高麗に生きるウンスの
新しい1日がまた始まった
王宮に戻ったウンスは
兵舎に戻った
チェヨンと分かれ
典医寺の診療室にいた
待ちかねているであろう
王妃様の処にも
すぐに伺わなければ
ならなかったし
典医寺の診療室にいた
待ちかねているであろう
王妃様の処にも
すぐに伺わなければ
ならなかったし
診療も開始となり
患者が後を絶たない
温泉宿の余韻に浸る暇は
もうなかった
今日も忙しくなりそうね
お休みした分も
頑張らなくちゃ
ウンスが言った
医仙様
張り切るのは結構ですが
くれぐれも
無理なさらずに
それでなくても
お腹のお子に
ご無理が
それでなくても
お腹のお子に
ご無理が
掛かっているのでは？
チェ侍医はウンスを心配して
言ったのだが
ウンスは昨日の夜のことを
聞かれた気がして
急に頬を染めて
押し黙った
察しのいいチェ侍医は
ウンスが
チェ侍医はウンスを心配して
言ったのだが
ウンスは昨日の夜のことを
聞かれた気がして
急に頬を染めて
押し黙った
察しのいいチェ侍医は
ウンスが
何を勘違いしたのか
すぐに悟り
えっと
お腹が
すぐに悟り
えっと
お腹が
はったりしませんか
移動も多くて
移動も多くて
大変でしたし
お疲れでしょう
と 言ってから
ああ そうそう
島に行ったスヨンから
荷物が届いてました
話題を変えた
なんだろうかと
不思議に思って
木製の小さな箱を
開けてみた
中にはびっしり
真珠の粒
すごい！
綺麗だわ
まだ加工前の真珠
つやつやして
深い白なのね
ウンスが
感嘆の声をあげた
チェ侍医が微笑んで
ウンスの様子を見守る
サラやトギまでもが
身を乗り出して
ウンスの手元に魅入った
幸せに暮らしているので
しょうね
きっと
だから医仙様にこうして
島の特産品を届けて
便りの代わりにしたので
しょう
そうかもしれないわね
あ そうだ！
きらきらと目を輝かせて
何か思いついたように
楽しそうに笑った
＊＊＊＊＊＊＊
長かった1日を終えて
チェヨンと屋敷に
戻ったのは
月が随分と西に傾いた
頃であった
半月より少し
ふっくらとした月が
空にぽっかりと
浮かんでいた
温泉宿からまっすぐ
王宮に出仕したので
たった一晩
留守をしただけなのに
ひどく長く留守にした
気がして
ウンスは
屋敷に着いたら
なんだかうれしくて
仕方なかった
ヘジャが
おかえりなさいませと
優しく出迎えてくれる
ただいま ヘジャ！
灯りをたくさん
つけてくれていたのね
屋敷全体がぼんやり
明るく灯されていた
湯殿の用意も出来て
おりますが
何か軽く召し上がりますか？
あー
ヘジャのご飯が食べたい
だけど
遅いし我慢するわ
お風呂上がりに
冷えたチャメで
ございますね
さすがヘジャ！
閨に運んでね
かしこまりました
では湯殿の支度を
整えましょうか？
うん よろしく
チェヨンに手を引かれて
屋敷の奥へと向かう
昨晩 主のいない屋敷は
ひっそりと寂しく
ヘジャは
こんなにも奥様は
屋敷を明るくして
おいでだったのかと
留守番をしながら
しみじみ思っていた
前方から
ウンスの笑い声が
聞こえた
チェヨンが楽しそうに
ウンスの話に
耳を傾けている
ヘジャは高麗一仲の良い
夫婦の後ろを
満足気に見守りながら
もう一度
おかえりなさいませ
静かに呟いた
今日ね
スヨンさんからね
島の特産品の真珠が
届いたのよ
ウンスがチェヨンに言う
でね それを
ポムのお祝いにしたいの
だからマンボ姐さんに
職人さんを紹介して
貰わなくちゃ
マンボに？
うん だって情報屋
なんでしょう？
まあ そうだが
それにクッパも
久しぶりに食べたいし
なにか
ねだられてるような
気がするが
ばれた？
一緒に
お出かけしたいなって
ウンスがふふっと
笑みを浮かべて
甘えるように
チェヨンの腕に腕を
絡ませた
ああ
考えておく
なるべく早くね
お式に
間に合わなく
なっちゃうから
わかった
わかった
チェヨンは笑って言った
すぐに風呂に入るか？
うん
疲れたし
汗もかいたから入りたい
なれど
心残りは温泉に
一緒に入れなかったこと
今宵はゆっくり一緒に
悪さしないでよ
ウンスがぴしりと言った
約束はできぬ
チェヨンが言う
月夜に照らされた
妻の横顔が
美しく輝いている
さすがに今宵は
無体は出来ぬか？
だが
少し触れ合うくらいなら
きっと みぃも
許してくれるだろう
チェヨンは
一人でこっそり
思いながら
ウンスの手を握りしめた
夜風が涼しくなり
ぴたりとからだを
寄せ合うには
丁度良い 夜だった
＊＊＊＊＊＊＊
『今日よりも明日もっと』
ただいま 愛しの我が家
おかえり 恋しい君
少し秋めいて来た
気がする夜です
まだ8月ではありますが
心機一転
サブタイトルを
夏雲から 十六夜に
変えました
夏雲におつきあいいただき
ありがとうございました
十六夜は ためらい月
どんなことが待ち受けて
いるのでしょう？
また色々と
ありそうですが
お話に
おつきあいくださいませ
台風が近づいいます
進路にあたる街に
お住いの皆様
どうかお気をつけて
安寧に
お過ごしくださいね
