屋敷を出るとき
チェヨンが言った


今日チュンソクたち
倭冦討伐の一軍が戻る


本当に??
それじゃあ
チュンソクさんや
トクマンさんにやっと会えるわね
ヨンが丸投げするから
国境からやっと帰ってきたのに
またすぐ遠征だなんて・・・


と言う
ウンスの話をさらりと流して


ああ 
それで今宵は祝勝の宴ゆえ
帰りが遅くなる
テマンも参加することに
なっておるから
迎えにはやれぬ
典医寺で待っていてくれるか?


と 聞いた


じゃあトギを誘って
待っていようかな
教えて欲しい薬草の話もあるし
おとなしゅう待っているわ


と ウンスは笑って返事をした

本当はウダルチの兵舎に
一緒に行きたい気もしたが
再会した陣屋で
酔い潰れてからというもの
どうも チェヨンは
ウダルチのみんなと一緒に
お酒を飲むことを
快く思っていないようだったし

折角の男同士の祝勝の宴だから
今夜は遠慮した方がいいかと
そうウンスは判断した



チェヨンは少し
ほっとした顔をして
そうか と答えた



*******



朝の回診に坤成殿に伺った
王妃様はいつもの穏やかな
笑みをたたえ 
お美しい王妃様だった

昨晩 王様と
お話できたのかな
心配ない様子だけど・・・
そう思いながら声をかける


今日のお加減はいかがですか
からだは特に気になるご様子は
ないようにお見受けしますが 
ご気分は落ち着かれましたか
王妃様?



昨日はまことすまなかったのぅ
医仙に聞いてもらい
心が静まったようじゃ
王様ともあれから
ちゃんとお話をしたのじゃ



そう言うとまた微笑まれた



そちたちの 婚儀の寺もな
やはり皆の考えの通り
チェ家の菩提寺で
するがよかろうと
王様もおっしゃるゆえ
妾もそれが
よきことかと思うておる
花嫁衣装ももうすぐ仕上げぞ



うふふ なんだか
他人ごとみたいな気がします
あの天界でも有名な大将軍と
私が結婚するなんて
信じられなくて・・・
私の目の前にいるのは
違うチェヨン
なんじゃないかって
気さえするんです



ウンスは笑った
王妃様も楽しそうに笑い



それはそうと 宴はどのように
いたすがよいかのぅ?
前にウダルチの兵も呼びたいと
言うておったであろう



はい でもそれは難しいん
ですよね
重臣の方々が驚かれるわ
それで私 いいアイディアが
あるんです



あいでぃあ?



ええ 考えがあるの
宴はチェ家の屋敷で行うとして
そこにウダルチのみんなや
スリバンは
参加できないのでしょう?
だったら 二次会をね
やろうかと思って



二次会とは如何なるものか?



うちうちの楽しい集まり
みたいなものです
正式じゃないけど
気の合う仲間との宴・・・
そうすれば私達も気兼ねなく
楽しめるんじゃないかと



それは良き考え
ではチェ尚宮に申し伝えて
場所など諸々考えるとしようぞ





ウンスは 王妃に礼を言い
坤成殿をあとにした

渡り廊下を通り過ぎる頃
ちょうどチェ尚宮が追いついた



医仙 ウダルチ隊長たちが
江華島より戻ったそうだな



ええ 今日は祝勝の宴とか
帰りが遅くなるから
典医寺で待つように言われました



そうか・・・それならよい



??



もうよい 行ってよい・・・



何が言いたかったんだろう??
ウンスは狐につままれた感じが
したが 
そのまま坤成殿を後にした



*******



典医寺の一日は瞬く目に
過ぎてゆく
朝 診療が始まったと思うと
昼餉の時間もないくらい
あっと言う間に夕刻になる


今日も一日平穏に
典医寺の診療が
終わろうとしていた



さっきの方が
最後の患者さんかしら?


トギが頷く


今日ね ウダルチで宴があって
帰りが遅いんですって
典医寺で待つように言われたのよ
トギ 薬草の勉強をしたいから
つき合ってくれない?


トギがぶうんぶうんと
首を横に振る


だめなの?


急に言われても困る
用事があると
トギはウンスに
身振り手振りでなんとか伝えた


そうよね・・・
しかたないわ
おとなしく一人で勉強してるわ


そうつぶやいたのを聞いていた
チェ侍医が


よければ 
私がおつき合いしましょう
急ぐ用事もありませぬし


と 申し出た


え? いいの?
じゃあ 
薬草のこと教えてくれる?
いくら王宮とはいえ
典医寺にひとりは寂しいもの
よかった 
仲間ができて・・・


私でわかることであれば
喜んで・・・


そう チェ侍医は微笑んだ



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