高層アパートの欄干に
さらさらと
粉雪が降り積もる
なんども訪れている
チェヨンの高級アパートから
外を眺めた


雪が降ってるね


大きな窓の外は雪景色
チェヨンの部屋は暖かく
外の寒さが嘘みたいに思えた

はあっとガラスに息を
吹きかけたら
あっと言う間に白く曇った


寒くないか?


チェヨンがそばに来て
後ろからウンスを
ふんわり抱きしめる


うん   大丈夫
ヨンの腕の中は
あったかいから


自分の前に回る
チェヨンの
腕をさすりながら
ウンスは甘えた

山頂のレストランの灯りが
部屋の窓から見えた
登っていくロープウェイが
赤い光を点滅させている
山頂から見た光の窓の一つに
今    ふたりはいる


ウンスはふふっと笑った


どうした?
思い出し笑いか?


だって   
どんな顔してあんな
メルヘンチックな絵本を
描いたのかと思ったら
おかしくて


ウンスが言うと
チェヨンが照れ笑い


それに


それに?


プロポーズ
うれしかったの


チェヨンがはめてくれた
きらっきらの指輪を
かざして見て
幸せそうに微笑んだ


ずいぶん
待たせた気がする


そんなことないよ


チェヨンは思い出すような
顔をして言った


あの日   
奉恩寺の石仏の前で
偶然   会った時
ウンスは泣いていただろう?


うん
あの石仏見ると
忘れちゃいけない何かを
感じて   なんでか?
いつも泣きたくなるの


ウンスは
腰掛けたソファーの隣
チェヨンの肩に
頭を預けて微笑んだ


俺もなんだ


え?チェヨンも?


ああ
あそこで誰かに
呼ばれてる気がして
いつも素通りできなくて
そしたら   
ウンスがいた


不思議ね
あの石仏は縁結びの仏様
なのかしら?


そうかも知れんな
少なくとも
俺はそうだ
ウンスの泣いてる顔に
惚れたから
こいつが運命の女だと
あの時   思ったから


チェヨンは愛しいウンスの
手を引いて
部屋の真ん中にある
革張りの大きなソファーに
腰を下ろした

目の前にはスクリーン
プロジェクターには
ウンスの好きな高麗時代の
ファンタジードラマが
映し出されている

チェヨンの肩にもたれながら
ウンスはぼんやり考えた
カーステレオから聞こえたDJ
あれは夢かな?幻聴かな?
チェヨンは聞いてないって
言ってたし

でもあの時
確かに聞いた
王妃様   チェ尚宮様
ポムちゃんにウダルチに
チュンソク隊長
懐かしい名前だった

ああ   そうか
さっきのラジオから
流れた名前は
このドラマの人に似ているわ
だから
聞き覚えがあったのかしら?
ウンスはそっかあと
一人納得した

目の前にはシャンパングラス
金色にしゅわしゅわ輝いている

口をつけると
ほんのりフルーティな味がした

つまみはチーズに巨峰に
メロン
チェヨンが綺麗に
青い高麗青磁に盛り付けた
こういうところは
とっても器用だ

巨峰が欲しいと
ウンスがねだると
チェヨンが
口移しで運んでくれる

葡萄とシャンパンと
キスの味

ウンスはごくりと
飲み込んだ
今宵は
ひときわ甘い気がする

ウンスの肩を抱いてた
チェヨンの指先が
悪ふざけしに
ウンスの胸に伸びてくる


まだ  駄目よ
シャワーも浴びてないし


ウンスが困ったように
言うと


構わないさ
あとで  一緒に浴びれば


もう少し
ゆっくりしていたいのに


ベッドでも
ゆっくり出来る


嘘つき
ゆっくりさせて
もらったこと
ないわ


チェヨンはウンスの言葉に
くっと笑うと
ウンスを腕に抱き上げ
隣の寝室へと運ぶ
長い夜になりそうだ

ウンスのなまめく声が
プロジェクターから流れる
しっとりしたドラマの曲と
重なって
チェヨンの耳に優しく届いた


もう  離さない


チェヨンの熱い吐息が
ウンスをなぞるように
降り注ぐ


外はしんしんと雪が舞い
恋人たちが
肌を暖め合うには丁度よい
ホワイトクリスマスの夜が来た


********


『今日よりも明日もっと』
優しい雪がすべてを包み
幸せな時を刻む



☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*


なんとか?クリスマスに
間に合いました
シンイdeめりくり  三部作
お楽しみいただけたかしら?
ドキドキ (*^.^*)

明日は週末
いよいよ年末
いっそう
慌ただしくなりますね~

皆様
安寧にお過ごしくださいませ




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