今日はここに泊まるわ


ウンスの言葉にチェヨンが
答える


屋敷でゆるりとした方がよい
ここではまた
思い出すであろうし
テマンに送らせるゆえ


ううん
チェ先生のこともあるし
それに この分だとヨンは
屋敷に帰るの
遅くなるでしょう?
屋敷で心配してるより
ここにいる方がいい
一緒にいてくれる?


無論
だが・・・


まだ反論しようとする
チェヨンを口で塞いで


あなたの近くにいたいのよ
傷ついているのは私じゃない
からだに傷を負ったのは
チェ先生
そして心に傷を負ったのは
チェヨン あなたでしょう

そばで守れなかったこと
敵ではなくて
自分の指揮下にあった人の
奥さんの反撃
あなたが
苦しまないわけないもの


イムジャ・・・


言ったでしょう 私
あなたの心を守りたいって
私じゃ 役に立たない?



チェヨンは
ウンスの唇と
唇を合わせた


ウンスを離すと


イムジャを狙う者が
いるならば
それは 
元の奇皇后が放つ刺客とか
政の駒としか考えないような
重臣達とか
俺のことが邪魔な敵国とか
そういう者達を想定していた


うん 


まさか身内の人間にも
恨まれているとは・・・
俺への責めならいくらでも
受け止めたのに
イムジャを
巻き込んでしまった・・・


苦し気に話すチェヨンに


私も一緒に受け止めるわ
だって私達 夫婦じゃない
お互いの苦しい気持ちも
悲しい気持ちも 
はんぶんこ に しよ・・・


イムジャはほんとに
心根の強い女人だ


あら それは
あなたがいるからよ
あなたが私を
守ってくれているから
私もあなたを守りたい
それだけのこと・・・


震えていたはずの
からだも心も 
ヨンのことを思うと 
今は凛としている
一人じゃないって
こういうことだ
ウンスはそう思った



チュンソクがやって来て
女を牢に入れました
と言った


取り調べには
立ち会いますか?


うむ 立ち会おう
イムジャも行くか?


いいの?
あの女の人と 話したいと
思ってた


そうであろうと思っていた


チェヨンはウンスの髪を撫で
微笑んだ


あのぅ
王様へのご報告は
いかがしますか


なんとも目のやり場に困った
チュンソクはおずおずと
チェヨンに聞いた


まだ仔細がわからぬゆえ
全貌がわかりしだい
ご報告しますと
それだけお伝えせよ


視線をウンスに向けたまま
そう答える


はっ


それと
医仙は無事だと
心配はないと


はっ


ウンスがチュンソクの方に
向き直り


あ チュンソクさん
王妃様にも
ご心配おかけしましたって
明日 お伺いするからって
伝えてね


わかりました
医仙様もどうぞ
お心安らかに・・・


ありがとう


ふたりの熱に当てられて
チュンソクは
這う這うの体で
部屋から逃れた



イムジャ・・・


もの言いた気に
チェヨンがウンスを
じっと見つめる


あのね 今夜 ここで
よからぬことはなしよ
ここは王宮の典医寺
人もたくさんいるし
とにかく 無理だから


心を救ってくれるのでは
ないのか・・・


そう言うチェヨンの頬が
ぶぅと 膨れた気がして
ウンスは ぷっと吹き出した



*******



『今日よりも明日もっと』
なにもかも いっしょに
受け止めるわ・・・


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