


ああ


少しふてくされた様子で
チェヨンが答えた
ウンスは肩をすくめて言った


ごめんね
明日   出かけることに
なっちゃったわ


ああ   聞こえていた


せっかくまったり
過ごせると思っていたのに


まあ   仕方あるまい


ねえ
ヨンも一緒にお出かけ
しましょうよ
タンも連れて   ね?


そうしたいのは
山々だが
実は明日    叔母上が
遊びに来ると言っていた


えー
早く教えてよ
知っていたら明日の予定
断ったのに


いや   よいのだ
タンの顔を見に来るだけと
言っておったから
だがイムジャは大丈夫か?
ついて行けぬ方が心配だが


相変わらず
過保護なんだから
それは大丈夫よ
キムさんが警護も
つけてくれるって言ってたし
ヨンファもいるんだから
それにしてもヨンファも
素敵なことを思いついた
もんだわ


先ほどのヨンファの
話を思い出し
ウンスは微笑んだ


そうだな
イムジャも
安心したであろう?


うん


ウンスはタンを肌着に
着替えさせ
閨の寝台に腰掛けて
衣の合わせをぐっと広げて
タンに乳を与えた

チェヨンは夜を
待ちきれない様子で
じっと
ウンスの白くて丸い
豊かな胸を見ている


やだ   そんなに
じっと見ないで
照れちゃう


もう十分お預けを
くらったのだ
見るくらい構わぬで
あろう?
それにイムジャが紅などで
煽るから


ふふふ


ウンスは微笑んで
チェヨンの顔を見た
自分を見つめる
チェヨンの瞳が
すでに熱を帯びている

今から起こることに
ウンスは胸が高鳴って
何度経験しても
ドキドキが止まらない

あの逞しい腕の中で
幸せな時を過ごし
女としての悦びを感じる

泣き疲れと満腹とで
タンはすぐに夢の中

起こさないように
そっとそっと
ウンスは
タンの寝台にタンを
寝かしつけた


寝たわ


ウンスは
跳ねる野うさぎのように
チェヨンの元に戻って来た

やっと恋しい妻と肌を
合わせられると
チェヨンも高まる期待に
胸躍り
腰掛けたウンスを
ぎゅっと抱き寄せ   
深く口づけを交わした
それから
ゆっくりとウンスを押し倒す

互いの瞳には
互いの姿しか映らない


イムジャを待つ一日が
ひどく長く感じた


チェヨンはウンスの
髪を撫でつけながら
その額に口づけを落とす


うん   私もよ


ウンスの腕が
チェヨンの背中に絡みつく
すっかり火がついて
昂ぶる気持ちを
抑えきれなくて
チェヨンがウンスの胸に
顔を埋めた瞬間


うあ~~ん
あん  あん


タンの泣き声


あれ?起きた?
かな?


ウンスがタンの寝台を見ると
タンは二人を見つめて
また泣いた


あらら
タンが起きてるわ
ちょっとヨン
離して    離してったら


ウンスは
チェヨンの腕をすり抜け
タンに
駆け寄り抱き上げた


どうしたの?タン?


タンは寝付けないようで
なかなか
泣き止まない
そんなタンの様子に
チェヨンは
大の字に寝転ぶと
天井を見つめ
ふうと息を吐き出した


昨夜から
どうにもついてない
いつになったら
イムジャを
我が手に出来るのか?


甘い夜とは   ほど遠い
タンの夜泣きが
閨に響いていた


*******


『今日よりも明日もっと』
思い通りにならない時は
違う角度で覗いてみたら
また違う何かが見えてくる



☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*


あらら  (;^ω^A
タンの夜泣き!
昨夜も今宵も遅くまで
大人におつきあいした
せいかしら?
ヨンも泣きたい気分かも

あまあまな夜を
二人に届けてあげた方が
いいかしら? (〃∇〃)