2019年7月。

術後7日目。


朝6時、看護師さんより採血あり。


朝食は普通の白ご飯。

ありがたや。


朝食後、主治医先生来室。

昨日と同じ状況……。

あれっ、なんかデジャヴ?

はっ!まさか先生、お粥に戻す宣告?!

その右手に持ってるA4用紙は何のお告げですかーっ???粥か?粥なのか??


身構えていたら、挨拶もそこそこに

「さっきの血液検査の結果がですね、

ちょっとこんなものが出まして」

と言って、持っていたA4用紙を渡された。


お粥に戻す話じゃなかったか……フゥ。

セーフ。



用紙をよくよく見ると、

CT検査の説明文書だった。


…………………。

予定にないですけど?

え?私、CT検査受けるの?今から?


更によくよく見ると、病名・病態の欄に

「深部静脈血栓症うたがい」とある。


しんぶじょーみゃくけっせんしょー?!


……………………って何?

えっと、なんか深刻そうなんだけど、

私、どんな顔すればいいの?

首をかしげていたら、

「小さい物だから大丈夫とは思うんですけどね。念の為って事で急きょ、CT検査しましょう」と言われた。


「あ、はい」

今日やる事ひとつ増えた。


後で迎えをよこしますと言って、

主治医先生退室。

CT検査かー。ま、いっか。

あまり深く考えないでおいた。



1時間後、看護師さんが迎えに来た。

今回も移動は車椅子。

忙しい看護師さんが持ち場を離れて大丈夫なのかしらん。

なんて思っていたら。

ナースステーションまで来た時、

「この後は主治医先生と行ってもらいますね〜。私はここで」とにっこり。

つられて私もにっこり……………。


って。

えぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーっっ?!

(↑だんだん「え」に見えなくなってきた)

慌てて振り返ったら、看護師さんが主治医先生に入れ替わっとる!

やだ何このイリュージョン?!

「お待たせしました。では行きますね」

問答無用で車椅子を押す先生。


いやいやいやいやちょっと待って!

看護師さんに車椅子押してもらうのも申し訳ないのに、主治医先生が車椅子押すて!


た、体重バレるぅぅぅーっ!!(切実)

嫌がる理由がズレてるようだが、本気だ。

あぁもうあかんー。

せめてあと3kgやせてからにしてぇ。

くすん。


我が身の重さは諦めて、

大人しく車椅子に座ってた。

考えてみりゃ先生が私の体重を把握してるのは当然なんですが。いやでも数字で知ってるのと実感で知るのは違うというかね。

せめてあと5kg………くっ。

私は今、米俵★割ぶん。私は米俵。米俵。

よし、米俵さん、CT検査受けて来ます。



CT検査室は階が違う。

エレベーター乗るんだよなーと思っていたら、病棟用エレベーターとは違う方向へ。


あら?先生、ルート間違えた?(無礼者)


主治医先生が向かったのは、

職員用エレベーターだった。

先生が ICカードをかざして「ピッ」

自動扉が開く。

おぉ、なんか先生、かっこいいよ。

(この米俵は単細胞です)


あっという間に階が変わって、

先月も受けたCT検査室へ。

外来の患者さんが沢山いるなぁ。

受付や看護師さんを通す事なく、主治医先生は真っ直ぐ検査室へ車椅子を押した。


「よろしくお願いします 」

今回は造影剤なしの単純CT検査。

仰向けになってバンザイして、

主治医先生立ち会いの元確認して、


「はい、では撮りますね〜」


検査台にひとりぽっちで静止。


あっさり終了。

気分悪くなる事もなく車椅子に戻って、

先生が来るのを少し待った。

つーか、帰りも先生が車椅子押すの?


ぜ、贅沢すぎて身が持たん……。

待ってる間に7kgくらい痩せないかな。



今回主治医先生が直接CT検査に同行してくれたのは、万が一の事を考慮したためなんでしょうね。おそらく問題ないであろうとはいえ、血栓症うたがいなので。

決して主治医先生が暇だからではないと思われます。


CT検査の結果は、問題なしでした。

ひと安心。

とゆーよか、余計な手間隙かけてしまい、うちの血管がご迷惑おかけしました。


車椅子を押してもらっている間、

主治医先生と少しお話した。

今の経過はいい方だそうで。

これから始まる排尿訓練、大変だろうけど、長い目で見れば回復しますからね、と。


「不安なんですわ……」

「大丈夫ですよ」

主治医先生の大丈夫って、心強い。


そんな会話をしつつ、病室到着。

主治医先生、ご多忙な中本当にありがとうございました。




しっかし、自分の執刀医に車椅子押してもらう経験てそうそうあるもんじゃない(と思う)ので、貴重でしたわ。


これ、少女漫画か小説だったら惚れてるパターンじゃーん。

って少女漫画好きの私は思ったけど。


この時の米俵もとい晴日さん、

尿道カテーテルまだ抜けてないからね。

つまりどういう事かと言うと、

尿道口から管を通した先に蓄尿バッグがあって、それを小脇に挟んで車椅子に乗ってたんでした。

蓄尿バッグ、先生もちろん見てます。



こんなの少女漫画になる訳ねーわな。

(それ以前に年齢的にアウト)



当時の私は治療に精一杯で、蓄尿バッグに対する羞恥心が皆無でした。

今(2022年現在)なら全身全霊かけて隠すんですが。

オープンにしてても全く平気。

入院中、私の羞恥心は行方不明でした。


てな訳で、

次回は排尿訓練についての話です。(予定)