あの方が 天結をくぐり
どこか 見知らぬ時代に
去ってから

たまに時間が空くと
テマンをともない
あの方と歩いた市へと出かけた

マンボの店でクッパを食えば
匙をくわえたあの方を思う

饅頭屋の前を通れば
大口で食すあの方を思う

あの方のものを 
店先で品定めする

着てもらえるかわからぬ着物
挿してもらえるかわからぬ簪

あの方に似合うであろうか?

店先に並ぶものを見ては
あの方を思う


ま また か 買うんですか?


テマンが呆れた顔で俺を見る


我ながら 諦めが悪い
そんなことはわかっている

もう二度と戻らぬと
周りのものが密かに
心に思うていることも知っている

俺は 意地になっているだけか
時々 そんなことさえ思う

だが そんなときは
あの方のものを買い求める

ふたりそばにいると誓った
宿屋の夜を 思い出し
あの日 二度と忘れぬと
記憶した あの方の顔を思い出す


市で見つけた 碧色の衣
あの方の 白い肌に似合うだろうか
喜んでくれるだろうか

そう思うだけで
心に暖かい風が吹く


あの方のために揃えし品が
屋敷の部屋に溢れておる


イムジャ 早く戻って参れ
それを手に取り微笑んでくれ


イムジャのそばで 毎日寝起きをし
イムジャとともに 飯を食い
イムジャを眺めては 心躍らせる

そんな 日々を願う俺は贅沢か


俺は此処にいる
イムジャを待って此処にいる
早く戻ってこい


遠く イムジャを思う日々・・・



*******




どうしたの? 


胸元のあいた碧い衣を着た
イムジャが
屋敷の閨で俺を見る


いや 何でもない
その衣 よく似合うている


あら そう?
この間は 王宮に着ていくなって
いったくせに


ぷうと膨れたイムジャの
そのからだを抱き寄せた


俺が見る分にはよいのだ
他のものには その姿
見せてはやらん


もう 何言ってるのよ
仕方のない人ね


腕の中の イムジャが笑う
その胸元に 俺はそっと
くちづけた・・・



*******



『今日よりも明日もっと』
平穏なときの中で
幸せに暮らせますように・・・




゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆

再会から 婚儀まで
縁起本編に差し込めなかった
サイドストーリーをちょっとだけ
お届けします・・・

テーマ「縁起」の
「こんなサイドストーリーが知りたいヨン」
というリクエストが もしあれば
こっそり??お知らせ下さいませ  haru


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