朝からチェヨンは
機嫌が悪かった


昨夜 
チェヨン邸を訪ねて来た
青年武将のイ・ソンゲは
ウンス曰く 
爽やかな好青年だそうだ

優しくてよく気がつく
チェ先生にも
似てる気がするわ

とも 言っていた

思い出すと
なんだか 面白くない

おまけに昨夜は疲れたと言って
気がつくとウンスは夢の中
もやもやとした想いを放つ
暇もなかった




イ・ソンゲは
上等な酒と
ウンスへの土産だと言って
上等な柚葉色の
絹の反物を持って
まるで
兄夫婦の家にでも
遊びにくるように
ふらりとやって来た

手土産の反物を
ウンスはたいそう喜んだ


これからの季節に
ぴったりの色合いだわ


渋く深い緑色の反物を
肩にあてがい 
ウンスは微笑む
それは
白い肌と明るい髪の色に
よく馴染んで見えた


思った通り 
よくお似合いです


イ・ソンゲはうれしそうに
ウンスを見つめた

また イ・ソンゲは
ウンスとヘジャが用意した
料理の数々に
舌鼓を打ち 
美味しい 美味しいと
豪快に平らげていく

ウンスの後に控えた
ヘジャもその小気味いい
食べっぷりに
目を細めて見ていた

チェヨンと酒を酌み交わして
和やかな会食

イ・ソンゲは
双城の戦の話や
自分の郷里の話をした
聞くと郷里には正妻がいて
もう息子も生まれたと言う

出会ったときは17歳
まだ少年であった
それから5年の歳月が流れ 
すっかりたくましく
凛々しい武将のイ・ソンゲ


酒が入り少しばかり
饒舌になったイ・ソンゲは
ウンスに
虫垂炎で助けてもらった際の
礼を言った


あの時のご恩
生涯
忘れはしませぬ
医仙様の為なら
どんな無理難題でも
このイ・ソンゲ
働く所存にございます


なら この人を助けてね


間髪入れずウンスは言った
すがるような想いだった

イ・ソンゲは神妙な面持ちで


もちろんにございます
大護軍は某が師と仰ぐお方
それゆえ 此度は
無理を通してウダルチに
入れて頂きました
大護軍のもとで
今一度 
鍛錬をし直したく思い

万一のことあらば
いつ何時でも大護軍の元に
駆けつける所存


そう言う意味じゃ
ないんだけどな・・・
ウンスは思ったが
それは後の世のことなので
イ・ソンゲには言えない

チェヨンは
ウンスの
言いたいことがわかり 
卓の下で
そっと
ウンスの手に手を重ねた

心配ない
そう言っているように
ウンスには思えた



それに・・・医仙様は





某の初恋の君


は?
チェヨンの手に力が入る
ウンスは思わず顔を歪めた


ああ すまぬ


チェヨンがウンスに言う


大丈夫よ と微笑んでから
ウンスが言った


それは また光栄なこと


光栄だと?
今度はチェヨンの顔が歪む


だって 天下のイ・ソンゲ様に
慕って頂けてたなんて
うふふ


呑気に笑った


医仙様の医員姿
お美しくて優しくて
いまだに 目に浮かびます


あら そお?
今も典医寺で働いているわ
何かあったら訪ねて来てね
でも 何もない方がいいわよね
だって典医寺に来るってことは
病気か怪我だもの うふふ


なれど もしもの折は
ぜひに


イ・ソンゲは言った


ええ もちろんよ
患者を拒むことはないもの
いつでもどうぞ


ウンスは笑った
その笑顔に釣られるように
イ・ソンゲが言った


医仙様は今も変わらず
お綺麗で 
ほんとに
天女様のままですね


そおかしら?
お腹の大きな妊婦よ
天女だなんて褒め過ぎよ


いえ 5年前より
更にお綺麗かもしれません
お幸せなのですね


うふふ
この人がいるから


ウンスは卓の下に隠れて
見えないチェヨンの手を
ぎゅっと握り返し
チェヨンを見つめた


二人の様子を見て
イ・ソンゲが言う


まこと 羨ましい限り
出来れば
医仙様に 大護軍より
早く お会いしたかった


ウンスはぷっと吹き出す


もっと早く出会っていたら
まだ子どもじゃないの
それに
郷里には奥様もいて
お幸せなんでしょう?


はあ まあ


イ・ソンゲは頭を掻いて
笑った





朝から 床の中で
拗ねた顔のチェヨンを見て
ウンスは はぁと
ため息をついた


ねえ 機嫌
まだ悪いの?


そのようなことはない


じゃあ こっちを見て


嫌だ


もう ヨン
イ・ソンゲさんにまさか
焼きもちとかじゃないわよね
彼が初恋の君とか
なんとか 言ってたのは
お世辞 
たっだのリップサービスよ


なれど イムジャも
うれしそうであった


そりゃあ 女ですもの
褒められたり
慕われたりするのは
うれしいもんよ
でも 私の一番はあなた
知ってるでしょう?


視線を合わせないチェヨンの
頬を両手で挟んで
強引に唇をあわせた


あなたが好き
あいしてるの
機嫌が悪いと悲しいわ


また ウンスが
唇をあわせる
触れ合ううちにチェヨンが
ウンスの唇を食む


他の誰も見るな


うん


他の誰にも気を許すな


うん わかった


イムジャは俺だけの
イムジャだ


知ってるわ


昨日はさっさと寝たでは
ないか


また拗ねるように言った


だって疲れたのよ
気疲れ
あのイ・ソンゲだもの
話をしていても
気を使うわ
それに
愛する夫の腕の中が
一番 気が休まるし
幸せだから
よく眠れるのよ


俺は眠れなかった


あら 困ったわ
うふふ
ここは王宮の中の邸だし
出仕まで時間もある
もう少し一緒に寝る?


ウンスはつややかな表情を
浮かべて チェヨンを見た


ああ 寝る


チェヨンはウンスの
唇に吸い付くと
昨夜の想いを
取り戻し始めた


*******


『今日よりも明日もっと』
あなたの腕の中で
平穏な日を迎えたい






☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*

皆様の街は
台風の影響は
大丈夫でしょうか?
haruの街も 雨模様
風が強く吹いております

避難対象の地域の皆様
また 大雨や雷で
心細い想いの皆様

学校が休校だったり
交通機関が乱れたりと
様々 
影響が出ておりますね

どうぞ 皆様が
安寧に
お過ごし頂けますようにと
祈っております  haru



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