子宮頸がん、経過観察のお話です。

今回の記録は長文です。

読む時はなるべく部屋を明るくして、

目を疲れさせませんようにね。

(お前が言うなや)



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5月某日、医大にて定期検査。

約4ヶ月ぶりの医大訪問。

4年も経つと慣れたもんだぜ、いざゆかん。

…………なんだけども。



実は今回、医大へ行くのが憂鬱でした。

いや、普段もそんなルンルンじゃないけど。

毎回それなりに不安ですけど。

今回の不安はもっと巨大でして。



理由は言わずもがな、貧血。


今年に入ってからずっと指摘されてる。


それがずっと引っかかってるから。



医大へ行く前の4月、

血圧でお世話になってる内科医院で

別件の血液検査がありました。

コレステロールやら中性脂肪を診るために。

↑こちらの数値は問題なかった


「貧血がね、ちょっと気になるね」


ここでも内科医先生に言われました。

検査結果の用紙を見ると


「ヘモグロビン  8.8」

※正常値は11.6〜14.6

1月の血液検査より更に悪くなっていた。


ひと桁の数値は流石に低すぎる。


ついでに申すと

赤血球数と白血球数も下限値未満。

………………えぇぇ〜なんで??


いつもですと

余計なお薬は処方しない内科医先生も

「鉄剤処方しようか?」

と提案する程の低さでした。

ですよね。

病気を疑うレベルの数値ですよね。


(でも鉄剤飲むと気持ち悪くなるから断った)

(これだけ低くてもフラつきはないので)



こんな事があったもんだから

医大で詳しく検査するのが怖くなりました。


出血の自覚が全くないのに貧血って。

体内のどこかで密かに出血してるって事?

思い当たるのは腎臓か?肝臓か?

リンパか?骨髄か?

はたまた全摘出した子宮の辺りか?

だとしたらそれは悪性腫瘍の仕業になる?

考えたくない事がぐーるぐる。


内科医先生の見解では

「体内で出血があるとするのなら、

消化器系か婦人科だと思うよ」

との事。


しょうかきないか。ふじんか。


やだやだやだーどっちもやだー。

医大に行くのやだー。

採血やだー。

CT検査やだー。

何かしらの診断は出るって事じゃん〜。

検査結果聞くの怖い怖い怖い。

主治医先生たすけてー。



いつもだったら

1人で交通機関利用して医大へ行くのですが

旦那君が急きょお休みを取ってくれてて

朝だけ車で送ってもらいました。


不安にしてるのがバレちゃったかな。

ごめんね。ありがとう。

(病院到着後は1人で行動しました)



採血の時も、

造影剤のための点滴している時も、

検査後の食事中も、

婦人科外来での診察待ちも、


ずーっと遠い目でぼんやりしてた。


スマホ開いても何見ていいかわからず。

無駄に電池を減らすばかり。



ただ、CT検査の時。

荷物を預けるロッカーの鍵が「12番」で

案内された検査室が「28番」だった。


12番。スワローズの石山投手の背番号。

28番。語呂合わせで言うと「つばめ」

↑選手の背番号じゃないんかい

ムリくり連想してムリくり自分を励ます。



どんな励まし方やねん。



そんなこんなな流れを経て

長い時間、婦人科で診察待ちしていると

「晴日さん。診察室にどうぞ」


遂に来た。


「失礼しまーす…………」

「はい、お待たせしました。どうぞ〜」

前回同様、女医先生がいらした。


担当医、変わってなくて良かった。


先生の後ろにいる看護師さんにもペコリ。

荷物を置いて椅子に座る。

目の前のパソコンのサブ画面に

さっきCTで撮ったらしき画像があった。

思わずギクリ。


……画像の見方わからんクセにビビる奴。


「最近の体調どうですか?」

「うーん。貧血が気になってます」

「あー。そうですよね」←カルテ見てる

「先月、個人内科医で採血した時もヘモグロビンが8.8って言われて」

「えっ、それは低いですねぇ」


言いながら、女医先生が用紙を渡した。


「でも今回の数値、11.2でしたよ」

「えっ?あ、ホントだ!」

まだ下限値より少し低いけれど、

先月よりは回復してる。


ずっとこのまま下がりっぱなしと思ってた。

だから上昇してたのが驚きだった。

貧血改善する事もあるんだ?!


