あれ?えっと?
ここって??


目覚めるとチェヨンが
優しい目をして
ウンスを見ていた


王宮の邸だ
寝ぼけておるのか?


ああ そうだったわ
通りでいつもと布団が
違うと思った


チェヨンの胸に
潜り込みながら
楽しそうに言った


邸が王宮にあると
便利だな


どおして?


朝慌てずともよい


そ そうね
でもだからって
朝から 駄目よ
昨日 たっぷりと


言いながらチェヨンの
目が笑っていることに
気がついた


俺は何も言ってないぞ
イムジャはすぐに
そっちを想像する
全くしょうがないな


チェヨンは肌があらわな
ウンスの肩に
きゅうっと吸いついた


本宅の屋敷でも
王宮の邸でも
ふたりの幸せな朝に
変わりはなかった



昨夜は 夜通し 
まん丸な月が
濃紺の空に浮かんでいた

チェ侍医の屋敷から
ポムと暮らす
武閣氏の自分の部屋に
まっすぐ戻る気になれなくて
気がつくと
戻ったヨンファは
典医寺の中庭に座り
月を見上げていた

不思議と悲しくはなかった
自分を受け入れなかった
チェ侍医のことを
思った
「幸せになれ」
その言葉の重みを噛み締める
出会えてよかった
好きになってよかった

月がゆっくり西の空に戻るのを
じっと追いかけていた


明け方
自分の部屋に戻ったヨンファは
ぎょっとした

ポムが大泣きしていた
チュンソクがポムを
なだめるように
背中をさすっている
チェ尚宮が困ったように
ため息を繰り返していた


どうしたのです?


声をかけた


ヨンファさ~~~ん


ポムが走り寄り
ヨンファにしがみついた


どうしたの?ポム?
隊長と喧嘩??


ちっがうう~~~


涙でぐずぐずになりながら
ポムが言った
訳がわからずチェ尚宮を
見つめた


そなた 一晩何処にいたのだ


チェ尚宮が静かに聞いた


え?


ポムは
昨夜から帰らぬそなたを
心配して 王宮を
探しまわっていたのだぞ


典医寺におりました


うそ
だって
一番に典医寺に行ったもの
でも いなかった
だから チェ尚宮様のところへ
お知らせに行って
それで 庭園とかあちこち
心当たりを探していたのに
全然 見つからなくて
それで それで・・・ううっ


また 泣いた


それで 
王宮を見回りに歩いていた
ウダルチに遭遇して
某が ここへ連れて来たのです


チュンソクが補足するように
ヨンファに言った


だって チェ尚宮様ったら
急にヨンファさんの縁談のこと
言うんだもの
側室だなんて!許せない
それなのに 尚宮様は
そっとしておけって!
そんなこと
できるわけないじゃない
ヨンファさんは
大事な私の姉様なのに


ポムはヨンファの
腕の中から離れると 
すごすごと
チュンソクのそばに行き
背中に隠れてまた泣いた


ヨンファさんの馬鹿!
悩んでるなら相談してよ


チュンソクの背中の衣を
握りしめて泣いている

チュンソクが言った


ヨンファ殿の
お相手の方のことを
医仙様もひどく気にされて
昨夜 大護軍と一緒に
王宮の邸でお会いになられて
ました


そうなんですか・・・


皆がそなたを気にかけておる
それなのにまったく


チェ尚宮が言った


断ってもよいのだぞ
私が責任もって
話をつけよう
そなたは私が育てた娘も同然
ヨンファには私の跡を継いで
欲しいと願っておったのじゃ


思いも寄らないチェ尚宮の
胸の内に ヨンファは
驚いた


医仙様も
大切なお仲間だからと
心を痛めておいでです
医仙様を見守る大護軍も
気にしておいででした


チュンソクが言った


ありがとう ポム
ありがとうございます
チェ尚宮様
隊長


ヨンファが言った


ひとりで生きて来たつもりに
なっていた
自分は不幸な身の上だから
運命に翻弄されるのも
仕方ないと思って来た

可愛い妹
大事な姉様
大切な仲間
娘も同然・・・

いつの間にこんなに
たくさんの人に支えられて
生きて来たのだろう

滅多に他人に
感情を見せないヨンファが
皆の心が温かくて
うれしくて
涙がこぼれた


ヨンファは顔を上げ
凛とた表情でチェ尚宮を
見つめると
静かに言った


キム様に
お会いしとうございます


*******


『今日よりも明日もっと』
人の優しさが心に沁みて
自分自身を愛しく思える





☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*


昨日アップした「恋慕」
ヨンで頂きありがとうございました

皆様にとっても
色んな思い入れのあるシンイ最終話を
haruなりに 脚色しました
皆様から寄せられたコメ メッセ
とてもうれしかったです

扉の向こうが 一晩ですごいことに目
ありがとうございました


頭の中もリフレッシュ完了

本編にもどり ぼちぼち
更新して行きますので
また おつき合い下さいませ~



月曜日 
一週間のはじまりです
皆様 
安寧にお過ごし下さいませ


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