腕の中に すとんと
落ちて来たウンスを
チェヨンは抱きとめた

ウンスは
なんだか安心したような
顔つきで 
チェヨンの衣をぎゅっと
握りしめ 
くうくうと
寝落ちしている


しょうがないお方だ
このように無防備に
男の腕の中で
眠るとは
それとも俺のことは
男と思ってないのだろうか?


チェヨンは少々
不安になってウンスの顔を
覗き込んだ


もうらいじょうぶだってば


寝言なのか
酔っぱらいの戯れ言なのか
ウンスが答えた


チェヨンはチュンソクに


送って行く


と 短く告げると
無理矢理ウンスを立たせ
出口に向かう
眠ったままで
ふらふらとしていて
まっすぐ歩けないウンスを
テマンが見かねて


テジャン 
一緒に戻ります


と 申し出たが


いや 大丈夫だ


その場でウンスを
背中に担いだ
武閣氏達の悲鳴が聞こえる
チェヨンは背中に
ウンスの柔らかな
からだを感じながら
大切そうに後に手を回して
ウンスのからだを支えた


これでは剣が使えぬ
相変わらず 困ったお方だ


チェヨンは呟くと
まっすぐ前を見て
歩き出した


いいな~
テジャンにおんぶされたい


夢見るような顔つきで
頬を染め 
まだあどけなさを
残しているミカが言った


そうよね~
一時でもいいから
医仙様と代われないかしら?


隣の卓の
つぶらな瞳をしたノグリも
うらやまし気に呟いた


エミは
トルベの背中をばしんと叩いて


ちょっと!
どうしてくれるのよ
話しする前に
帰っちゃったじゃない!


むぅっとしながら
言った


すまん だけど
あんなに早くに
医仙様が酔いつぶれるとは
まさか 思わないだろう?


知らないわよ
あんたのやることって
いつもどこか抜けてるんだから


エミがそう言うと
前の席に座っていた
チュンソクが吹き出した


プジャン(副隊長)
笑わないでくださいよ~


トルベの情けない声が響いて 
その場がわっと盛り上がった


でもうらやましい
お二人はお似合いだもの


ノグリがにこやかに言うと
隣の席のテマンが
自分のことのように
頷いてにっと笑った

トクマンもにやにやしながら 
店の外に出ようとしている
二人の後ろ姿を目で追う
そして急に「あああ!」と
大声を出した


店の戸口で
チェヨンは
見慣れた顔の男が連れと
一緒のところに出会い
一瞬 足を止めた


これはテジャン
医仙様 酔われたのですか?


ああ 悪酔いしたようだ
典医寺に送って行く


最近 
お疲れのご様子でしたから
酔いがまわるのが早かったの
かも知れませんね


チャン侍医はウンスの脈を
診るとチェヨンに言った


あとで 二日酔いに効く
生薬を届けます
吐くかもしれませんから
しばらく典医寺にいて
様子をみてあげてください


ああ わかった


その時ウンスが背中で暴れた


もう 
早く帰りたい~


どんどんと背中を叩く
ウンスに手こずり
チェヨンは隣の男をちらっと
見ると 早々に表にでた


チャン侍医は隣の男に言った


今のが医仙様だ


なんだか随分 酒癖の悪い
女だな


テジャンに甘えているのだろう


いいのか?お前はそれで?
お前 あの女こと・・・


いいんだ
それ以上言うな
チェ・スジョン


目元の涼し気な男は
チャン侍医の言葉に黙り込んだ


そこにトクマンが
走り込んで来る


チャン先生じゃないですかぁ?
今 あっちで武閣氏達と
飲んでるんです
ご一緒にいかがですか?


いや 今日は連れがいるので


え~~~来てくださいよ
テジャンと医仙様が
帰っちゃって寂しいと
思ってたとこなんですよぉ
お連れの方もご一緒に


チャン侍医はチェ・スジョンに
どうする?と話しを振った


俺は構わんが


じゃあ 一緒に
飲みましょう


トクマンが二人を連れて
席に戻ると
武閣氏から歓声が上がった
連れて来た二人は
どちらも美丈夫だったから・・・

トクマンが意気揚々と
席に着こうとしたら
隣のヨンファの席が
空いていた


ヨンファさんは?


はす向かいのトルベに聞いた
トルベはエミとチュンソクに
日頃の浮ついた態度を
なじられていたので
ヨンファがすっといなくなった
ことに気がつかなかった


ヨンファなら
帰ったわよ
トクマン君があの二人を
連れて来た直後くらいにね


エミが言った


えええええ!
お前知ってたら
俺に言えよ
何の為の宴だよぅ


トルベがエミを責めた
エミは平然と


テジャンも帰ったんだから
これでおあいこでしょう?
もともと あの子は
こういうところに
乗り気じゃなかったのよ


と トルベに言った


お前 さっきから
エミさんに
やられっぱなしだな


チュンソクが愉快そうに
笑って言った


トルベは昔から
こういう奴なんですよ
聞いてくださいよ プジャン


エミはチュンソクに
愚痴をこぼした


ウダルチと武閣氏と
侍医たちの宴は
盛り上がり始めたばかりで
あった


*******


『今日よりも明日もっと』
気がつかぬ縁
結ばれぬ縁
切っても切っても切れぬ縁
縁も いろいろ





☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*


「合コン de ナイト!?」 
は 始まったばかり

チャン・ビンと
チェ・スジョン(チェ侍医)を
迎え 新たな展開か??

また おつき合いくださいませ



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