優しい手が頬をなでる
オンマ? アッパ?

違う この手は
私のあの人・・・


目を開けると
屋敷の閨の寝台の上
あたりはすっかり暗く
部屋の中の灯りが
ゆらゆらと揺らめいていた


チェヨンがウンスの
乱れた髪を手櫛で梳いて
頬の輪郭に沿って
手の甲でなぞっている


目覚めたウンスに
気がつくと


疲れたであろう
無茶をするからだ


そう笑った


私 いつの間に
帰って来たの?


よう眠っていたゆえ
起こさぬように
俺が運んで来た
今日は
患者が立て込んで
忙しかったとか
チェ侍医が申し訳ないと
言っておった

 
みっともないわね 私


どうして


だって あんなに
啖呵を切って威勢良く
仕事に戻ったのに
1日目でダウンって
あり得ないわ


仕方あるまい
普通の
からだではないのだ


でも・・・


そう焦らずとも
良いではないか
ゆるりと始めれば


チェヨンは手のひらで
ウンスの頬を包んで
言った


その手のひらに
ウンスが口づける


ありがと・・・


なれど イムジャ
あまり気をもませるな
俺もイムジャの
こととなると気が短い
診察のためとはいえ
他の男の胸に顔を寄せる
など・・・ 
我慢にも程があるぞ


うふふ 
偉かったのね ヨン
でも 音を聞かなきゃ
病状がわからないもの


俺の音だけ聞いていれば
良いものを


チェヨンが拗ねるように
ぶつくさ言った


ふふっ
悋気


だから悋気ではない
我慢しておる


それが悋気でしょう?
でも こんな年齢の
しかも妊婦に
ふらふらするような
男の人は
あなた以外にいると
思えないけど


ウンスが微笑む


ばかいえ
イムジャ目当ての患者が
どれだけいたと
思っているのだ
王宮はその話題で
持ち切りだと
トクマンの奴が
余計なことを言っておった
イムジャは自分の価値が
わかっておらぬ


そうかしら?


ああ


だったらうれしいわ


なんと?


だって女として
まだ魅力がある
ってことでしょう?


チェヨンはウンスの
額に唇を押し当てる


よかった
あなたにそう思って
貰えているなら・・・


ウンスは幸せそうな
笑みを浮かべ
それから
ぽつりと言った


おなか すいたぁ


ふっと 
チェヨンが笑って
ウンスに尋ねる


ああ ここに
ヘジャが用意した
クッパがあるが食うか?


うん


温め直そうか?


冷たい?


鍋に手を当てると
まだほんのりと
温かかった


じゃあ それでいいわ


ウンスが布団から
起き上がると


食べさせて


チェヨンの肩に
もたれかかる


手のかかる妻だな


チェヨンが
うれしそうに笑った



葉擦れの音であろうか
さわさわと窓の外から
聞こえてくる

夜風もほんのり暖かく
感じられる頃と
なっていた


*******



『今日よりも明日もっと』
この腕が この胸が
いつも私を受け止める



゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆


前話は 真夜中2時の更新!
おつき合いいただいた皆様
ありがとうございました

お話の
切れ目が上手く見つからず
其の四はやたら長く
其の五は短めでお届けしました 
バランス悪っ!と反省σ(^_^;)


世の中はGWとか・・・
皆様 楽しい休日を
お過ごし下さいませ


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