”登記”ができないってのがある。
ごく最近まで、妻がFP1級の試験問題を延々を解いて覚えていたんだけど
試験を受けたら例によって、ちょっとだけ点数が不足っぽい。。。(泣)
Eセクション”不動産”は私がいきなり解いたほうが正解はずっと多かった。
勉強法が悪くって、問題集解くのもいいけど、おんなじ問題がでるとは限らん
(宅建ほどパターン化されて簡単ではない)のだから、元にもどって法令の条文
程度は目を通しておかないとねぇ。。。
。。。問題を作る人は間違っても正解が2つあったり0になったりしないって
のを考えるから、法律の条文そのものを試験にすることが多いわけで。
過去問にあったのは区分所有法4条の2。
元の条文を見てみましょう。
建物の区分所有等に関する法律
(共用部分)
第4条 数個の専有部分に通ずる廊下又は階段室その他構造上区分所有者の
全員又はその一部の共用に供されるべき建物の部分は、区分所有権の目的と
ならないものとする。
2 第1条に規定する建物の部分及び附属の建物は、規約により共用部分と
することができる。この場合には、その旨の登記をしなければ、これを
もつて第三者に対抗することができない。
法人格がないと、”登記”が困難という件で、区分所有法の第4条2項に
関係する ”規約共用部分”に関わる登記がなかったために”善意”の第三者
に対抗できなかった例とかあるのかなぁ??
とかメーリングリストで聞いたら戻ってきた”法人”でなかったために
。。。って例。実際の経験というよりは作った感じだけど、つっこまれると
確かにどうかなぁってもの。
1.区分法4条2項の対抗関係が問題となる例
レアケースではありますが、次のような「二重譲渡」の例です。
零細なはるぶー不動産が、98戸1棟マンションを分譲した。この物件は100戸に
区分され、分譲前は100戸の区分所有物件として登記し、
2戸はモデルルームに使用し、98戸が分譲された。
(註)まぁ実際に、そのマンションの”戸数”と区分所有者の住んでいる
”戸数”の一致しないマンションはとっても多い
分譲後は2戸のモデルルームは管理事務所に衣替えされ、管理組合に
引き渡された。管理規約には「共用部分」と定められたが、登記上は
売り主=はるぶー不動産の区分所有のままであった。
その後金繰りに窮したはるぶー不動産は、この2戸分に抵当権を設定し、
同じく評判の芳しくないミッキー商事(まぁ名前は適当につけた)から借金をした。
その後はるぶー不動産は倒産し、抵当権を実行したミッキー商事が
管理事務所を自分の事務所に改装してしまった。
この場合は、ミッキー商事は規約の存在について善意無過失でなくとも、
抵当権設定と実行が「詐害行為」に該当さえしなければ、自分の区分所有権を
主張できます。
したがって、マンション側は相応の費用を提供して買い取り交渉をするしか
ありません。これが登記の対抗要件というやつです。実際の訴訟では、マ
ンション管理組合側はミッキー商事の詐害性の立証に成功しないと、
追い出すのは困難でしょう。
我々が購入しているマンションは多くの場合が、社会的信用のあるデベ
(はるぶー不動産とは異なる)ので、このような二重譲渡はないでしょうが。
なお、規約共用部分としての記載は、各物件(この場合は管理事務所の2戸分)
の登記事項の中に所有者とは別に記されています。
2.管理組合法人が不動産を所有する例
これもレアケースですが、考えられるのは、マンション敷地の隣地が開いて
しまったため、変な輩に占領されるくらいならば、自分たちで買ってしまおう
というケースで、財政的にゆとりがある場合です。
これに対して、今まで区分所有者が共有していた敷地や施設を、
管理組合法人が当然に「所有」できるというのではありません。
というのはこれら共用分は区分所有者の共有物ですから、管理組合法人が
所有するためには、当該法人に物件を譲渡=処分しなければなりません。
共有物の「処分」は、区分所有法の範疇ではなく
(区分法が定めているのは建物や敷地の管理と変更だけです)、
民法の大原則に戻りますので、共有者「全員」の同意が必要です。
管理組合法人を作るメリットがあるようなマンションはメガ級が多いですから、
区分所有者全員の同意は限りなく不可能です。
敷地の買い増しも同じです。法人化せずに管理組合のままですと、
敷地を共有の形で新たに購入することとなりますので、
「全員」の同意が必要です。
共有物の取得と処分を裏腹の関係で、全員の同意が必要です。
法人化するメリットは、共有という法形式を使わずに敷地を取得できる
ところにありましょう。
組合法人は、区分所有者とは別の法人格をもった存在です。
区分法27条の管理所有も区分所有者間相互の特別な権利関係の中で
便宜的に手当された制度ですので、組合法人にはないのです。
長いので一回切りますね。 第3回に続く。。。
よかったら、ぽちってください。別にやばいことは何もおこらなくって
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