これ、喜んでいいのかしら。


「腫瘍マーカーも正常値内でしてね、

CTで再発転移も見られませんでしたよ」

「ふぉぉそうですか」

赤血球と白血球の値はまだだいぶ低いから

手放しでは喜べないのだけど。

血液検査の結果用紙を見つめていた。



「ただ今回、

ちょっと気になる結果も出まして」

女医先生の声が改まった。

「?」

顔を上げて先生の顔を見ると

もう1枚、

CT検査の結果用紙を見せてくれた。


「小腸重積、というのが見つかったんです」



しょうちょうじゅうせき。


…………………………………。


しょうちょぉぉじゅうせきぃぃ?!





って、なに?




「なんスか?それ」

聞いた事ないから反応のしようもないな。

「えっとね、小腸の壁がこうね」

女医先生、図解をしてくれる。


平たく言うと、

小腸の壁が重なってる状態だそうだ。

(まんまやないか)


「くつ下が内側に丸まった、みたいな」

女医先生のわかりやす〜い例え。


これが↓


こうなると。↓


※写真提供:晴日さんのくつ下(未使用)



目の前のCT画像をよくよく見ると、

小腸らしき場所の断面図が

ロールケーキみたいになっている。

なるほろ、これが小腸重積ね。

こんな症状になる人もいるんですね。


「初めて聞いたです」

「うん。成人ではあまり見ないですね。

赤ちゃんに多い病気です」

「赤ちゃんん?!!」


あたすの小腸、若返ったんか?

いやいやまてまて限度ってあるだろ。


「ひとまず消化器内科紹介しますので、

そちらで診察受けてみましょう」

「あわわ、はいぃ」

女医先生、内線使って連絡取り始めた。

テキパキと予約の段取りしてくれる。

頼もしいなぁ。


来月、診察受けようかと話していたのだが


「もしかしたら緊急かもしれないので、

今から消化器内科の先生が診察に来ますね」

「えっ!今からここで?!」


なんだなんだ話が急展開だぞ。


いったん退室して待合室にいたら数分後

看護師さんが呼びに来てくれた。

再度診察室へ入ると

女医先生の隣に知らない男性医師がいた。


噂の(?)消化器内科の先生だそう。



………主治医先生と同じくらいの歳かなぁ。



初対面ゆえのご挨拶もそこそこに

「診察ベッドでお腹見せてもらいますね」

との事。

女医先生と看護師さんも同行。


なんだなんだオオゴトになってないか?


指定のベッドで仰向けになり

予定してなかったヘソ出しルックで

消化器科先生がお腹を触診。

「痛かったら言ってくださいね」

腹のアチコチを軽く触る。


痛み、全くなし。


「次は少し強く押しますね」

「あい」

「痛かったら以下略」


確かにさっきより強く腹を押された。


されどどこも痛みは全くなし。


「痛みはないですか?」

「全然ないです」

「普段から便秘気味だったりします?」

「いや、全然です」

むしろ手術してから快便です。

「脇腹に痛みや違和感はあります?」

「ないですねぇ」


私の足元で女医先生と看護師さんが

保護者のように見守る中

診察終了。



消化器科先生の見解は


「今の所、緊急性はないかと思います。だけど詳しく調べる必要はあるので、2週間後にもう1度造影剤を使ってCT検査をしましょう。今日受けたCTは胸から骨盤にかけてでしたが、今度のCTはお腹を中心にしっかり検査しますね。小腸重積が一過性のものなのか悪性腫瘍によるものなのか等の判断は今はまだできないので、慎重に診ていきましょう」


