突然ですが、私にはブロッコリーを見るたび思い出してしまう人がいます。

その思い出してしまう人とは、私は大学時代にお菓子屋さんでアルバイトをしていたんですが、そこで一緒に働いていた2歳年上の先輩です。

彼女にはネットで知り合ったという8歳くらい年上の顔の超濃い彼氏がいました。
ある日その先輩に、
『明日はじめて彼に手料理を作る事になって~ん。私の料理が食べてみたいなんて~。』
とのろけられました。
パスタ、サラダ、グラタン、スープを彼の家で作るんだとすごく張り切っていました。
大阪府内で5本の指に入るんじゃないかというくらいKYで、バイト仲間全員からいつも苦笑いされている先輩ですが、この時は可愛いなと心から思いました。
そして2日後、偶然その先輩と同じシフトだったので、昨日はどうだったのかを聞いてみました。

すると先輩は言いました。

『・・・ブロッコリーですか??』
と聞き直すと、
『うん。なんか私の茹でるブロッコリーが美味しすぎるんやって。だから今度からもうブロッコリーだけでいいみたい!』
とすごく嬉しそうに言いました。
もし私が同じ事を言われたら「あぁ私の料理まずかったんだな」と落ち込むところですが、彼女は素直に褒められたと思って喜んでいました。
『今度は3株持っていくねん!』
と目をキラキラさせて言っていた先輩。
今もどこかで元気にブロッコリー茹でてるのかな・・・。
と、ブロッコリーを見るたび思います。
