桐林の山道から
王宮へ戻る途中

愛馬チュホンに
チェヨンと一緒に
跨ったウンスは
口をとんがらせて言った


私   まだ
一番大事なこと
あなたから
聞いてないわ


は?


私はあなたに
あなたが好きだって
告白したのに
あなたからは
何も言われてないもの


離さぬといいました


納得できない顔で
ウンスは言った


それじゃあ
わかんないわよ
私のこと好きなのかどうか?


困ったお方だ
嫌いな奴に離さぬなど
言うわけがなかろう


素直じゃないのは
どっちよ
一言
私が好きだって
それで済むのに


それを今
ここで?言えと?


ウンスの頭は何度も
こくこくと頷いた
横を並んで走るトルベが
にやにやと
チェヨンを見ていた


某の体面も考えて
くださらぬか


あら   私は体面も
何もかも捨てて
ソウルから戻って来たのよ


つんと顎を尖らせ
顔を上に向けたウンス


その言い方さえ
愛しく感じるなど
俺はほとほと阿呆だ
この先が思いやられる
どれほどこの女人に
振り回されることか?
そして俺はそれを
望んでさえいる
チェヨンはため息をついた


なによ


かわいい天女は
なんとかチェヨンの
言葉を引き出そうと
チェヨンの胸板にもたれて
言った


ねえねえ
私のこと好き?
恋い慕ってる?


困り顔のテジャンなど
めったに
拝むことは出来ないと
トルベは愉快そうに笑った
そして
ぎろっとチェヨンに睨まれ
とたんに
小さくなった


チェヨンはウンスに言った


そのよく喋る口を
黙らせましょうか?


どうやってよ


今すぐ塞ぎたいのは
山々なれど


耳元でひそひそと
ウンスに告げた


俺の気持ちは
夜になればわかります
イムジャは俺を
受け入れてくださるか?


え?


びっくりして
馬から転がり落ちそうに
なったところを
チェヨンがしっかり
ウンスの細い腰を抱きしめた


危ないではないか?


あなたがおかしなことを
急に言うからよ


真っ赤な顔で
急にしおらしくなった
ウンスにチェヨンは
微笑んだ


いつものように
夜に部屋に参ります


そ   そう
わかった


小さな声で
ウンスは返事をし
そのまま緊張したように
うつむいた


ほら   
やはり黙った


天界から舞い降りた
美しい天女に
俺はすっかり恋をした
気持ちをすべて
この女人に
持って行かれた

その想いをすべて
今宵受け止めて
くれるだろうか?
自分の欲に恐ろしく
なりながら
火がついた気持ちを
なだめる術はもはやない

手離すことなどもう出来ぬ
ウンスが消える
あの地獄のような苦しみに
耐えられそうもない
俺のものだと証が欲しくて
仕方ない


イムジャ
寝ていた俺を起こしたのは
そなただ


チェヨンは
いっそうきつく
ウンスの腰を
抱きしめた


*******


『今日よりも明日もっと』
俺はイムジャに恋をした
この想いはこの先も
決して変わることはない




☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*

えええーーっ
アメ限じゃないの?
と思わず叫んだ皆様
今回のお話はじれじれが
テーマ
だからじらしてみました
と言うのは冗談で
あまりにアメ限が長くなりそう
だったので

「チェヨンが恋をして」と
チェヨンの気持ちの前振りです
さて   では次回こそ
アメ限でお会いできますように


追伸
このお話とその次の2作は
テーマ  御礼リクエスト企画
「チョヌムジャに恋をして」の
続きのお話ですが
じれじれヨンをシリーズ化?
チョヌムジャと合わせて
新しいテーマ
『恋をして』を増設し
そちらに収納いたしました
ご了承くださいませ





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