だ、そうな。



こんな短期間にまた造影剤かー……。



消化器科先生にお礼を言って

先生は元の職場へお戻りになりました。

お疲れ様です。ありがとう。

みたび、女医先生と診察室へ。

看護師さんも慌ただしくて申し訳なし。


改めて女医先生と打ち合わせ。


「では、2週間後のCT予約取りましょうか」

「はい〜」

「どの曜日がいいとか希望あります?」

「この曜日だと仕事休みです」

「あ、この曜日なら私、婦人科外来の担当しているからCTの結果はここで聞こうか」

「婦人科でいいんですか?」

「ちょうどいいからこちらにしましょう」

「ありがとございます」


2週間後も

消化器内科へ行く事なく婦人科診察。

女医先生、どこまでも頼もしい。

ほれてまうやろぉぉ〜。



ちょっと気になる事を聞いた。


「今回の小腸重積、

手術の影響ってあるんですか?」

「う〜ん。手術受けたのだいぶ前ですよね」

「まる4年過ぎてます」

「ちょっと考えにくいですねぇ」

「そっか……」

他に何か理由があるのかしらん。


「そもそも大人で小腸重積ってあまり聞かない病名なんですよ」

「ほぉ」

「子宮がんの転移先が小腸ってのもほとんど聞かないですしね」

「ほぉ」

「珍しい、というか私は初めてですね」


う、嬉しくねぇぇ〜〜……………。


そんな第一人者は御免こうむるだよ。


「大腸カメラは小腸に行かないですか?」

「小腸は大腸から更に奥なのでね。一般的な検査では行かないですね」

「胃カメラでも?」

「胃カメラだと胃を貫通して更に奥だしね」

「上からも下からも難しいんですね」


小腸って、意外と盲点なんですか?

あたすの小腸に何があった。

じっと腹を見る。



「でもまだ小腸重積ってハッキリ確定した訳ではないので、様子見ていきましょう。貧血の原因がわかるかもしれませんし」

「はい」

「2週間後の検査までに、もし強い腹痛があるとか嘔吐が止まらないなんて事があったら、迷わず婦人科外来に連絡してくれて大丈夫ですのでね、そこは安心してくださいね」

「わかりました」



先生、親身になってくれてありがとう。

でもね先生。

もし本当にそんな症状出たら

悠長に婦人科外来に電話するより

救急車呼んだ方が良くね?



一応シュミレーションしておくか……。



こんな感じで、

長い長い診察時間がようやく終了。



心境としては


「レアケース来たァ━━━━━ !!」

ってはしゃぐ気にもなれず


「なんで私が」

って悲観する気にもなれず


「どうしようどうしたらいいんだろう」

って動揺する気にもなれず


「現実受け入れるしかねぇわな」

って思うしかなかった。


どこか他人事。

ググッても怖い事しか書いてないし。

見たくもねんだわ。



………なんて、

診察終了してぼんやり座っていたら

さっきと別の看護師さんが来て

造影CT検査同意書の説明をしてくれた。


「晴日さん、次のCT検査は来年ですね〜」

「??ん??来年?」

首をかしげて眉をひそめる私。

「あれ?違った?」


看護師さん、同意書を見直している。


「来年じゃなくて再来週かと」

「えっ?あ、えーっと?」

日付を確認する看護師さん。

同意書を数秒間見つめたと思ったら


「……………今って令和何年でしたっけ?」


真顔で患者に質問する看護師さん。


思わず声出して笑ってしまった。


「令和6年ですね」←笑う私

「あっ、じゃぁ今年だわすみません!」

「いやいやダイジョブです」←笑う私

「なんか今が令和何年かわかんなくて……」

「そですね。わからんですよね」←笑う私

「やだもうごめんなさいね」

「いいえ〜」←ほっこり


看護師さん。お疲れ様です。

でも笑ったら気持ちが和みました。

和ませてくれてありがとう。



お会計済ませて医大を出て、

ホルモン補充を処方してもらって

寄り道もせずに帰り着いて


時計を見たら16時過ぎ。

絶食で朝家を出たのが7時30分。

フルタイム通院かい。



たまには

「定期検査で医大へ。

結果は問題なし。何も変わりなし」

この2行で終わらせてぇな〜。



帰宅後、旦那君に検査結果を詳しく報告。


「あんまり聞かない病名だねぇ」

「女医先生にも消化器科先生にも言われた」

「また論文にされたりして」

「うわぁぁやめてけろぉぉぉぉ」


論文にされるなんざ二度と御免だい。



以上、

初夏の定期検査記録でした。



………実は今回のブログタイトル


「あたすの小腸(略してアチョー)」


に、していたのですが。

おふざけが過ぎるのでやめました。

ここだけの話です。

笑って欲しかっただけです。


長い長い1日。

次の医大は2週間後。

頑張りましょう。


とりあえず今は元気な方です。



最後までお付き合いくださいまして

ありがとうございました。