兵舎の部屋から見る山桜
もうすっかり葉桜で
青々とした葉は春の終わりを
告げている   
そんな気持ちにさせる


イムジャは大丈夫だろうか
朝   からだがつらいと
ぼやいていた
あとで典医寺に
様子を見に行くとするか

ちょっとの間でも   
また顔が見たくなるあたり
まったく    始末に負えない

だいたい   昨夜は
イムジャが悪いのだ

自覚もなしに
あんなにかわいい声で鳴くから
止めるはずが
止められなくなってしまった

昨夜の感触を思い出して
自然と頬が緩んだ


昨夜は佳き日になりましたか


チュンソクに声をかけられ


何事もなかったような顔をして
チェヨンが言った


ああ   暇をもらって
すまなかったな


いえ   それは構わないのですが
皆が   ちと   ざわついております


何かあったか?


いえ    
ただ    あの    それが
と    きまり悪そうに言った


おふたりのご様子が
兵士の間で噂に


は?


またいらぬことを喋りすぎる奴が


どのような噂だ?
医仙に対する冒瀆か?


ああ    いえ    冒瀆などでは
ありませぬが・・・
おふたりは
いつでも   どこでも   くっ
くっついているとか
せ    せ     せ


せ?なんだ


せっ
せっぷん   してるとか


まるで見てきたように話す
チュンソクに対して
きょとんとしたチェヨンが
急に笑い出した


それはさしずめ    テマンから話を
聞いたトクマンの所業であろう
まあ    よい捨て置け
事実だから     致し方ない


その高らかな笑い声を聞きながら
怒り出すかと思っていた
チュンソクは
ほっと胸を撫で下ろた
そして
にこやかな顔のチェヨンに


お幸せなんですね


しみじみとそう言った


ああ    この幸せをこの先も
俺は手放すつもりはない


チェヨンは静かに   
だがきっぱりと
チュンソクに答えた


トクマンにはお前から
灸をすえておけ
大護軍が   怒っていたとな


はっ   御意に
チュンソクはチェヨンに
告げると    部屋を後にした


チェヨンは兵舎の窓に
また目を移す


葉桜か・・・
赤月隊に入ったのも
ちょうどその頃だったな


チェヨンはムンチフと出会い
赤月隊に入るまでの
少年の頃の自分に
思いを巡らせた


*******


『今日よりも明日もっと』
手の中の   幸せを
じっと見つめる
こぼれぬように大切に





あら?やっと  葉桜本題⁈  え?
まったりのんびり  
いつも横道にそれてすみませぬ

しかも切りがよいもので
ちょっと短め  アップに
なりました     o(_ _*)o

で   横道ついでに
今宵は別宅 !?
行っちゃうかも  目
などと  (///∇//)