王宮の庭園にも
典医寺の中庭にも
そして 
新しい邸の前庭にも
黄色の小菊が
花を咲かせていた

いつも
ふたりに寄り添うように
そばで咲いていた
想い出の黄菊
今は ふたりの暮らしに
彩りを添えている


ヘジャがいれた
クックァチャ(菊花茶)を
ゆっくりと飲みながら
朝餉を終えたウンスが


そろそろ兵舎に行く時間?


寂しそうな声色で言って
チェヨンの袖を掴んだ


イムジャ 俺は今日非番だと
言ったはずだが?


ああ そうだったわ
じゃあ 今日は一日 
一緒にいられるのね


うふふと
声が弾んだ


ああ 何事もなければな
もし何かことが起きれば
テマンが知らせに来ることに
なっておる
こういう時 邸が近いのは
便利なのか?不便なのか?


チェヨンがぶつぶつ言った


いいじゃないの
それだけ みんなに
頼りにされてるってことよ
でも一番頼りにしてるのは
私かもしれないわ


ウンスがふふっと
笑った


そうか?


チェヨンはウンスが
愛しくてならない顔つきで
ウンスを見つめる


後で控えるヘジャが
微笑ましそうに
ふたりを眺めた


ほんとに仲がおよろしい
喧嘩などしたことは
あるのですか?


ヘジャが何気なく聞いた
ヘジャが思い出す限り
言い争うことがあっても
翌朝には仲睦まじい姿に
戻っていた


あら あるわよ
それも 
とってもすごいのを


へえ


ヘジャが意外そうな顔をした


ヘジャが
家に来るずっと前のことよ
私が意地を張ったばっかりに
仲直りもしないまま
この人 戦に行っちゃったの
前の晩は
ヨンとあんなに
幸せに過ごしたのに
くだらないこと言って
怒って 拗ねて

何やってるんだろうって
何度も自分を責めたわ
その時思ったの
ヨンは武士なんだから
喧嘩しても
屋敷から 送り出すときは
笑顔で送り出さなくちゃって
だってあの時 会えない時間が
本当に辛かったから


ヘジャは耳まで赤くなった
奥様はさらりと言った
「前の晩は
あんなに幸せに過ごした」
ご自分が言ったことの意味が
わかっているのだろうか?
それとも お閨で
仲睦まじいのは
しごく当然のことだから
気にならないのかと?

どちらにしても
ポム様と
さして変わらぬ言い草だと
ヘジャはくすくすと笑った

チェヨンはウンスに向かい


そんなこともあったな


と 呑気に言っている


うん
それ以来 
喧嘩は持ち越さない
ごめんなさいって
ちゃんと言ってるわ


チェヨンはウンスの髪を
優しくなでた
いたわるように
慈しむように


なれど 今思い返しても
なぜ あんなに急に
怒り出したのかわからぬ


ああ それはね・・・


ウンスは少しきまり悪そうに
微笑んだ


********


冬にさしかかり
高麗の都も一段と寒さを
ましていた

あいかわらず忙しい
夫チェヨンは
屋敷に戻るのも遅い日々

ウンスはテマンとともに
屋敷に戻り
一人で時間を過ごすことが
多かった

気晴らしになればと
チェヨンはウンスに


テマンとともに
マンボの店に寄って
クッパでも食べて来ては
どうだ?


朝 出がけにそう言った


ええ?いいの?
うれしい
毎日ひとりの夕飯は
つまらないもの
行く 行く


帰るころには迎えにいくゆえ
マンボの店で待っておれ


うん 早く迎えに来てね
いってらっしゃい
旦那様


ウンスは楽しそうに
チェヨンに言って
チェヨンはそんなウンスの
顔を幸せそうに眺めた

 
大護軍
本当にお幸せそうでよかった


テマンはチェヨンを見て
胸の奥がじんわり暖かく
なった気がしていた


一日が無事に終わり
ウンスがテマンとともに
王宮を下がる

マンボの店までは
市を見ながらぶらぶらと
歩きたいと言う
ウンスのわがままに
テマンは渋い顔をしたが

スリバンにも見回りを
頼んでいると言っていた
チェヨンの言葉を思い出し
渋々
ウンスの言う通りにした

辺りはすぐに暮れ始め
店先に明かりが灯る


いつの間にか
秋から冬になっていたわ
早いものね
ヨンと再会したのが
つい昨日のような気がするのに


季節外れの黄色い小菊が
店の軒先に飾られて
明かりにきらきらと揺れていた


*******


『今日よりも明日もっと』
いってらっしゃいは
笑顔がいい
ふたたび会うまでの心づもり
だから




☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*


このタイトルでもう少し
お話が続きます



さて 話しは変わりますが

とある有名入浴剤の新製品
「月桂樹の香り」が
発売された模様

月桂樹の香りと言えば
haruの中では
「月桂樹の香り=ヨンの香り」
~と
前にも何処かで書きました
うふふ ≧(´▽`)≦

スパイスのローリエとは
少し違う 花の甘い香りと
葉っぱの凛々しい香りを
イメージしてまして・・・

で 気になって使ってみました

ヨンの香りはいい香り(///∇//)

ウンスは毎晩この香りに
包まれているの?←haruの妄想

などと・・・

そして驚いたのは
商品のキャッチコピー!

「高ぶった気分を解きほぐす
月桂樹の香り」と
あるではないですか~

ウンスが出産したら
ヨンにお届けしたいと
思ったharuでした σ(^_^;)

ごめんなさい
お話に関係ない戯れ言でした


明日はもう週末
連休そして週末と
恋慕が 長引いておりますが
もう少し 
おつき合い下さいませ m(_ _ )m



にほんブログ村 小説ブログ 韓ドラ二次小説へ
にほんブログ村