ねえ これでいいかしら?


ウンスはたくさんの衣の中から
一枚を選び
胸に当てて首を傾げている


はい 奥様
お美しゅうございます


ヘジャが答えた


久しぶりに向かう坤成殿
王宮の中を 歩いて移動する
久しぶりの外出
タンにとっては 初めてのお外


鏡の前でウンスは自分を見た
ぼんやりとしか
映らない鏡に向かって呟く


大丈夫かな?
せっかくだもの
おしゃれしたい


お化粧もちゃんとして
紅をさした
久しぶりに着る
チマチョゴリは上品な紅葉色
寒くないように外套を羽織り
タンをしっかりとおくるみで
くるんだ


お綺麗です


ヘジャが感心したように
また言った
ポムが横で何度も大きく
頷いた


医仙様 本当に綺麗


そお?
でも 髪の毛の艶が
なくなった気がするわ
やっぱり栄養を取られるのかしら
トリートメントの方法を
考えなくちゃ
ヨンが帰ってくるまでに・・・


ポムはくすくす笑った


久しぶりに会う恋人みたい
大護軍様 ものすごく
お喜びになりますね
だって医仙様 ますます
お綺麗だもの
帰って来たら
きっと 毎夜大変!
朝まで離して
もらえないと思いまするぅ


ポムは楽しそうに言った


もう ポムったら
何を言い出すのよ


戦に出かける前に
チェヨンがいった言葉を
思い出し
ウンスは真っ赤になった


帰って来たら
二度目の初夜だな
こんなに肌を合わせぬのは
婚儀以来 初めてだから
イムジャ 待っておれ


もう ヨンたら・・・
なに言うのよ


ウンスは小さく呟いた


ウンスは
チェヨンが戻った時に
少しでも
綺麗だと思ってもらえるように
出産後 お腹回りを引き締め
肌の手入れも欠かさなかった
母乳がよく出るおかげか?
体重はみるみる減って
ほっそりとした
体つきを取り戻した


大丈夫かな?
肌を合わせる・・・
考えただけでどきどきする
本当に久しぶりだから


え?大護軍様が何か?


ポムが聞き返す


何でもないわ


ウンスがごまかした


早く帰って来ないかな?と
思ってね


ほんとですよ~
びゅんと飛べたらいいのに
ポムもチュンソク様に
お会いしたいでする
あ~でもそうしたら
このお邸から出て行かなくちゃ
あ~~~
それも寂しいな~


ポムったら
今の話しを
チュンソクさんが聞いたら
泣くわよ


ウンスは笑った


医仙様 こんどは
夫婦二人で住み込みって
駄目ですかぁ?


駄目よ 
駄目に決まってるでしょう
チュンソクさんが帰って来たら
ポムも自分の家に戻らなきゃ


は~~~
早く帰って来て欲しいけど
ここにもまだ居たい~
ポムの悩みはつきませぬ


真剣なポムにウンスと
ヘジャは笑い声を上げた

タンがウンスをじっとみて
時折 微笑むような
顔つきをした


さて 
王妃様がお待ちかねだわ
坤成殿へ行きましょう


はい 医仙様
チェ尚宮様も首を長ーくして
きっとお待ちですよ


うふふ そうね


━─━─━─━─━─


ポムと女官ヨリを伴い
王宮の庭園を抜けて
坤成殿へと急ぐ

すれ違う王宮の兵士は
ウンスを見て


前よりお綺麗になってないか?
なんだか艶が増したな
こりゃ 大護軍のご心配が
増すぞ~


と 噂した


ウンスを見かけた
兵士や武閣氏たちは
チェヨンの息子タンを
愛おしそうに抱く
ウンスの
柔らかな笑顔に見とれ
ため息をついた


お美しい・・・と
皆 口々に言っている


ポムがうれしそうに
ウンスの隣で言った


みんな医仙様に見とれてますよ
ふふふ
なんだかポムまで
褒められてるみたいで
うれしいでするぅ


ポムのウンスに対する親愛は
チェヨンが居ない間
ウンスを大きく慰めた


そお?
うふふ そうだとうれしいわ


ウンスが笑った


坤成殿では
大叔母チェ尚宮が戸口を
出たり入ったりしながら
ウンスとタンを待っていた


遅いではないか
王妃様がお待ちかねじゃ


すみません 叔母様


おうおう タン
息災か?
ほれ 
王妃様のところへ参ろう


昨日も会いに来たくせに


ポムがぼそっと言った


何か言うたか?


チェ尚宮は
相好を崩しながら
ウンスからタンを受取ると
いそいそと王妃様のところへ
向かうのだった


おお 良い子じゃ
良い子じゃ
タンはかわいいのぉ


チェ尚宮の弾む声が
坤成殿に響いていた


*******


『今日よりも明日もっと』
あなたの帰りを待ちわびる
もっと綺麗な私でいたい




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