新しい暮らしも悪くない
屋敷にいるより
より近くにあなたがいるから
兵舎も近いし
何より安心だわ


自分に言い聞かせるように
ウンスは言っていた
無理はするなよと
言って邸に送り届けたが
やはりチェヨンは気になった

自分が生まれ育った屋敷
家族が一人一人といなくなり
離れる前は寂しい記憶しかない
再びウンスと巡り会い
あの屋敷に戻って夫婦になり
愛し合い   慈しみあって
暮らしてきた

屋敷から離れがたいと
涙したウンスが
とても愛しい


俺は
ウンスが隣にいれば
どこでも一緒だがな


チェヨンはひとりごち
兵舎の窓から
邸の方角を眺めた
すぐそこにウンスがいる
チェヨンは
それだけで満足であった


この邸で
腰を据えて暮らすために
ウンスは居心地のよい部屋を
作りたいと張り切っていた
借り物の別荘ではなく
早く我が家になるといいなと
そう思っていた

ウンスは一部屋
貰い受け
衣や簪を片付けた
女官のヨリとポムが
手伝う

厨房では
屋敷から持参した
鍋や食器を
ヘジャとオリが
片付けている

夕刻になり医女サラが
ウンスの脈診に来た


大丈夫みたいですね
無理なさらないようにと
チェ先生からのお言葉です
医仙様は大丈夫  大丈夫と
知らず知らずに
ご無理なさるからと


はいはい
気をつけるわ
それにね
お腹が大きくなって
本当に無理出来ないのよ
すぐ疲れるし
お腹も張るし
なんだか気分もよくないし


それはいけませんね
チェ先生に伝えますね


いいわ
心配かけるだけだもの
それに
旦那様がいれば治るから


ウンスはふふっと笑う


そおですか?
でもお腹の張りが長く
続いたり
おかしいと思ったら
必ず知らせてくださいね


ええ
明日は典医寺に顔を出すわ
王妃様のご様子も気になるし


サラは頷き
また典医寺に戻って行った



夕餉の頃にチェヨンが
邸に戻って来た
ポムとヨリが部屋を
そっと出る
片付けに夢中のウンスは
チェヨンが来たことに
気づいていない

後ろから
ぎゅーっと抱きしめ
チェヨンが言った


一緒に
飯を食おうと思うて


耳元で囁くような優しい声
大好きな匂いがする
暖かい腕の感触
恋しいチェヨンがそばにいる


あら   引っ越し作業で
ばたばたしてたから
何かあるかしら?


ウンスは平静を装って


ヘジャ   ヘジャ
旦那様に夕餉の支度を
大丈夫?


ヘジャを呼んだ
慌てて駆けつけたヘジャが


はい    ヘジャにお任せを


と   涼しい顔で言う


よかった
家が近いと夕餉を一緒に
食べられるのね
一人だと食が進まないもの


ウンスがうれしそうに
チェヨンを見て笑った

ヘジャが厨房に消えると
どちらからともなく
唇が合わさる


顔    見たかった


ああ   俺もだ


再びふたりの唇が合わさる


このお邸も本当に
悪くないわね
あなたにすぐ会えるわ


ああ
そうだな


ふたりは顔を見合わせて
微笑んだ


厨房では女官見習いのオリが
不思議そうにヘジャに聞いた


大護軍様の夕餉も
すでに用意されているでは
ないですか?


当然   お戻りになると
思っていましたから
あのふたりは
一時も離れて
いたくないのです
兵舎と邸が近いなら
夕餉には必ず戻られると
予想はついていましたよ


ヘジャが我が意を得たりと
言う顔をした


王宮での新しい暮らしが
始まった


*******


『今日よりも明日もっと』
そばにいて
いつも感じていたい
あなたの心を







早朝から地震速報
関東圏の皆様   
大丈夫でしょうか?

大雨被害もまだまだ
落ち着かないのに
次から次へと起こる
自然災害

気がかりなことばかりです


そして
ほんとは昨夜アップしようと
思っていた引っ越し後の
お話ですが

久々に
アレルギー性結膜炎の
症状が出てしまい
目が使い物に
なりませんでした叫び  目
で   今朝に持ち越し

症状は今は目薬などで
落ち着いています
埃がたまっていたのかしら?
掃除します   ( ̄_ ̄ i)


天変地異などあり過ぎて
落ち着かない週末ですが

お話で少しでも
気を紛らせて頂ければと
願っています


皆様
週末も安寧に
お過ごし頂けますように




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