あら ポムじゃない


ウンスは門のところで
お供の女中ソルリと一緒にいる
お腹の大きなポムを見た


はい 医仙様
ポムにございまするぅ~


どうしたの?
朝から?


そろそろもう一度
寝ようと
目論んでいたウンスは
ポムに尋ねた


今日は医仙様お一人で
お休みと旦那様から
伺ったのでする
医仙様が退屈してないかと
思って
遊びに来たでする~


まあ チュンソクさんたら
なんでもポムに話すのね


ウンスは苦笑した


あたりまえでする
夫婦に隠し事はなしでする
それに
ポムが毎日
今日の医仙様は
お元気でしたかって
伺うから
教えてくれるんですぅ
へへへ


ポムは人なつっこい顔で
笑った
それから庭を掃いていた 
オクリョンに
目をやると声をかけた


あ オクリョンだ
もうお屋敷勤めは慣れたですか?


あれ?ポムはオクリョンと
知り合いだっけ?


ウンスは不思議に思って聞いた


数日前に来た時に
会ったでするよ
医仙様はいらっしゃらなかった
でするけどぉ~
ヘジャには会いました
ヘジャ 医仙様に言ってないの?


そばに控えていたヘジャが
慌てて言った


そういえば
お伝えするのを忘れておりました


ふ~ん
あのときのヘジャ なんだか
様子がおかしかったでする
落ち着かないような
そわそわしたような
まるで誰かに懸想したみたいで


ヘジャの口元がぽかりと開いた


うふふ
ポムにからかわれているわよ
ヘジャ    どうする?


ウンスは厨房の屋根に上がり
雨漏りの箇所を直していた
ソクテをちらりと見てから
話を続けた


そうなのよ    ポム
今ね ヘジャは恋をしてるの


えええええ~
恋でするか?
おおおおお
お話しを聞きたいでするぅ~


奥様 からかわないで
くださいませ
ポム様 
奥様の戯れ言にございます


え~ でも聞きたい~
相手は ねえねえ
誰でする?
ああ 前に言ってた
饅頭屋の美男子な旦那さん?
それとも まさか
うちの旦那様はダメでするよ


ポムの言葉に
ウンスは笑って言った


ヘジャが
チュンソクさんを
誘惑するわけないでしょう?
ねえ ヘジャ?
あらあ
饅頭屋さんは美丈夫なの?
今度連れて行って貰おうかしら?
あ    でもヨンには内緒よ
ヤキモチ妬くから
そう言えば昨日
饅頭を買ったって
いってなかったっけ?


ウンスの楽しそうな
お喋りにタンは
ウンスの口に手を伸ばし
小さな指でつまもうと
している


奥様
ヘジャのような年寄りを
つかまえて何を言われます


ヘジャは頬を染めて俯いた
その仕草はまるで
少女のように見えた
屋根の上からソクテが
なんとはなしに
気にしているように
ウンスには思えた


ポムは美丈夫より
お饅頭がいいでする
お腹の子供が欲しがりまする
ヘジャ お饅頭はまだ
あるんでするか?


ああ そう言えば
私も昨日は食べ損ねたわ


ウンスもヘジャを見た


はい まだございます
ヘジャにお任せを
もう一度蒸かして参りますね
奥でお待ち下さい


ヘジャ
みんなにもあげてね
休憩にしましょう


は~い
ソルリ 
みんなと休憩して
待ってておくれ


ポムは勝手知ったる
ウンスの屋敷の中を
どんどんと歩いて行った


━─━─━─━─━─


チュンソクは昼になっても
部屋にこもったままの
チェヨンに一応やんわりと
声をかけた


そろそろ
康安殿に向かいませんと
王様がお待ちです


あ?もうそんな時分か?


チェヨンは顔をあげて
チュンソクを見た
山積みだった上奏は
きちんと仕分けされ
それぞれの問題点や意見を
大まかにまとめた書が
出来上がっていた


あの数を全部?


ああ
これくらい
本気になれば容易いこと
だが
もう明日の分は知らんぞ
お前の義兄
パク・インギュの処へ
持っていけ
とにかく明日は休みだ


チェヨンは厳しい顔で言った
チュンソクは余計なことは
言わずに


まずは康安殿に急ぎましょう
王様がお待ちです


と   告げた


康安殿にはすでに
ポムの兄
パク・インギュの姿があった

山積みの上奏文を携え
部屋に入ってきた
チェヨンを見ると
満足そうに頷いた


王様
某の申し上げた通り
此度の宴の総責任者は
やはりチェヨン大護軍を
おいて他にはおりません


は?なんの話だ?
そのような話
聞いておらぬ
朝から上奏が絶えぬから
おかしいと思っておったが
またそなたの差し金か?
俺は武官
政には関わらぬ


あなた様の能力を
放っておくほうが
この国の損失
王様    王命を!


王様はチェヨンが
政から一線を引きたがって
いることを十分承知していたが
かねてより
チェヨンが政にも携われば
腹心の臣下として
どれほど心強いかと思っていた
王様は
困った表情をしたチェヨンに
ゆっくりと尋ねた


明日は暇乞いを申しでている
そうじゃな


はい    王様


ゆるりと休むがよいぞ


はっ
有り難きお言葉
では
某はこれにて


いやいや
待て待て


はあ?


大護軍ともあろうものが
まさか休んでおいて
国に忠誠を尽くさぬはずは
なかろうな?


は?


任期は短いゆえ
文官の役目も兼任してみよ
無事に宴が終われば
また武官のみに戻ればよい
ではないか?


何をおたわむれを
御免被る
某は武士に誇りを持って
おります


仕方がないのぅ
なれば王命じゃ
大護軍チェヨン
尚書省礼部(サンソソンイェブ)
特別尚書に任ずる
なお此度の祝賀の補佐として
パク・インギュを同じく礼部の
侍郎(シラン)に任ずる


はあ?王様!
お戯れが過ぎます


いや   公主の祝賀なれば
そなたに任せたいのじゃ
大護軍の妻医仙がいなければ
授かることがなかったかも
知れぬ公主じゃ
だからこそ大護軍
そなたに
引き受けてもらいたいのだ


王宮でまさか
ポムの兄とチェヨンが
そんなことになっているとは
つゆ知らず

その頃   ウンスとポムは
ヘジャを交えて
ふかふかの饅頭を頬張りながら
恋バナ談義に花を咲かせていた


*******


『今日よりも明日もっと』
それがあなたの道ならば
一緒に歩む覚悟は出来てる



☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*


あら   一気に昇進(;^ω^A
かなりの大出世?
祝賀ムードのご愛嬌ってことで
史実無視をお許しを  m(_ _ )m

屋敷では
ガールズトークに花が咲く
ヨンファも来ないかなぁ
チェヨンはまだ帰れない!
(^▽^;)

また
おつきあいくださいませ


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